カロリーベースとは? わかりやすく解説

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カロリーベース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 16:42 UTC 版)

食料自給率」の記事における「カロリーベース」の解説

雑誌農業経営者によれば、カロリーベースで見た日本の食料自給率低さ問題とされ、多く日本国民の心配事となっているが、この自給率推計には以下の多く問題点があると指摘されている。日本が低いと騒がれているのは、世界では用いない『カロリーベースでの自給率』であり、農業政策指標とするのは無意味との指摘もある。 カロリーベース総合食料自給率は、分母日本国民に供給されている食料全熱合計であり、分子日本産賄われ熱量計算される日本国民が健康を維持する上で必要なカロリーではなく輸入含め国民供給されている食料全熱合計であるため、日本国内農業生産が変わらなくても、輸入が減ると自動的に自給率上昇することとなる。輸入途絶える一部輸入品不足するが、食料自給率計算100%となる。 分子計算畜産物については、日本産であっても飼料自給している部分しかカロリーベースの自給率には算入しないこととしている。しかし、畜産飼料必要なように、穀物野菜果物生産肥料欠かせないのだが、この肥料自給率一切考慮されていない農家経営効率化させるために、稲作から果実野菜などに転作した場合園芸作物一般にカロリーが低いため、農家総収入が増える場合でもカロリー自給率低下する上記主要国食料自給率」でも取り上げたが、各国自給率日本農林水産省独自に推計したものであり、日本を除く海外諸国は、カロリーベース総合食料自給率計算をしていない雑誌農業経営者」がこの計算方法について農林水産省取材したところ、「食料安全保障機密上出せない」との回答があったという。また、分母の「国民1人1日当たりの供給カロリー」とは、国産供給カロリー+輸入供給カロリー(ともに可食部)をもとに日本の人口除することで算定されているが、現実食卓では「小売店店頭にならびながら」「食卓にのぼりながら」廃棄されてしまう食材量(カロリー)が相当数にのぼり、廃棄した食品多ければ多いほど食料自給率低くなるような仕組みとなっている。実際廃棄されている食材は、年間900トンに及び、食料自給率計算分母となる供給カロリーは2573kcal(2005年)であるが、日本人一日摂取する平均カロリーは1805kcalであり、それ以外の768kcalは、食べられることなく廃棄されている。分母摂取カロリーとして食料自給率を「国民1人1日当たりの国産供給カロリー(1013kcal)÷国民1人1日当たりの供給カロリー」として計算しなおすと日本の食料自給率56%である。 以上の点から、日本の食料自給率国際的に本当に低いのか疑問が残る結論出している(高い食品廃棄率原因として、品質過度追求具体的に外見重きを置きすぎる品質基準や、賞味期限過敏すぎる消費者の目が挙げられている)。 経済学者野口悠紀雄は、カロリーベースの食料自給率向上は、政策として無意味であると主張している。現代日本農業 では生産物移動飼料生育環境構築等に原油絶対的に必要であり、エネルギー自給率が4%しかないのに、摂取する食物だけを評価対象とするカロリーベースの自給率を向上させたとしても、日本国内エネルギー自給著しく低い以上、無意味であるというのが、その論拠であるとしている。この論拠は、原油国際紛争の手段として禁輸される可能性があるのに対し国際紛争の手段として食料禁輸措置が採られることはありえない」という認識基づいているとしている。

※この「カロリーベース」の解説は、「食料自給率」の解説の一部です。
「カロリーベース」を含む「食料自給率」の記事については、「食料自給率」の概要を参照ください。

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