軍政の闇を抜けてきた国-映画「タクシードライバー」と光州事件
今日新宿で観てきた。
「タクシードライバー」というタイトルの軽さと、前半のコミカルなトーンに騙されると、後半で途轍もなく、凄まじく打ちのめされる映画。
南北会談が話題の韓国だけれど、自分たちが大学生の時は、岩波の「韓国からの手紙」が作者不詳で話題になり、とにかく軍政の「暗い国」であり、圧政国家であり、中の様子が今のように伝わってこなかった。光州事件はそんな最中の1980年。中国の天安門事件とも重なる、自国軍による民衆の大虐殺である。韓国はそんな時代を経て、今に至っており、戦いの地獄を日本より遥かに知っている。
自国の軍が銃を国民に対して水平乱射してくる地獄を中国もロシアも韓国も知っているが、幸いにして日本は知らない。もちろん自分も知らない。その甘さが、今日の政権の跋扈を許す甘さにもつながっているのだろうなと思う。
秀作。
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