新島形成の経過
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 06:45 UTC 版)
昭和硫黄島の位置 噴火の推移、新島誕生の経過は著名な地理学者である田中館秀三により詳細に調査され、田中館によって書かれた複数の論文記録が残されている。 以下、昭和硫黄島形成の経過記録を記す。 1934年(昭和9年)9月6日または12日23時頃、地震活動開始 9月13日 午前中を中心に地震回数増大 9月17日 海水沸騰、火山灰浮遊を確認 9月18日 海水混濁確認 9月20日 噴煙、軽石による浮島を確認 9月21日 噴煙の高度が1,000メートルに達する 11月25日 初めて降灰を確認 12月7日 新島を確認 12月23日 新島の火口丘の高さが20-30メートルに成長 12月25-30日頃 海中に水没、消滅 1935年(昭和10年)1月5日 再度、新島出現 1月19日 黒煙及び白煙を伴う溶岩塊の放出を確認 1月22日 ph5.3の酸性雨水を硫黄島で測定 3月1日 火山灰、ガス等を含む降雨が減少 3月8日 硫黄島住民により新島への初上陸が行われる 4月1日 噴煙等が見られなくなり、ほとんどの火山活動が終息 新島が誕生した位置は海中カルデラである鬼界カルデラ北縁の水深約300メートルであり、そこから新島が形成されるために必要なマグマ噴出量は、雲仙平成新山のマグマ噴出量(0.18km3)に匹敵、もしくは上回るものと考えられている。こうして誕生した新島は昭和硫黄島と呼ばれ、海蝕などにより消滅することもなく21世紀現在も存在している。
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