オイラー‐の‐こうしき【オイラーの公式】
オイラーの公式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/26 17:29 UTC 版)
数学の複素解析におけるオイラーの公式(オイラーのこうしき、英: Euler's formula)とは、複素指数関数と三角関数の間に成り立つ、以下の恒等式のことである:
オイラーの公式の図形的な表現。複素数平面において、複素数 eiθ は、単位円周上の偏角 θ [rad] の点を表す。 オイラーの公式は、複素解析をはじめとする数学の様々な分野や、電気工学・物理学などで現れる微分方程式の解析において重要である。物理学者のリチャード・P・ファインマンはこの公式を評して「我々の至宝」かつ「すべての数学のなかでもっとも素晴らしい公式」 だと述べている[1][2]。
概要
この公式の名前は、18世紀の数学者レオンハルト・オイラーに因むが、最初の発見者はロジャー・コーツとされる。コーツは1714年に
- 小笠英志『相対性理論の式を導いてみよう、そして、人に話そう』ベレ出版、2011年1月20日、165-171頁。ISBN 978-486064-267-9。
- 杉浦光夫『解析入門I』東京大学出版会〈基礎数学2〉、1980年3月31日。ISBN 978-4-13-062005-5。
- 田村二郎『解析関数』(新版)裳華房〈数学選書3〉、1983年11月15日。ISBN 978-4-7853-1307-4。
- Dunham, William (1999), Euler: The Master of Us All, The Mathematical Association of America, ISBN 978-0-88385-328-3
- W. ダンハム 著、黒川信重、若山正人、百々谷哲也 訳『オイラー入門』丸善出版〈シュプリンガー数学リーディングス 第1巻〉、2019年4月。ISBN 978-4-621-06568-6。 - 注記:2004年6月にシュプリンガー・ジャパンより出版された同名書籍の再出版。
- ファインマン、リチャード、レイトン、サンズ 著、坪井忠二 訳『力学』 I、岩波書店〈ファインマン物理学〉、1977年、294,307頁。ISBN 978-4-00-007711-8。OCLC 47339138。
- 藤田宏『応用数学』放送大学教育振興会〈放送大学教材〉、1999年3月。ISBN 978-4-595-56042-2。
- 吉田武『オイラーの贈物 人類の至宝 eiπ = −1 を学ぶ』(新装版)東海教育研究所、2021年1月。ISBN 978-4-924523-14-2。
- 吉田武『オイラーの贈物 人類の至宝 eiπ = −1 を学ぶ』筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2001年11月。ISBN 978-4-480-08675-4。
関連項目
- オイラーの等式
- 極座標系
- 純虚指数函数(複素指数函数を使わないで極形式を表示する)
- ド・モアブルの定理(指数法則の一つが成り立つことを表している)
- 微分方程式
- フーリエ級数
- 複素指数函数
- 複素対数函数(オイラーの公式は複素数の対数関数に関する研究から発見された)
外部リンク
- 『オイラーの公式と複素指数関数』 - 高校数学の美しい物語
- 『オイラーの公式』 - コトバンク