ホハレ峠登山道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 15:50 UTC 版)
旧徳山村のうち門入は、現在の徳山会館から見て最奥にあり、他の旧村内の集落とも若干離れた高台にあった為、一部地域に於いてダム湖よりも高く、徳山ダム完成後も水没しない地域があり、それらの地域については積極的な買収と立ち退き交渉が行われなかった地域もあった。 門入地域はホハレ峠を介して坂内村川上と繋がっており、車の無かった時代に村民はこの道を通って麓へと下りていたと言われるが、狭く急峻な登山道で一部を除き自動車は通れなかった為、自動車の時代になると人通りは少なくなった。 徳山ダム建設が決まり、徳山村の水没と移転の話が出たが、門入の一部は非水没地域の為か積極的な土地買収は行われなかった。しかし道路が水没する為、交通が遮断される事から揖斐川町はこれらも含めた全村廃止を決定した。 旧村民に依ると、この際、非水没となった門入にはダム湛水後、徳山会館からダム湖の上を橋で渡る道路を建設すると説明があったとの事だが、後に水資源機構はこれを反故にし現在迄この道路は作られていない。 現在の徳山会館駐車場裏にある中途半端な行き止まりがこの道の始点となる筈の場所であったとされる。 その後、水資源機構は、山林の管理に戻る元住民の為に元住民専用の船を用意し、旧戸入迄ダム湖を渡河してその後、水没を免れ残された道路を通り門入に向かうという方法でこの道路の代わりとした。 やがて揖斐川町が突如として嘗てのホハレ峠登山道に沿うようにして道路を建設し始めた。揖斐川町は「門入へのアクセス道ではなく、途中にある黒谷第一砂防ダムへの管理作業道である」としているが、門入側から同ダム手前迄は林道が残っており、この道が砂防ダムまで完成すれば事実上、この道を通る事で再び門入への自動車の往来が可能となる。 完成は2021年3月との事だったが、地権者の合意等の問題もあり一部を除き未だ完成には至っていない。 現在通る登山道付近を工事している旨が案内されており、登山道側にはこの工事による落石に注意する様張り紙が出されていた。 この管理道は旧来の登山道の途中から分岐し、途中で旧来からの登山道と交差もしながら、隣接して流れる西谷川の右岸左岸を右往左往しながら最終的に砂防ダムのすぐ手前付近で元の道と再び合流し、主に門入の手前にある黒谷第一砂防ダムの管理道として使用される予定となっているが、その交差点よりもかなり手前で工事は停止してしまっている。尚、この道は自動車も通れる程の幅で作られており、新旧どちらのホハレ峠も通らない。 徳山ダム建設に際し、水資源機構及び揖斐川町が門入の非水没地域も含めて廃村としたのは「非水没地域もそこへと至る道路が水没する事で完全に孤立し、外部とのアクセスが完全に断たれた状態になる事で生活水準の維持が著しく困難となる可能性が高い為」とされており、この地域でも立ち退いた人がいた。 この管理道が完成すれば、事実上は既存の道路と合わせて麓と門入が再び繋がる事になり、完全な自動車での往来が可能になれば門入は廃止された条件を満たさなくなるのだが、書類上はあくまでも門入を含めた全村が既に廃村となっており、将来、道の完成後に実際に自動車で往来出来る様になった際、門入がどの様な扱いとされるのかは不明である。
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