書道展とは? わかりやすく解説

書道展

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 08:51 UTC 版)

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書道展(しょどうてん)は、展覧会のこと。書展書作展ともいう。書道団体による公募展企画展などがある。美術館で開催されることが多いが、2000年ごろからインターネット上での書道展も開催されるようになった。個展や遺墨展も含まれる。

書道団体、書展の歴史

日本では昭和時代になって各書道団体が結成され、書道活動は組織的に行われるようになり、展覧会による大規模な活動によって近代芸術として一般社会に認められるようになった。

戦前

日本で初めての大規模な書道展

1924年(大正13年)に日本書道作振会という団体が結成された。この団体は、当時のほとんどの書人と書道に関心のある政治家、実業家、軍人までをも加えた組織となり、その最も大きな事業としての大展覧会を年一回開催した。当時の書道界には小団体しかなく、小規模の展示を随時やっていたにすぎなかった。よって、この団体の結成と大規模な展覧会の開催は書道界にとって重要な意義があった。しかし、数年で脱退者が続出し、この団体は崩壊してしまった。

三展の創立と書壇の誕生

日本書道作振会の崩壊を教訓に生まれたのが、泰東書道院、東方書道会、大日本書道院の3つの団体である。この3つの団体は、昭和初期の書道界を三分し、それぞれの展覧会を開催し、書道界の組織化に貢献することになった。この三展の創立をもって書壇の誕生とされている。

書道展の創立、発展に尽力した人物
日本書道作振会
泰東書道院
東方書道会
大日本書道院
日本書鏡院

戦後

日本書道美術院の結成

1946年に日本書道美術院が結成する。当時の書家のほとんどを集め、美術館で2回の展覧会を持った後、分裂した。

日本書道美術院の結成に尽力した人物
日本書作院の結成

日本書道美術院が分裂して日本書作院が結成された。

日本書作院の結成に尽力した人物

現書壇の主な書道展

現代の日本の書道界において、書道展における実績は、日本芸術院などによる顕彰と併せ、書家への評価の裏付けとされており、各書道団体における会員・役員の推挙基準としても用いられている[1]。とりわけ日展を最高権威とし、その下に読売書法展、毎日書道展といった大規模公募展を位置づけ、更にその足がかりとして日本書芸院展といった各地域において重要な大規模展を位置づけた、日展系と呼ばれるヒエラルキーが形成されている[2]

こうした書道界の構造については、実績のある書家が審査委員などを務めることでその振興を支えていると評される[1]一方で、組織的支援がなければ入選が困難であったり、入選後に各所にお礼金を渡すといった書道界特有のしきたりも伝えられる[2]。1984年に発足した産経国際書展では、既存の大規模展への「ボス的作家の縦割り金権支配による審査」との批判から、流派を問わないクリーンな審査を理念に掲げている[3]

令和2年度の「改組 新 第7回日展」における書作品の入選点数は1,069点、令和元年における新聞社主催の大規模公募展の出品数は毎日書道展が28,074点、読売書法展が21,294点、産経国際書展が6,157点となっている[1]

脚注

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  1. ^ a b c 2-3 書芸術の活動について」『令和2年度 生活文化調査研究事業報告書(書道)』文化庁、2021年、12-15頁。
  2. ^ a b 大野加奈子「書道界の制度と力学: 現代日本の書道会と展覧会活動についての考察」『文化人類学』第72巻第2号、日本文化人類学会、2007年、 165-187頁、 doi:10.14890/jjcanth.72.2_165
  3. ^ サンケイ国際書会会報 第1号』産経国際書会、1984年12月15日。

参考文献

関連項目

外部リンク


書道展(公募展)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 09:05 UTC 版)

全日本書芸文化院」の記事における「書道展(公募展)」の解説

全日本書芸文化院主催する書道展(公募展)は、主に以下の3つがある。 全国書初大会刊行手本語句による作品で優秀作品を選出。優秀作品は大会会場展示会場池袋サンシャインシティ開催時期2月作品締切時期1月全書芸展(後援文化庁、東京都)漢字創作臨書)、かな(創作臨書それぞれ1部(聯落~3×6)2部半切以下)に分けた計8部門にて鑑別審査を行う。優秀作品は会場展示会場国立新美術館開催時期12月作品締切時期9月全国書道コンクール後援文化庁、東京都)半紙毛筆)、書き方硬筆)で日本一目指す上位入賞作品国立新美術館全書芸展会場展示会場国立新美術館開催時期12月作品締切時期9月

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