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エルフの渡辺

著者:和ヶ原聡司

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クラスの中では目立たないが、笑顔が魅力的な園芸部員・渡辺風花。ただ一人の写真部員・大木行人は、そんな彼女に恋をし、告白した。彼の思いが成就しようとしたその瞬間、風花の姿が一変。目の前に現れたのはエルフ!? 彼女はとある事情で、異世界からやってきたエルフで……
読んでいて楽しかったんだけど、よくよく考えてみると……
現代日本を舞台にし、そこでのギャップとか、そういう部分を中心に描いていく、という点では『はたらく魔王さま!』なんかの系統だと思う。思うのだけど、主人公の行人たちが高校生ということもあり、仕事よりも日常のアレコレというのを中心に描いているな、というのを感じる。
冒頭の粗筋で書いたように、園芸部員である風花に恋をし、告白をした途端に彼女がエルフである、ということが判明。行人の目には、今まで見ていた風花とは全くの別人。けれども、他の人には風花は風花、という認識のままに物語が進んでいく。エルフとは言っても、性格などはそれまで通り。園芸が大好きで、畑仕事などに精を出す。風花を慕う後輩に敵視されたり、逆に行人がカメラについてレクチャーしたり……といった日常が続いていく。野菜の種の、妙にファンタジーな名前のおかげで行人が混乱したりするシーンとか、実際に種のメーカーとか見たら、そんなのがあって大笑い。そりゃ、ファンタジーな姿で、ファンタジーな品種名とかを連呼されたら、「異世界の話!?」と勘違いするよなぁ……
ということで日常を描きつつ、なぜ、渡辺の変化の魔法が解かれてしまったのか? 渡辺たちが現代社会にやってきている理由。そういうところはちょっとした説明とか、多分こうだろう、というのは見えているのだけど、まだまだこちらは導入編と言った印象。ここから、どうやって話を広げていくのか、かな? そして、そう考えると、楽しく読むことはできたのだけど、話の根幹部分には全く入ってないなぁ、という感想になった、という思いも抱いたのだった。

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Tag:小説感想電撃文庫和ヶ原聡司

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