新・たこの感想文

「鴨川にランの花咲く」

ようやくウォクスを操ることができたまどか。しかし、そんなまどかの前に、イゾの助力に、キリウスまで現れる。まどかと、キリウスの交戦状態を前にしてランは……

「できることはなくても、やらなきゃいけないことはある。だって、まどかは恐れることすらできない」

今回のエピソードは、Ａパート終盤のその言葉についてがメインになるんだろうな。
「ウォクス」を操るにあたって、一番の敵となっていたのは「恐れ」の感情。それがあると、ウォクスは思いのとおりに動いてくれない。そして、まどかは、そのウォクスのことを知らないから、恐れることがない。いや……、で、上に書いた文章と。
「恐れ」が、何に対するものなのか、というのは謎だけど、でも、前回、「地球の運命がかかっている」とか、そういうのがプレッシャーになったことが、動かせなくなった理由、となるんだろうな……（プレッシャーというのも、ひとつの恐れ、といえるだろうし）
まあ、ここで問題となるのは、むしろ、「まどかが知らない」というウォクスにまつわる伝説とか、そういうところなんだろうとは思う。キリウスも、散々、その手のことは言っていたわけだし。
少なくとも、神聖化とか、そういうところはひとつの邪魔者、なのかも、と思ったり。


それはそれとして、今回、結構面白かったのは、まどかとキリウスの認識のズレ。
キリウスの頭の中にあるのは、「星のためには、多少の犠牲は」という、良くも悪くも広い視野の考え。一方、前回、地球の運命とか、プレッシャーはかけられたけど、まどかの視野っていうのは、自分の地元を守りたい、っていう考え。
知り合いの畑が荒らされた、とかに怒るのは完全にその視点だし、キリウスの攻撃を真剣白刃取りで対応するっていうのも、それが一番、周囲を破壊しない、という考えからだと思う。視点を変えれば、物凄く合理的。でも、キリウスにとっては、「何かの儀式？」と感じる。そのギャップに笑わせてもらった。

で、最終的には、良くも悪くも、まどかの近視的な考えからランがウォクスを操ることができるように。
これが本当に「良い」と言い切れるかどうかはちょっと微妙（笑）
でも、それを見て、アッサリと退却とか、キリウスも、かなり冷静な指揮官としての資質を持っているな、というのは、十分に理解できた。そういうのは上手いと思う。
なんか、次回は、非戦闘回としていくのかな、というのを感じさせるけど……そうすると、地元ネタかたれそう（笑）



さて、今回の地元ネタ。
まず、キリウスから攻撃を受けて着地した「つぶれた店」だけど、ＪＲ安房鴨川駅を出て、少し南西に向かったところにある商店街。正直なところ……シャッター街みたいな状態になっていて、活気があるとは言いがたい現状。ただ、この辺りが市内でももっとも建物などが密集している地域といえると思う。


それから、今回、元地元民として引っかかったのは、「落花生畑」の話。
千葉県＝落花生生産日本一、ではあるのだけど、実は、八街とか、千葉県北部、旧国名でいうところの「下総」地域が本場で、鴨川のある「安房」地域では、あまり生産されていない。「安房」地域っていうのは、本当に、房総半島の先端部分で安房と下総の間に「上総」があり、鉄道網とかが分断されているため、下総の、特に銚子とか、成田とか、九十九里浜とかって、実は結構、「近くて遠い」世界という感じがある。
鴨川市は、むしろ、山間部で作られる「長狭米こしひかり」というブランド米のほうが主だったりする。
ちなみに、鴨川市よりもさらに南西、現在の南房総市、旧和田町というのは、関東近郊では温暖、という気候を利用した花の栽培が盛ん。

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