映画デビューとは? わかりやすく解説

映画デビュー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 08:35 UTC 版)

早川雪洲」の記事における「映画デビュー」の解説

洲が舞台で活動していた頃、アメリカ映画ロサンゼルスハリウッド新し映画製作地となり、多く映画関係者それまで映画産業中心地だったニューヨークからハリウッドへ移ってきた。そんなハリウッド草創期活躍したニューヨーク・モーション・ピクチャー・カンパニー(英語版)(NYMPC)の映画製作者トーマス・H・インスは、洲を映画界スカウトし人物とされている。自伝によると、『タイフーン』の公演3日目インス観客として見に来ていて、芝居終わったあとに楽屋訪ね、「『タイフーン』を映画化しないか」と誘ってきて、映画出演契約結んだという。しかし、1914年洲が兄に宛てた手紙によると、1913年10月にNYMPCの社長に認められて、俳優としてではなく脚本家として月給300ドル雇われたという。その後洲は俳優としてインス契約結んだ考えられている。 サンタモニカ近くにインスヴィルと呼ばれる広大な撮影所構えていたインスは、当時アメリカ白人社会日本日本人神秘的エキゾチックな対象として関心持たれていたことに注目し日本題材とした映画作るため、インスヴィルの敷地内日本人オープンセット作り日本人俳優集めていた。インスのもとに集まった日本人俳優には青木鶴子トーマス・栗原ヘンリー・小谷木野五郎などがおり、洲もこの中加わった洲はインス日本映画1本目で、鶴子主演短編映画『おミミさん(英語版)』(1914年)の相手役で映画デビューした。それからもエキゾチックな日本文化見せることに主眼置かれインス日本映画欠かせない人材として、10本以上の短編映画出演した。これらの映画共演続いた鶴子とは、1914年5月結婚した洲の最初長編映画出演作は、桜島の大正大噴火題材にした『神々の怒り』(1914年)である。この作品では鶴子演じヒロイン父親演じ当時アジア人俳優の中で最も高額の週500ドルギャラ支払われた。インス映画化提案したタイフーン英語版)』(1914年)は、洲の2本目長編映画として作られ、かつ洲の映画主演作となった中川によると、製作順では『セレクト・シン』(1914年)が実質的な洲の主演第1作であるが、興行的に成功するかどうか不安だったため、『タイフーン』のあとに公開されたという。『タイフーン』は興行的成功収め、トコラモを演じた洲も観客の間で大評判となり、『ミルウォーキー・ニューズ』の記事では初めて「スター」と呼ばれたインスも高まる洲の人気注目し、彼を売り出そうと主演作品立て続け公開した当時洲は日本人だけを演じたわけではなく、『ラスト・オブ・ザ・ライン(英語版)』(1914年)でスー族酋長息子演じるなど、何本かの作品インディアン役で出演している。

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