子実体
子実体
子実体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/23 05:58 UTC 版)
担子菌類の多くは子実体を作る。サビキン類、クロボキン類は子実体を作らず、胞子を作る菌糸の層を作る程度である。それ以外のものの多くは、何らかの形の子実体を作る。 一般的な印象としてのキノコの形は、柄の先に、傘型の部分があり、その下面にひだがあるものである。これらは一般にハラタケ類と呼ばれる。子実体はそのすべてが菌糸からできており、傘の下面、ひだの側面に担子器が並ぶのが普通である。これらのキノコは、柄を縮め、傘を閉じた形で、あるいはそれがさらに皮をかぶった形で形成され、一気に柄が伸びて傘が開くことで完成する。傘の裏側のひだは、管状になっているものもある。これらのキノコは肉質で、成熟の後、一週間くらいで腐り、早いものはその日のうちにとろけてしまう。 もう一つ、傘を作るキノコで別の型として、非常に堅い子実体を作るものがある。カワラタケ、サルノコシカケなどであるが、これらのキノコは、傘の裏面に管があり、管の内側の側面に担子器が並ぶ。子実体は堅く、傘を開いた形で、周囲に向かってゆっくりと成長しながら胞子を作る。子実体は何ヶ月もそのまま残っている。 傘型にならないキノコとしては、スッポンタケやホコリタケなどがある。スッポンタケは長い柄の先に閉じた傘のようなものがあって、その表面に胞子を含む粘液が付いている。この胞子は、スッポンタケの子実体の柄が縮んだ状態で、袋の中にあるときに形成され、そこで成熟する。ホコリタケは、袋状で、内部に胞子ができる。出来上がる子実体の形は全く異なるが、胞子が袋の中に形成される点では共通している。このようなものをまとめて腹菌類と呼ぶ。 ほかに、キノコらしくないが、キクラゲやシロキクラゲなど、寒天質ないし膠質の、ひだの多い子実体を作るものがあり、それらをまとめて膠質菌(こうしつきん Jerry fungi)とよぶ。担子器に特殊な構造を持つものが多い。 また、ロウタケなどのロウタケ目 Sebacinalesは地上で寒天質または膠質の不定形な子実体を形成し、時には植物などを覆うため変形菌などと間違えられる。
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「子実体」の例文・使い方・用例・文例
- ポリアンギウム科の標準属:丸い子実体が膜に囲まれている粘液菌
- 子嚢菌類の成熟子実体
- いくつかの菌類によってホストで生産される菌糸のマットからなるクッションまたは水膨れに似ている小さな無性子実体
- 特殊な細胞の上に胞子を生じさせる担子菌類の子実体
- クロサイワイタケ属の菌の子実体
- 硬い皮の子実体をもつ有毒菌の属:にせトリュフ
- トリュフに似た、地中に皮が硬い子実体ができるニセショウロ属の様々な菌類
- 地中に子実体をもつトリュフに似た様々なショウロ科の菌類
- 黄色からオレンジ色の丸い子実体が地表でまたは地中に一部埋まった状態で見られる菌類
- セイヨウショウロタケ科の標準属:子実体が主としてトリュッフである菌類
- くぼんだラッパのような子実体のある微毒性のキノコ
- しばしば複合である茶の子実体を持つ食用のキノコ
- ピンク色から朱色をした特有の子実体をもつキノコ
- 灰色がかった白い子実体と、ピンクから黒ずんだ赤に色を変えるひだを持つハラタケ
- 子実体が開口部のない閉鎖子嚢果の菌類の鋼(腐食または分裂した時だけ胞子を放出する)
- 子実体が被子器である菌類のクラス
- 肥満した子実体が円盤状であるかカップの形をしている子嚢菌の大きくて分類学的に難しいグループ
- その色がくすんだ黄色から黄褐色であるつるつるしたゴムのようなゼリー状の子実体の一群で発達する盤菌類
- 明るいオレンジ色でカップの形、またはソーサーの形をした子実体を持つ盤菌綱で、外側は薄いオレンジ色
- この盤菌綱のカップの形をした子実体はゼリーのような内側と短かい柄を持つ
子実体と同じ種類の言葉
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