原子力政策
別名:原発政策
原子力を利用した国の施策のこと。
日本における原子力政策は、原子力委員会の取りまとめた「原子力政策大綱」に記されている。
原子力政策大綱によれば、原子力政策の目的は、安全の確保を前提に将来におけるエネルギー資源を確保し、国民生活の水準向上に寄与することとされる。
原子力政策は、2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所での放射能漏れ事故を受けて、政財界の一部から見直しを唱える声が上がっている。
ちなみに、原子力を撤廃するための国の施策を「脱原子力政策」、あるいは、「原子力撤廃政策」という。脱原子力政策を行っている国には、ドイツやイタリアなどが挙げられる。
関連サイト:
原子力政策大綱 - 原子力委員会(PDF)
原子力政策(げんしりょくせいさく)
原子力発電では、原子を核分裂させてエネルギーを取り出する。普通、原子はそれ以上に分けることができない。しかし特別な方法でウランを処理すると、原子核を割ることができる。このさいに、莫大な量のエネルギーが生じる。原子力発電は、このエネルギーを利用する。
一方、原子力発電では、エネルギーとともに「放射能」という厄介なものも出てきる。
原子力発電では、厚い壁を使って放射能を封じ込めて、放射能が外に出ないようにしている。しかし場合によっては事故で壁が吹き飛んだりして、放射能が外に撒き散らされることがある。めったにはないが、万が一この事故が起こると「チェルノブイリ(1986年、旧ソ連)」のような大惨事にもなる。
2年前の1998年に発表された長期エネルギー需給見通しによると、政府は2010年までに原子力発電所を20基新設する方針だった。原子力発電所は、二酸化炭素などの温室効果ガスを出しない。そこで環境対策の狙いもあり、政府は発電に占める原子力発電所の割合を、積極的に高めようとしてきた。
原発を建てるさいには、関連市町村の公営医療施設などに5年間で最高9億円、また都道府県には1年間で最高9000万円が支給される。これは原発に関する「要対策重要電源」の取り決めである。これによって、原発を建てる際、住民からの理解を得やすくしてきた。
しかし、茨城県東海村での被曝事故を代表に、最近、相次いで原子力事故が発生している。このため、世間は原子力発電所への不信感を強めている。住民の反対運動なども起きている。
結局、電力各社によると、2010年までに新設できるのは20基の予定から 7基減らした13基にとどまるということである。
実際のところ、原子力発電所の新設には、火力発電所の2倍以上の建設費用がかかる。放射性廃棄物を処理する費用も必要である。このようなことから、ドイツなどヨーロッパの一部の国では、脱原発政策が採られ始めている。原子力は必ずしも「未来の夢のエネルギー」ではなくなっているのかもしれない。
(2000.08.15更新)
日本の原子力政策
原子力政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/01 09:20 UTC 版)
在任期間中、高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ火災事故(1995年)の発生をはじめとして、美浜原発2号機の伝熱管破断事故(1991年)、高浜原発3号機用のMOX燃料データ改ざんの発覚(1999年)など、県内の原子力発電に影響する数々の重大な出来事があった。そのような状況の中、前述の空港拡張計画や北陸新幹線建設促進に関する国に対しての要望にも絡め、国の計画によるプルサーマル実施の事前了解(1999年)を出したり、もんじゅの運転再開に向けた国の安全審査入りへの了解を出したり(2001年)、敦賀原発3・4号機の増設に同意したり(2002年)など、福井県での原子力発電に対して肯定的な立場をとった。
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