書家とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 社会 > 社会一般 > > 書家の意味・解説 

しょ‐か【書家】

読み方:しょか

文字を書くのが巧みな人。能書家

書道専門家書道家

「書家」に似た言葉

書家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 16:08 UTC 版)

蘭亭序』(部分)
神龍半印本 王羲之
『哭澄上人詩』(部分)
嵯峨天皇宸筆
書譜』(部分)
孫過庭

書家(しょか)は、における高度な技術と教養を持った専門家のこと。日本では書人ともいい、近年[いつ?]、異称であるが書道家ともいわれるようになった。中国語では、書法家繁体字)という。独自の感性で墨文字アート、墨象画を手掛けている書き手は、書家とは異なる。

書家の異称

能書・能筆
一般的には、字を書くことが上手なこと、また、その人のことをいう。優れた書作品の意として使われることもある。日本で書法教授職業とする「書家」が現れたのは江戸時代中期以降とされているが、それまでの書家が存在しない時代、書の上手な人を手師能書手書きと称した[1]。『万葉集』の中で「羲之」や「大王」を「テシ」(手師)と読ませ、王羲之を能書の代名詞としていた。今でも歴史上の書人を能書・能筆と称している。
能書家・能筆家
能書・能筆と同様に使われるが、近現代の書家に対しても、多くの書家からその能書たることを認められている場合に使われる。いわゆる書の名人、書道界の大御所である。中国語では書法大師書法大家という。
文人書家
篆刻家を兼ねる書家は日本でも中国でも古今に例が多いが、中国では多芸を重んじる傾向が強く、特に、書・篆刻・画・詩を能くして四絶と称賛され、文人書家とも称される。中国の呉昌碩がその代表であり、最後の文人である。
書道家
古典作品に根ざした書を用い、いわゆる書壇や書流に属すものを書家というのに対し、書道を用いたパフォーマンス等の活動を専らにする者を書道家と呼ぶ。書家は書、すなわち古典に根ざした内面的な美意識を要諦とするのに対して、書道家は書道、すなわち西洋的な芸術の解釈から広範な活動が許されることを以て行うものである。は、文字性、構造性、言語性が必須要素であり、あくまで文字としての要素を残すことにあるため、誤字や形の間違い、歴史的な仮名遣いなどの誤りに厳しいため、研究が非常に重視され、老いるほどにその練達が磨かれる老成芸術とも呼ばれる。しかし書道においては、西洋芸術の許容度の広い解釈によって、これらの書の必須要素をほぼ無視してよい[2]という解釈がされ、手軽に楽しめる利点がある[3]。古くから独立系、前衛系の書家を中心に大字書、一字書と呼ばれるジャンルなどで現在のパフォーマンスに近いものは行われていたが、近年[いつ?]のインターネットの発達により活動の環境が整えられ、書道家は増加の傾向にある[要出典]
デザイン書家
古典作品に基づき、それを継承していく芸術表現としての書とは異なり、正しい字形や筆法などを意識することなく、自由で独創的な表現、広告的観点による訴求性を重視した表現を行っている書家。このような作品分野は、デザイン書道、デジタル書道、アート書道、商業書道などと呼ばれている。

日本の書家

日本を代表する書家
平安時代空海橘逸勢嵯峨天皇三筆をはじめ、名家が輩出し、名筆が遺存した。また、かなが出現し、かなと漢字との調和が日本書道の大きな課題として提示され、これに応じて和様書道が完成された。その完成者は、小野道風である。道風の後、藤原佐理藤原行成と、いわゆる三跡が相継ぎ、黄金時代を現出した。
内閣府大臣官房人事課には報道で披露される元号や官記などの揮毫を専門とする辞令専門官(官邸書家[4])がおり、公務員ではあるが一般の試験採用ではなく書家が任命されている[5]

書家一覧

  • 飛鳥時代から江戸時代
  • 明治時代から現代

中国の書家

中国を代表する書家
書の名家は、後漢張芝鍾繇東晋王羲之王献之である。王羲之は、「多くの名書の中で、鍾繇と張芝は群を抜いてよい。その他は観るに足りない。」という。そして、鍾繇と張芝が歿して、羲之と献之がこれを継ぐことになる。羲之はまた、「わが書を鍾繇と張芝に比べると、鍾繇には拮抗する。しかし、張芝の草書は、いまなお雁行[6]する。」といっている。鍾繇の楷書、張芝の草書を王羲之のそれと比較した場合、羲之の各々の書体は鍾繇・張芝に勝っていないが、羲之は各書体に通じているという点で卓越している。王献之の筆跡は、羲之の書法をほぼ伝承していると思われるが、そうでない面も色々な逸話が物語っており、献之が羲之に及ばないのは疑いない[7]

書家一覧

脚注

  1. ^ 書道用語一覧#手を参照
  2. ^ 字形の誤りや、誤字、誤用等については、文字文化の破壊である等の多くの批判がある。
  3. ^ 書道パフォーマンスについては、高等学校では芸術科書道を学習科目としているため、書道に親しみをもたせることができるとの観点から行われるところも多いが、小中学校においては国語科書写という科目があり、言語として適切な文字を学習させる義務教育の目的から、学習指導要領によって書道は行わないものとされており、パフォーマンスは行われない。もし書写パフォーマンスを行う場合には、学習指導要領に従い、誤字や誤った字形とならないような適切な指導が望まれる。
  4. ^ Furoshiki@Kanteiについて - 首相官邸
  5. ^ 「これまでの功績、これからの重責への思いを筆に込めて」 - 人事院
  6. ^ 雁行(がんこう)とは、先に立って行くこと。
  7. ^ 書譜』の一部分を要約

参考文献

関連項目

外部リンク

  • "書道家". 13歳のハローワーク公式サイト(13hw) -中高生のための…未来のヒントに出会う場所。-. 2015年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月21日閲覧

書家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/27 02:25 UTC 版)

alain (モデル)」の記事における「書家」の解説

「阿嵐」名義書家として活動している。2009年3月2010年4月に、個展開催した2010年4月作品集『墨魂 -soul of ink-』を発表

※この「書家」の解説は、「alain (モデル)」の解説の一部です。
「書家」を含む「alain (モデル)」の記事については、「alain (モデル)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「書家」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

書家

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 06:08 UTC 版)

名詞

しょか

  1. 文字巧みに書く人。
  2. 制作専門に行う人、またそれを職業とする人。

類義語

翻訳


「書家」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



書家と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「書家」の関連用語











書家のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



書家のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
総務省総務省
Copyright(c)2025 総務省 統計局 All rights reserved
政府統計の総合窓口(e-Stat)
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの書家 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのalain (モデル) (改訂履歴)、後醍醐天皇 (改訂履歴)、山岸舞彩 (改訂履歴)、おさる (改訂履歴)、源俊頼 (改訂履歴)、副島種臣 (改訂履歴)、山崎宗鑑 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの書家 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS