兼元謙任
【英】Kaneto Kanemoto
兼元謙任とは、Q&Aサイト「OKWave」を運営している株式会社オウケイウェイヴの創業者で、現代表取締役社長である。1966年7月22日、愛知県生まれ。
兼元謙任は愛知県の芸術大学を卒業し、デザイナーとして、京都のデザイン事務所や名古屋の建設関連会社に勤務した。製品デザインにおいては経済産業省グッドデザイン賞(中小企業庁 長官特別賞)を受賞するなどの実績を残している。
その後、大学時代から続けてきたデザイングループ仲間と共に米国で仕事をするチャンスが訪れ、兼元謙任は渡米の準備のため勤め先を退職する。しかし、デザイングループ仲間の内で兼元自身に対する懐疑心が生まれ、渡米の話は頓挫してしまった。頓挫と同時に、デザイン活動に没頭し過ぎて顧みなかったため、妻から「疲れた」と離縁状が渡された。
仕事を辞め、仲間や家族も失いかけた兼元謙任は、単身で東京に向かい、パソコンを使ったデザイン請負の仕事を始める。住居を持たず、所持金もほとんど持たず、パソコンだけを持って駅構内や児童公園で野宿をする路上生活を2年間ほど送った。安定的に収入が得られるようになってからも、月の生活費を1万円とし、残りは妻のもとへ送り続けた。
Webデザインの仕事などを請負ううちに、兼元謙任はインターネットに接し、電子掲示板(BBS)の存在を知る。BBSで質問をした際に他のユーザーから非情な扱いを受けた経験にインスピレーションを受け、Q&Aに特化したサービスの構想を思いつく。そして、それこそが自分の使命と直感し、Q&Aサイトの実現に向けて奔走する。
1999年、兼元謙任はQ&Aサイトを運営するために会社を立ち上げる。スタッフが倫理的観点から質問の制御を行い、またユーザー同士の善意によって意見交換がなされるという、従来の掲示板の難点を上手に制御したシステムは着実に登録者数を伸ばしていった。なお、増資に際しては楽天、インプレスホールディングスなどから出資を得ている。

オウケイウェイヴは、一般向けのQ&Aコミュニティサイト「OKWave」を運営する一方、ポータルサイトへのQ&AシステムのOEM提供、企業向けのFAQソリューションとしてシステムのASP提供などによって発展していった。2006年6月には名証セントレックスで株式公開を果たしている。
兼元謙任は、究極的には人間同士のコミュニケーションが最大の検索ソリューションであり、ロボット型検索エンジンをも超える可能性を秘めたサービスであるという信念を持ち、「世界中の人と人を信頼と満足でつなぐ」ことを理念に、「2010年に10ヶ国語、100ヶ国でのサービス提供」を目標に掲げて、OKWaveの成長に邁進している。
(更新:2008年2月)
参照リンク
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兼元謙任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/29 19:44 UTC 版)
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兼元 謙任(かねもと かねとう、1966年7月22日 - )は、愛知県名古屋市緑区出身の実業家である。ウェブサービス「OKWave」の創業者である。
来歴・人物
在日韓国人3世として名古屋市に生まれる[1]。小学生の時に帰化したが、生まれが原因でいじめにあい、いじめで負った傷のために今でも右目が見えづらい[1]。6年生になると、ギラン・バレー症候群にかかり、高校まで入退院を繰り返すことになり、車椅子生活を余儀なくされたこともあった[1]。
愛知県立瑞陵高等学校を経て、1989年に愛知県立芸術大学美術学部デザイン学科卒業後、京都のデザイン会社と名古屋の建築塗装会社に務める[1]。闘病経験が元となり、会社勤めと並行して、身体障害者向けの製品をデザインする(ユニバーサルデザイン)ボランティア活動を行う。給料の多くをそれにつぎ込んだ。最終的には新たなデザインプロジェクトのために会社をやめたのだが、プロジェクト自体が頓挫してしまう[1]。
1996年、東京の知人を頼り上京するが仕事はもらえず生活費も底を突き、ホームレス状態の生活を続ける[1]。それでも何度も仕事をもらえるよう知人に頼み続けることで、徐々に仕事を受注するようになる[1]。名古屋市工業研究所でも、セミナーを開催するなど地道な努力を重ねた。ウェブ制作に関する疑問をBBSで聞いた際に罵倒され、過去のいじめの経験が思い出されたことから、後の「OKWave」のサービスの原型を思いつく[1]。米国人プログラマーのボブ・スコットと意気投合し、彼からプログラムを得て、OKWaveの立ち上げにこぎつける[1]。2006年6月名証セントレックスに上場し、翌年、本社を渋谷区恵比寿に移転した。楽天及びマイクロソフトと業務・資本提携関係にある[1]。
著書
- グーグルを超える日 オーケイウェブの挑戦(ソフトバンクパブリッシング)
- ホームレスだった社長が伝えたい 働く意味(大和書房)
- ホームレスからのリベンジ(小学館)
- 僕はこれでホームレスから上場企業社長になった 1日1枚成功シート(東洋経済新報社)
- ネット広告がテレビCMを超える日(毎日コミュニケーションズ) - 山崎秀夫との共著
- 「みんなの知識」をビジネスにする(翔泳社) - 佐々木俊尚との共著
メディア
- ルビコンの決断(2009年6月18日)
出典
外部リンク
固有名詞の分類
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