2010-01-19(Tue)
ソ・ラ・ノ・ヲ・ト #03 隊ノ一日・梨旺走ル
突然の発熱で倒れてしまったカナタ。

薬を求めてリオが走る!

しんと静まり返った夜明け前の砦の朝。クマのぬいさんを抱いて寝コケるクレハは初回のカナタに引き続いてテレ東なのにぱんつ丸出しです。さすが尋常ではないテコ入れ作品だけに規制を緩めたのだろうか。それはそうとそんな格好で寝てるとお腹冷やすよ。水晶時計の針を確認したカナタは一息大きく吸って…婆ちゃん曰く「死人まで目を覚ましそう」な起床喇叭を一節。やはりそう簡単に上手くはならんね(笑
下手な喇叭に呆れながらも優しい視線のリオ、続いて教会にて柏手を打ちながら手を合わせているシスターの姿が映りました。和洋の融合が随所に見られるこの作品ですが宗教までもチャンポンなのですね。

本日の料理当番はカナタのようで、用意された朝食は思いっきり和食でありました。白飯に焼き魚に味噌汁、そういやこの世界では食事に箸を使うんですよね。なのに味噌汁をスプーンで飲むのは基本的な生活習慣は洋文化ということなのでしょう。これだけ和食が馴染んでいるのに味噌汁は「カナタの村の郷土料理」という位置付け、そもそも「味噌」自体が一般的ではない風でした。リオによると「ソイと同じような作り方をする?」という具合にソイ(正確には大豆のことですがおそらくソイソースの略)すなわち醤油はある食文化のようで…醤油があるなら味噌もありそうなものですが細かいことは気にしない。過去文化の残り方に地域差があるという表現かと。今までもチラチラ見せて来ましたがどうやらカナタの故郷は日本文化が濃く残っている地域のようです。
そういや味噌汁が一般的ではないのに汁椀が普通に存在しているのも不思議でした。何に使うかわからないけれど厨房にずっと置いてあった器、みたいなものでしょうか。朝食が終わってお片付け、お椀に残った味噌っ糟をじっと見つめるカナタの図が伏線になっているとは。
食堂から厨房から、果ては周囲の建物の壁にも貼られている青いタイル。これはカナタ子供時代の映像に出てくる廃墟の壁に貼られているものですね。何か意味があるのか無いのか…こういうの考え始めるとキリがありません(笑。せっかく作ったスープも食が進まず、カナタはなにやら具合が悪そうな。
隊長部屋ではリオと隊長がお食事。お茶受けの辻占煎餅を見たリオは教会を嫌っている様子? 「役立たずの迷信をかざしてカネをせびる」というのは…後で出てくる過去回想、倒れた母親に祈りを向ける僧侶に繋がっているのでしょう。隊長が引いた辻占は「大吉」、ここもまた日本語ですがそれ以外の部分は横文字(フランス語?)で書かれています。初回で見せたカナタのハンコも日本語でしたが…前回のカナタは教科書の日本語を「イデア文字」と称して読めず、つまりハンコや辻占の日本語表記は「記号」のような意味合いで使われているのかな。
いつも一生懸命なカナタを「かわいい」と評する隊長に対し厳しい意見のリオ。しかしその本音を見抜いている隊長の表情がナントモ素敵な(笑。ムッとするリオに「ひ・み・つ」と返すお茶目さもよろしいなあ。

喇叭の練習でマウスピースを鳴らすのはお約束です。私も小学生の頃にやらされたっけ。音を出すまでが大変なんだよねこれ(笑。ああ懐かしい。リオとの会話で頬を紅潮させているカナタ、おいおいいきなりその展開は何?と思いきや、先程チラリと映した具合の悪さが進んで発熱から倒れてしまったようです。
ここでリオがらしくなく動揺、それは子供の頃の記憶がフラッシュバックしてのものでした。回想の中で倒れたのは母親でしょうか、突然倒れた母親を前に何も出来ずうろたえる幼いリオの映像はそれが彼女のトラウマであることを感じさせます。うわごとのように「雪を食べたい」と言うカナタの願いを叶えようと戸棚をひっくり返すリオ…トラウマ発動で我を失っている様子が痛々しいです。ハッと我に返って薬を探しても見つかったビンは空っぽ、先に話していた「生活物資が底を突いている」ことがここに繋がっていましたか。ちなみに薬ビンのラベルの文字は一部見えませんがおそらく「febrifuge」つまり解熱剤のようです。
目から光が消えて弱々しく微笑む回想の母親はこのまま逝ってしまったのかな。現れた牧師か僧侶か、そんな母親にニヤマリの表情を見せるのは金ヅルと踏んでのもの? この経験がリオを宗教嫌いにさせたのでしょうね。
この時母親の頭にはいわゆる「病鉢巻」が巻かれています。歌舞伎好きなら一目でピンと来る、本来ならば紫縮緬を巻くのですが…結び目を左にしたこの鉢巻は歌舞伎にて「病人」の記号なのです。ちなみに助六の鉢巻は右で結んだ「喧嘩鉢巻」、左右の違いで意味が全く変わってしまうのでご注意を。って歌舞伎を見る人などほとんどいないだろうけど(笑

このままではカナタが死んでしまう。追い詰められたリオは持論を曲げて教会へ助けを求めに走りました。熱でうなされてる病人を一人置いて出掛けるのはどうなのか?と思いつつ他に誰もいないんだから仕方がありませんね。出迎えたシスターは助けの求めを快諾し薬草を煎じて吸い飲みでカナタへ投与、これがまたまんがのように効くんだなあ(笑。シスターはカナタの症状を「三日熱」と言っていたけれど…それって「マラリア」のことじゃ? むしろ「知恵熱」のほうが表現として合ってるような。別れ際のシスターは「八百万の幸を」と言いつつ手を合わせてお辞儀、何だかいろんなものがごっちゃになってて不思議な光景でした。
熱にうなされながらカナタが見た夢は初回で見せた金髪の喇叭吹きさんの映像です。曇ったモノクロの空に向けて響く喇叭、アメイジング・グレイスとはベタな選曲ですね。ともあれ曲が響くにつれて雲間から青空が覗き、陽光が射すと共に世界に色が戻っていく様子はこれまたベタながらなかなか感動的な絵面でした。カナタが喇叭吹きに憧れた瞬間の心の動きがよく伝わってきます。そして壁にびっしり敷き詰められた例のタイルが印象的。

病鉢巻を巻かれたカナタが目を覚まし、鼻歌に引き寄せられるようにリオの髪に触れると驚いたリオはナイフで指を切ってしまいました。あらら。いろいろ迷惑かけまくって落ち込んでるカナタの表情、昔から「おミソ」と呼ばれて足手まといだった自分を変えるべくがんばったけれど…そんな話を聞いて優しく包み込むリオの表情がまたよろしいな。そういえばカナタの寝所は布団なのですね。洋風建物の床に直接布団が敷いてある絵面はこれまた不思議な感じ。
リオはカナタを格納庫へ連れて行きタケミカヅチを起動。旧世代の遺物と言いながら電源を入れるとかなりのハイテクっぽい、すると足のない多脚砲台からアメイジング・グレイスが流れてきました。無駄にでっけーMP3プレイヤだなあ(笑。曲を聴いて大感動のカナタ、古い記憶で憧れたこの曲との再会ははたして偶然なのだろうか。幼いリオに喇叭を教える金髪の女性はカナタの夢に出てきた女兵士? 髪色や瞳色、そして例の鈴の絡みからしてこれは隊長の関係者(母親or姉?)なのかも。
「先輩や上官は何のためにいると思う? 後輩に迷惑をかけられるためだ」
いろんな作品で使い古された王道のセリフですが…今のカナタには救われる言葉だったでしょう。失敗ばかりで迷惑かけまくりの毎日だけど、それを許してくれる先輩と巡り会えたことでカナタに元気が戻りました。よかったなあ。でもほどほどにしとけ(笑
「ひみつ…だ」
補給から帰ってきた隊長に対するリオの反撃で締め。思わずニヤリの綺麗なオチでした。吉野さん上手いね。何だかこのノリのまま12話完走でいいような気がしてきました…そうはいかないのだろうけれど。
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薬を求めてリオが走る!

しんと静まり返った夜明け前の砦の朝。クマのぬいさんを抱いて寝コケるクレハは初回のカナタに引き続いてテレ東なのにぱんつ丸出しです。さすが尋常ではないテコ入れ作品だけに規制を緩めたのだろうか。それはそうとそんな格好で寝てるとお腹冷やすよ。水晶時計の針を確認したカナタは一息大きく吸って…婆ちゃん曰く「死人まで目を覚ましそう」な起床喇叭を一節。やはりそう簡単に上手くはならんね(笑
下手な喇叭に呆れながらも優しい視線のリオ、続いて教会にて柏手を打ちながら手を合わせているシスターの姿が映りました。和洋の融合が随所に見られるこの作品ですが宗教までもチャンポンなのですね。

本日の料理当番はカナタのようで、用意された朝食は思いっきり和食でありました。白飯に焼き魚に味噌汁、そういやこの世界では食事に箸を使うんですよね。なのに味噌汁をスプーンで飲むのは基本的な生活習慣は洋文化ということなのでしょう。これだけ和食が馴染んでいるのに味噌汁は「カナタの村の郷土料理」という位置付け、そもそも「味噌」自体が一般的ではない風でした。リオによると「ソイと同じような作り方をする?」という具合にソイ(正確には大豆のことですがおそらくソイソースの略)すなわち醤油はある食文化のようで…醤油があるなら味噌もありそうなものですが細かいことは気にしない。過去文化の残り方に地域差があるという表現かと。今までもチラチラ見せて来ましたがどうやらカナタの故郷は日本文化が濃く残っている地域のようです。
そういや味噌汁が一般的ではないのに汁椀が普通に存在しているのも不思議でした。何に使うかわからないけれど厨房にずっと置いてあった器、みたいなものでしょうか。朝食が終わってお片付け、お椀に残った味噌っ糟をじっと見つめるカナタの図が伏線になっているとは。
食堂から厨房から、果ては周囲の建物の壁にも貼られている青いタイル。これはカナタ子供時代の映像に出てくる廃墟の壁に貼られているものですね。何か意味があるのか無いのか…こういうの考え始めるとキリがありません(笑。せっかく作ったスープも食が進まず、カナタはなにやら具合が悪そうな。
隊長部屋ではリオと隊長がお食事。お茶受けの辻占煎餅を見たリオは教会を嫌っている様子? 「役立たずの迷信をかざしてカネをせびる」というのは…後で出てくる過去回想、倒れた母親に祈りを向ける僧侶に繋がっているのでしょう。隊長が引いた辻占は「大吉」、ここもまた日本語ですがそれ以外の部分は横文字(フランス語?)で書かれています。初回で見せたカナタのハンコも日本語でしたが…前回のカナタは教科書の日本語を「イデア文字」と称して読めず、つまりハンコや辻占の日本語表記は「記号」のような意味合いで使われているのかな。
いつも一生懸命なカナタを「かわいい」と評する隊長に対し厳しい意見のリオ。しかしその本音を見抜いている隊長の表情がナントモ素敵な(笑。ムッとするリオに「ひ・み・つ」と返すお茶目さもよろしいなあ。

喇叭の練習でマウスピースを鳴らすのはお約束です。私も小学生の頃にやらされたっけ。音を出すまでが大変なんだよねこれ(笑。ああ懐かしい。リオとの会話で頬を紅潮させているカナタ、おいおいいきなりその展開は何?と思いきや、先程チラリと映した具合の悪さが進んで発熱から倒れてしまったようです。
ここでリオがらしくなく動揺、それは子供の頃の記憶がフラッシュバックしてのものでした。回想の中で倒れたのは母親でしょうか、突然倒れた母親を前に何も出来ずうろたえる幼いリオの映像はそれが彼女のトラウマであることを感じさせます。うわごとのように「雪を食べたい」と言うカナタの願いを叶えようと戸棚をひっくり返すリオ…トラウマ発動で我を失っている様子が痛々しいです。ハッと我に返って薬を探しても見つかったビンは空っぽ、先に話していた「生活物資が底を突いている」ことがここに繋がっていましたか。ちなみに薬ビンのラベルの文字は一部見えませんがおそらく「febrifuge」つまり解熱剤のようです。
目から光が消えて弱々しく微笑む回想の母親はこのまま逝ってしまったのかな。現れた牧師か僧侶か、そんな母親にニヤマリの表情を見せるのは金ヅルと踏んでのもの? この経験がリオを宗教嫌いにさせたのでしょうね。
この時母親の頭にはいわゆる「病鉢巻」が巻かれています。歌舞伎好きなら一目でピンと来る、本来ならば紫縮緬を巻くのですが…結び目を左にしたこの鉢巻は歌舞伎にて「病人」の記号なのです。ちなみに助六の鉢巻は右で結んだ「喧嘩鉢巻」、左右の違いで意味が全く変わってしまうのでご注意を。って歌舞伎を見る人などほとんどいないだろうけど(笑

このままではカナタが死んでしまう。追い詰められたリオは持論を曲げて教会へ助けを求めに走りました。熱でうなされてる病人を一人置いて出掛けるのはどうなのか?と思いつつ他に誰もいないんだから仕方がありませんね。出迎えたシスターは助けの求めを快諾し薬草を煎じて吸い飲みでカナタへ投与、これがまたまんがのように効くんだなあ(笑。シスターはカナタの症状を「三日熱」と言っていたけれど…それって「マラリア」のことじゃ? むしろ「知恵熱」のほうが表現として合ってるような。別れ際のシスターは「八百万の幸を」と言いつつ手を合わせてお辞儀、何だかいろんなものがごっちゃになってて不思議な光景でした。
熱にうなされながらカナタが見た夢は初回で見せた金髪の喇叭吹きさんの映像です。曇ったモノクロの空に向けて響く喇叭、アメイジング・グレイスとはベタな選曲ですね。ともあれ曲が響くにつれて雲間から青空が覗き、陽光が射すと共に世界に色が戻っていく様子はこれまたベタながらなかなか感動的な絵面でした。カナタが喇叭吹きに憧れた瞬間の心の動きがよく伝わってきます。そして壁にびっしり敷き詰められた例のタイルが印象的。

病鉢巻を巻かれたカナタが目を覚まし、鼻歌に引き寄せられるようにリオの髪に触れると驚いたリオはナイフで指を切ってしまいました。あらら。いろいろ迷惑かけまくって落ち込んでるカナタの表情、昔から「おミソ」と呼ばれて足手まといだった自分を変えるべくがんばったけれど…そんな話を聞いて優しく包み込むリオの表情がまたよろしいな。そういえばカナタの寝所は布団なのですね。洋風建物の床に直接布団が敷いてある絵面はこれまた不思議な感じ。
リオはカナタを格納庫へ連れて行きタケミカヅチを起動。旧世代の遺物と言いながら電源を入れるとかなりのハイテクっぽい、すると足のない多脚砲台からアメイジング・グレイスが流れてきました。無駄にでっけーMP3プレイヤだなあ(笑。曲を聴いて大感動のカナタ、古い記憶で憧れたこの曲との再会ははたして偶然なのだろうか。幼いリオに喇叭を教える金髪の女性はカナタの夢に出てきた女兵士? 髪色や瞳色、そして例の鈴の絡みからしてこれは隊長の関係者(母親or姉?)なのかも。
「先輩や上官は何のためにいると思う? 後輩に迷惑をかけられるためだ」
いろんな作品で使い古された王道のセリフですが…今のカナタには救われる言葉だったでしょう。失敗ばかりで迷惑かけまくりの毎日だけど、それを許してくれる先輩と巡り会えたことでカナタに元気が戻りました。よかったなあ。でもほどほどにしとけ(笑
「ひみつ…だ」
補給から帰ってきた隊長に対するリオの反撃で締め。思わずニヤリの綺麗なオチでした。吉野さん上手いね。何だかこのノリのまま12話完走でいいような気がしてきました…そうはいかないのだろうけれど。
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