データ偏向主義が野球をつまらなくしている…先鞭つけた元編成責任者が主導したルール改正
昨シーズン、MLBは、選手が「当たり前のプレーを当たり前にする」ために大きなルール改正を行った。
ルール改正の先頭に立ったのは当時、MLBで「On Field Matter(平たく言えばフィールドでのプレー全般)」についてのコンサルタントとして働いていたセオ・エプスタインである。
エプスタインといえばレッドソックス、カブスをワールドチャンピオンに導き、その手腕により有名経済雑誌フォーチュンマガジンにおいて2017年最高のリーダーとして取り上げられた人物だ。
早くからデータ分析や斬新な戦略を取り入れ、2つのチームをメジャーの頂点に導いた彼が、その手法を自ら否定するかのようなルール改正に大きな役割を担ったのである。
例えば守備シフトの禁止について、「シフトこそ知性主義の行き過ぎた例のひとつ」とし、「試合の勝負を決するのはフロントからの指示ではなく、実際にプレーをする選手のプレーそのものであるべき。左打者の痛烈なゴロに飛び付き、捕球し、体勢を立て直し、素早く一塁に送球して打者をアウトにする、そんな二塁手のファインプレーこそが試合の勝負を決するべきだし、野球における当たり前のプレー、ファンが見たいのもそのようなプレーである」と言っている。