事業の立て直し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 09:31 UTC 版)
「ディーター・ツェッチェ」の記事における「事業の立て直し」の解説
就任して間もない2007年10月にツェッチェはダイムラークライスラーからクライスラー部門を切り離し、社名を「ダイムラークライスラー」から「ダイムラー」(Daimler AG)に変更した。 ツェッチェは「ダイムラー」においてドイツ国内事業の再構築を進めるとともに、同社の中核である乗用車部門を直接統括し、高級乗用車と商用車(バン)に経営資源を集中させた。乗用車部門においては、自らのエンジニアとしての知見から、エンジンや高度な電子機器の分野における技術革新を重視した。 ツェッチェはダイムラー社内にはびこっていた官僚主義を一掃し、新製品へのより実験的な試みを奨励する風土を作ることに取り組み、そのために階層主義や企画提出に関する文化を改めさせた。より低いレベルの従業員がビジネス上のアイデアを提案しやすくするため、計画実行のための予算の支出は各部門に裁量を認めるといった変更を行った。 ツェッチェ体制における立て直しは成功し、2015年にはダイムラーとして過去最高の売上を達成し、2006年時点で28億ユーロに過ぎなかった同社の営業利益は、2017年には163億ユーロに到達した。この営業利益は当時の全自動車メーカーの中でトヨタ自動車に次いで第2位に相当する好業績である。 メルセデス・ベンツは「世界で最も売れている高級車ブランド」の座をシュレンプ体制だった2005年の時点でBMWによって奪われていたが、ツェッチェ体制になってからはより魅力的なラインナップが生み出されるようになったことで評価も取り戻し、2016年にその座を奪還することに成功した。
※この「事業の立て直し」の解説は、「ディーター・ツェッチェ」の解説の一部です。
「事業の立て直し」を含む「ディーター・ツェッチェ」の記事については、「ディーター・ツェッチェ」の概要を参照ください。
- 事業の立て直しのページへのリンク