あ‐ずま〔‐づま〕【×吾妻/×吾×嬬】
あずま〔あづま〕【▽東/×吾妻/×吾×嬬】
読み方:あずま
1 東の方。東方。
「いにしへは相模(さがむ)国足柄の岳坂(やまさか)より東の諸(もろもろ)の県(あがた)はすべて—の国といひき」〈常陸風土記〉
「—の主(あるじ)(=鎌倉幕府ノ将軍)になしきこえてん」〈増鏡・内野の雪〉
「都では芸子と名付け—では踊らぬ時も踊り子のすんとして」〈浄・矢口渡〉
[補説] 日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の帰途、碓氷(うすい)峠(景行紀による。古事記では足柄(あしがら)山)から諸国を眺め、犠牲となって投身した妃(きさき)の弟橘媛(おとたちばなひめ)をしのんで「あづまはや」と呼びかけたという地名起源説話がある。また、東国の範囲については、時代・文献により異同が多く、(1)現在の関東地方、(2)三河以東、陸奥(むつ)を含む、(3)伊勢・尾張を含む、などの説がある。
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