著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「きけわだつみのこえ」(7)讃美歌を口ずさみながら米軍艦に突っ込んだ特攻隊員

公開日: 更新日:
飛行服に身を包み、出撃前の打ち合わせをする特攻隊員ら=1944(昭和19)年12月10日 (C)共同通信社

 確かに林市造は、遺稿(「きけわだつみのこえ」に収録)の中には、それをうかがわせる表現がある。「私はこのごろ毎日聖書を読んでいます。読んでいると、お母さんの近くにいる気持がするからです。私は聖書と賛美歌を飛行機につんでつっこみます」とあった。林の親友は、昭和から平成に変わる頃、東…

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