ネイピア数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/02 23:10 UTC 版)
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ネイピア数(ネイピアすう、英: Napier's constant)は、数学定数の一つであり、自然対数の底である。ネーピア数、ネピア数とも表記する。記号として通常は e が用いられる。その値は
- e = 2.71828 18284 59045 23536 02874 71352 …
と続く超越数である。ネピアの定数とも呼ばれる。欧米では一般にオイラー数 (Euler's number) と呼ばれる(オイラーの定数 γ やオイラー数列とは異なる。)。また、ネイピア数の e は、18世紀の数学者オイラー(Euler)のeの略といわれる[1]。オイラーにちなんで名づけられた物事の一覧#オイラー数も参照。
なお、コンピュータにおける指数表記では、e または E がネイピア数ではなく、常用対数の底である10を示すので注意が必要である[2]。ネイピア数は微分積分学に度々登場するため、解析学において重要な数とされる。
歴史
ネイピア数の近似値と言えるものが記された最も古い文献は、1618年、ジョン・ネイピアによって発表された対数の研究の付録に収録されていた表である。その表自体はウィリアム・アウトレッドによって書かれたとされている。
厳密にネイピア数そのものを見い出したのはヤコブ・ベルヌーイと言われており、複利の計算で
ln e = 1 - 微分積分学の基本的な関数を使った定義
グラフ y = 1/x の 1 ≤ x ≤ e における領域の面積は 1 になる[4]。 ネイピア数を定義するために用いられる指数関数や対数関数の性質・公式を挙げる。これらの式と e = exp 1 などを組み合わせることによって、ネイピア数が定義できる。
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。- Yeo・エイドリアン 著、久保儀明、蓮見亮 訳『πとeの話 数の不思議』青土社、2008年10月。ISBN 978-4-7917-6439-6 。
- 高木貞治『解析概論』(改訂第3版 軽装版)岩波書店、1983年9月27日。ISBN 4-00-005171-7 。
- 高木貞治『定本 解析概論』岩波書店、2010年9月15日。ISBN 978-4-00-005209-2 。
- L. S. ポントリャーギン 著、坂本實 訳『やさしい微積分』筑摩書房〈ちくま学芸文庫 ホ13-1 Math & Science〉、2008年8月6日。ISBN 978-4-480-09149-9 。
関連項目
外部リンク
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『ネーピアの数』 - コトバンク
- 竹之内脩『自然対数』 - コトバンク
- 『自然対数の底(ネイピア数)の定義:収束することの証明』 - 高校数学の美しい物語
- Sondow, Jonathan and Weisstein, Eric W. [in 英語]. "e". mathworld.wolfram.com (英語).
- “constant Napier's constant”. Wolfram Alpha. 2023年5月28日閲覧。
- eの近似値(500万桁)2015年3月30日閲覧
ネイピア数
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