GripBlog報道メディア設立企画書について思うこと(6)
●元ファイルと、開発者パソコンの故障
1度目の打ち合わせの後、1月13日に、私は泉さんにお願い事をした。それは、最終企画書をPDFではなくて、元の作成ファイル、パワーポイントでいただけないだろうかというお願いである。ここまで書いてきたように、彼女が持ってきた企画書は、理念とシステムについての記述は細かいが、商業的プレゼンテーションには耐えられないと感じた。そこで、企業向けに、カスタマイズしたバージョンを作ろうと思ったのである。カルマという聞きなれない単位も引っかかっていたし、企業がお金を出そうと思えば、細かな表現をブラッシュアップする必要があると思ったのである。
そのためには、PDFファイルでは加工が困難なので、元ファイルが欲しかった。
ところが泉さんの返事によれば、泉さんはPDFしか持っていないという。元ファイルは開発者のところにしかないが、あいにく開発者のパソコンが故障しており、1,2週間かからないとファイルが渡せない。自分も困っているのだが申し訳ないとのことだった。
この段階で私は、この企画全体についての関心を、ほとんど失った。理由は、それでなくてもそこまで打ち合わせしてきた印象から、この企画を構築してきたのは泉さんではなく、その「開発者」であると思ってきたところへ、泉さんは企画書の元ファイルも持っていないという。元ファイルを持っていないということは、普通に考えれば、企画書を本人はほとんど書いていないということである。これでは責任を持った微妙な交渉はここから進められない。
開発者(企画者)に連絡をとることもできず、身分がわからない。しかも泉さんには企画の主導権がない。このあたりまでの材料が揃った段階で、私の中である種のアラームがついた。(もちろんビジネス上のアラームだ。当時のことだから)これ以後、私は報道機関設立企画のことをほとんど考えなくなった。
●umeさんの本名
元ファイルは、結局2月2日に送られてきたが(この企画書とWordPress仕様書の改訂版)、私はこの段階ではこの企画は進められないとの思いを強くしていたので、泉さんには申し訳なかったがほとんど再度読み返すことはなかった。内容も前にもらったPDFとどうせ同じだろうと思っていたからである。以後、泉さんとお会いすることはなかった。
#ところが、企画書の重要な部分(いまにしてみれば)が変わっていた。このことは、ずっと後になってからようやく気がついたが、企画書中、経費概算のところでPDF版では単に「開発者」とされていたumeさんの本名と思われる名字が、パワーポイント版では記載されていた。もちろん、その氏名をここに記すことはしないが、おそらくPDFに変換する際に、匿名にしていた部分が何らかの操作でミスで再び変換されていないものを渡すことになってしまったのだろうと思う。気がついたのは、松永さんの問題が発生した後しばらくしてからである。
●パソコン故障について
ここでひとついやな偶然がある。この騒ぎが生じて以後、ずっと私の中に引っかかっていることである。これは単なる憶測かも知れず、不幸な偶然かもしれないが、泉さんが、「開発者のパソコンが壊れている」と告げたのが1月13日。パソコンが直ったとしてファイルを送ってこられたのは2月2日である。厄介なことに、これは松永さんが烏山のオウム本部を出たとおっしゃっている時期と一致する。
# 2006年1月15日:「きっこの日記」通読開始。
* このあと、物件が見つかる。契約は2月1日から。
# 2006年1月31日:きっこの日記について通読した結果についてのエントリーをアップ。後にこれがきっかけとなって「きっこ=松永」あるいは「きっこの黒幕/情報提供者=松永」という妄説が登場(以前の河上=CIA説に匹敵するトンデモ妄想)。しかし、この記事が野田の疑惑を招いてしまい、調査を開始されてしまう。
# 2006年2月1日:現住所へ引っ越し。ワンルームマンションで一人暮らし(これは出家修行者にはありえない)。=脱会。
* その後体調を崩しまくる。座骨神経痛・大腿神経痛で体力がなくなっているので病院に行ったら、検査の結果、肺炎再発→結核の懸念があるといわれる。
# 2006年2月末:espioで野田が松永=河上=きっこ説を公開。外に出たとたんに仕事を奪われるのかと絶望。
(オウム/アレフの物語より)
もちろんこれは「偶然である」と泉さんは言うだろう。松永さんの引越しとたまたま同時期にumeさんのパソコンが壊れたのだと。(私もそれを信じたい。) パソコンの故障は、ハードディスクなどがクラッシュしていたのなら、決まった日時にファイルを渡すことができるとも(1-2週間)約束できないだろうから、おそらく電気系統かマザーボードか、何かが故障して、修理に出した時期がたまたま「運悪く」松永さんの引越しの時期だったということだろうか。それとも松永さんのパソコンに元ファイルがあったのだろうか。
●FLASHの発売と、泉さんへのメール
以後の展開は、Flash発売直後に私が書いたこのエントリーに続く。こうした流れの中で起きた、野田氏の記事であったから、余計にこちらの驚きは大きかったということがご理解いただけるだろうか。
時系列の流れは補足するかもしれないが大まかに以上である。総括は別に行う。
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>カルマという聞きなれない単位も引っかかっていたし
これは非常に興味深い話ですね。だいたい「カルマ」という言葉をどのように単位として使用するのか? 非常に興味あります。
黒崎氏のところにアップされている以下のファイルにはその言葉は出ていませんので、
http://kurosaki-yowa.up.seesaa.net/image/WordPress.pdf
http://kurosaki-yowa.up.seesaa.net/image/Project_B4.pdf
差し支えなければそのバージョンの企画書のファイル、またはその一部をどこかにアップロードしていただけないでしょうか?
Posted by: 山本雄一 | May 21, 2006 07:36 PM
すみません、
>「カルマ」という言葉をどのように単位として使用するのか?
これについては
「GripBlog報道メディア設立企画書について思うこと(5)」
で詳しく書かれていましたね。きちんと読んでいなくてすみません。しかし非常に興味深い資料であることは確かですので、よろしければ全文をどこかにアップしていただきたいと思います。公開に問題があればやむを得ませんが。
Posted by: 山本雄一 | May 21, 2006 07:41 PM
企画書のアップは私にはできません。
とお答えしようと思っていたら、泉さんが公開してくれました。
Posted by: BigBang | May 22, 2006 01:40 AM