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2006年5月27日 (土)

「医療って」さんのコメントに対する回答ー続・続

医療って 」さんのコメントに対する回答の続き

<③ 妥当な指摘をしやすくするシステムを作ればよいのではないでしょうか。
  患者さん側に立ってくれる鑑定医・医師側の鑑定医、弁護士のディベートの結果裁判官の判定でなく、双方の鑑定医を複数の現役の医師がすることで一本化することがどうして問題なのでしょうか。結果は公表することで不当な判定がでないようにすればいいと思います。医療に素人の弁護士のディベートで決まってしまうことのほうが矛盾が多いと思います。>

  「双方の鑑定医を複数の現役の医師がすることで一本化する」と言われますが、その人選は誰がどのような基準で行うのでしょうか。また複数の医師で意見が分かれたときには、多数決で決めるのでしょうか。

 現在も、画像診断などでは複数の放射線科医師が集まって比較的短期間に画像の鑑定をする鑑定システムを取り入れている裁判所もあります。もちろん、鑑定ですので、複数の鑑定医の意見を聞いた上で、最終的には裁判官が判断することになります。

 私は、今の現状では、医師だけで(あるいは医師が中心になって)結論を出すということには大反対です。医師は法的思考に対しては素人です。不法行為における「過失」「因果関係」の判断を医師がするのは無理だと思います。裁判員制度で市民が参加するときに法的判断が難しい(模擬裁判で裁判員の体験をした新聞記者の記事裁判員制度:市民と裁判官が審議/上 証拠「だけ」で事実判断 /青森裁判員制度:市民と裁判官が審議/下 事実認定、戸惑いと悩み /青森参照)のと同じです。
 たとえば、医療水準の判断を具体的にどうするかになったときに、今の医療界の現状では、レベルの低い「医療慣行」が基準になりかねない危険があると思います。「赤信号皆で渡れば怖くない」というような悪しき慣行が医療水準とみなされ過失の認定基準とされてしまったら、患者側としてはたまったものではありません。
 
 「結果は公表することで不当な判定がでないようにすればいいと思います」これはそのとおりです。しかし、鑑定が公表されることになっても、「鑑定医となってもいい」という現役の医師が本当にたくさんおられるのでしょうか。
 医療事故情報センターでは医療過誤裁判の鑑定書を集めた鑑定書集を発行してます。今も、鑑定人の承諾があればこのように鑑定書も公表されています。しかし、鑑定人になる医師が少ない上に、必ずしも全ての鑑定人が公表に同意しているわけではありません。

 現実の医療過誤の裁判は「医療に素人の弁護士のディベートで決まってしまう」ようなものではありません。日本の裁判官は、証拠主義であり、弁護士のディベートなどで判定してはいません(私などは、被告側代理人のやる気のない対応を見ていると、ディベートの要素を取り入れてもらってもいいかと思う位です)。アメリカの映画やドラマとは違います。

< 読売新聞の最近の記事にもありましたが、患者さん全体の最大限の利益を考えると、現行の司法システムが妥当だとは思えません。>

 私も現在の医療過誤の示談、裁判のシステムを全てよしとするものではなく、改善されるべきことがたくさんあると思っています。
 しかし、医療界の閉鎖性、密室性、封建制が変わらない限りは、そして市民がもっと医療界を信頼できるようにならない限りは(これはマスコミ報道のせいばかりではありません。)、医師主導型の公平、公正なシステムは期待できないと思っています。

<医療側がもっと厳しい内部浄化システムと生涯教育の場を作るべきだと思います。ただ医師免許、専門医更新システムにしても現在の勤務システムのように勤務医が寝る暇もないほど働いている現状では難しいと思います。やはり現状の医療従事者の異常な勤務形態を当然とする社会の意識も変えなくては医療水準は上がりません。一筋縄にいく問題ではないのです。>

 これは大賛成です。私は、医師にはもっと良い環境で働いてもらいたいと思っています。何しろ自分たちの命がかかっているのですから。社会も「現状の医療従事者の異常な勤務形態を当然」となど思っていません。むしろ、一般市民は、医師の過酷な状況をあまり知らないのではないでしょうか。

 これは弁護士も同じで、「弁護士は儲かっている、弁護士のところに行くと大金を取られる、弁護士を増やせば社会がよくなる」等と単純に思い込んでいる人が少なくないのと同じです。

 私は、医師の方々は、司法システム問題を訴える前に、まず研修医や勤務医の待遇改善、医師の養成システム、封建的な医局制度の改革などに取り組まれるべきだと考えています。

(余談ですが、知人の弁護士は、とあるクラブのママから「弁護士会の会長選は、お医者さんの選挙に比べると、本当に大人しいものだわ。」と聞いたそうです。)

 司法システムに対する抗議行動は、皆の目を外に向けるものだから、医師も組織的に動きやすいのでしょう。しかし、上記のような改革に組織的に取り組むことが難しいことはよく理解できます(弁護士会も同様の問題があるので)。これらの改革は、司法改革よりもはるかに難しそうです。

 しかし、これらの改革をして頂かないことには、患者側が鑑定人となる医師を無条件に信頼するということは期待できず、医師主導型の第三者機関による判定を受け入れることはまず無理だと思います。

 私は、今の状態で、医師会側の提唱している第三者機関の制度を導入することは非常に危険があると考えています。特に最近「医療に伴い発生する障害補償制度検討委員会」というところから発表された答申書「医療に伴い発生する障害補償制度の創設」は、一旦患者側に給付された補償金を患者側が医療側に裁判を起こすと取り上げるなど、事実上患者側の「裁判を受ける権利」を奪いかねない危険もあり、大反対です。これについては東京の患者側弁護士の研究会が検討中だそうですので、その結果を待ちたいと思います。
 
 <多分、私が目にする医療過誤・事故記事は医師側にとって疑問の多いもの(全く至極当然な記事はあまり目に触れないと思います)で、管理人さんの扱われるものとは母集団が異なると思います。
 もしかしたら、管理人さんの提案のように体験してみるのがいいのかもしれません。また管理人さんも医師体験(あるブログで知りましたが衆議院議員の方されていました。)されてみるといいかもしれません。>

 
 新聞記事などは、事実関係をかなり簡略化(時には歪曲化)して書いていますので、記事だけをもとに何らかの判断をすることは無理だと思います。それに、記事になっている医療過誤事件は本当に氷山の一角です。大体、どういう選択基準で記事にしているのかさえよく分かりません。私も新聞などの報道機関から事件についての取材を受けたことがありますが、まず依頼者は「報道してもらいたくない」と言われますので、取材に応じたことはありません。
 
 なお、私は医師の体験をすることはできませんが、研究会の症例検討会(医師も参加)にはできる限り参加しています。また、協力医の方々から、現場のいろいろな話をお聞きしています。研究会では、(協力して下さる)病院見学なども企画されています(こちらは遠方なのでなかなか参加できませんが)。
 
 まず、現在、医療事故の示談や裁判が実際にどう行われているかを知ってからでないと、その問題点を明らかにすることはできないと思います。
 「改革」を考えるのなら、今の制度をまず理解されることから始めてもらいたいと思います。

 「医療って」さんには、失礼ながら多くの誤解があるように感じます。

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医療過誤」カテゴリの記事

コメント

 管理人さん、ご気分を害されたらすいません。私のほうも誤解があるかもしれませんが、管理人さんのほうにも誤解があると思います。今回の記事も医療の現場からすると同意できない部分がたくさんありますので、ひとつひとつ指摘しようと思いましたが、コメント欄からはみ出しそうなので辞めます。私は管理人さんのご意見を伺うのを楽しみにしていたのですが、もし私がコメントすることがお気に触るようでしたらもうコメントは辞めます。管理人さんのブログですから。

 多分、管理人さんは多くの医師が可能ならできる限り安易な医療慣行に流れ、しかも過失に関しては隠蔽体質で庇いあっていて、一部の良心的な医師にみが正直に患者さんに協力していると思っていらしゃるのではないのでしょうか。
 医療を内側から見ると、もちろんひどい医師もごく一部いますが多くは患者さんのことを考え真摯に努力しています。賃金よりもいい仕事をしたい職人気質の人が多いです。大学病院の中堅医師などはほぼ無給に近い状態でも最後の砦として休みなく頑張っていたりしますし、一般病院の医師も給料はでますがそうです。社会の印象(これはごく一部を取り上げて全体のごとく報道するマスコミによって作られたものですが)とは反対に、馬鹿正直に頑張る医師が多いです。他の国の医師と比較しても日本の医師の献身的な働きは素晴らしいと思います。
 
 今の司法制度では真摯に努力し正直にやっていても(ある意味そうすればそうするほど)逮捕されたり、民事で多額の賠償を取られたりしています。医療では患者さんも医師も生物であり、そしてかけがえのない命を預かっている以上、一般にそういう事件に巻き込まれるより非常に高い頻度でそうなります。
 命を預かることからくる緊張感、そしてその重圧は当然としても、最近不可抗力のことまで逮捕されたり、裁判にかけられたりる重圧(不可抗力のことで犯罪者になってしまう)が医療界を混乱させています。評論家ではなく、一線の臨床医として働いていればどの医師でも、その可能性があります。管理人さんの尊敬される医師にしても例外ではありません。これを避けられるのは医療を辞めたときだけです。管理人さんはこういう理不尽なめにあうにしてもそれが医師として仕方がないと思われているのでしょうか。医療で大変な思いをするのはいい、でも本来の仕事でない裁判で非常に長い時間をとられ、医療の現実とは異なる判決が出る。司法の真実は必ずしも事実ではないことは前に管理人さんも述べられていたと思います。
 現実には当然の流れとして逃散や士気の低下が起こっています。今は患者さんの医師不信が取り上げられていますが、だんだん医師の患者さん不信も高まっています。決して第三者機関は医師の内部の不満のスケープゴートではありません。本当に切実な問題なのです。司法に無知なら司法がアドバイザーになればいい。判定者は医師ならこの人の言うことならば正しいだろうと思われる高い臨床能力を持った複数の人が任期制ですればよいと思います。結果は司法・社会が自由にアクセスできることで監視すればいいと思います。なんにしても医療に素人の司法が判断することは正しいとは思えません。

 弁護士は医療界と比較して厳しい自浄機構があるといわれますが、もし可能ならいつか具体的に教えていただけたらと思います。弁護士が自分の弁護業務によって民事・刑事訴訟になるのはどのぐらいの頻度であるのか。そしてそれは当然身内である司法が裁くわけですがそこが馴れ合いにならないようにどのような機構が働いているのか。是非お聞きしたいです。
 

 連続投稿すいません。管理人さんの回答ー続を読み飛ばしていました。前のコメントで重複するところがあったら申し訳ありません。

 ひとつだけ、私が医師になった頃(そんな太古の昔ではないです。。。)はきついと言われる科(例えば外科、産婦人科、小児科)などもかなりの人が志望しました。私の近しい友人も所謂メジャー科で働く人がほとんどです。きつくてもやっぱりやりがいが、勝っていたからです。

 でも、今は、産婦人科のみならず外科・内科でさえも結構危ないのではないかと思っています。例えば、先日のアンケート調査(これは3分の1しか答えてないそうなのでサンプリングに問題があるかもしれませんが)内科14%は・・・非常に細分化されているのにこの数は、とびっくりしました。

 

「医療って」さんへ
 コメントありがとうございます。
 別に気分を害してはいませんが、ブログをはじめてから質問ばかり受けるので、管理人として答えるばかりでは疲れます。
 たまには、私からも質問させて頂きたいと思います。 もし、「医療って」さんがブログをお持ちなら教えて下さい。そちらのコメント欄に私から質問させて頂きたいと思います。

<多分、管理人さんは多くの医師が可能ならできる限り安易な医療慣行に流れ、しかも過失に関しては隠蔽体質で庇いあっていて、一部の良心的な医師にみが正直に患者さんに協力していると思っていらしゃるのではないのでしょうか。
 医療を内側から見ると、もちろんひどい医師もごく一部いますが多くは患者さんのことを考え真摯に努力しています。賃金よりもいい仕事をしたい職人気質の人が多いです。大学病院の中堅医師などはほぼ無給に近い状態でも最後の砦として休みなく頑張っていたりしますし、一般病院の医師も給料はでますがそうです。社会の印象(これはごく一部を取り上げて全体のごとく報道するマスコミによって作られたものですが)とは反対に、馬鹿正直に頑張る医師が多いです。他の国の医師と比較しても日本の医師の献身的な働きは素晴らしいと思います。>
 
 私は、何もそのような医師がたくさんみえることを否定しているのではありません。そして、そのような医師の方々を大変尊敬しています。待遇などについてもっと権利を主張されてもいいと思っています。
 ただ、不幸にして医療過誤にあった患者を「見て見ぬふりをする」というのは、やはり許せないと思っているだけです。
 
<今の司法制度では真摯に努力し正直にやっていても(ある意味そうすればそうするほど)逮捕されたり、民事で多額の賠償を取られたりしています。医療では患者さんも医師も生物であり、そしてかけがえのない命を預かっている以上、一般にそういう事件に巻き込まれるより非常に高い頻度でそうなります。
 命を預かることからくる緊張感、そしてその重圧は当然としても、最近不可抗力のことまで逮捕されたり、裁判にかけられたりる重圧(不可抗力のことで犯罪者になってしまう)が医療界を混乱させています。評論家ではなく、一線の臨床医として働いていればどの医師でも、その可能性があります。管理人さんの尊敬される医師にしても例外ではありません。これを避けられるのは医療を辞めたときだけです。管理人さんはこういう理不尽なめにあうにしてもそれが医師として仕方がないと思われているのでしょうか。医療で大変な思いをするのはいい、でも本来の仕事でない裁判で非常に長い時間をとられ、医療の現実とは異なる判決が出る。司法の真実は必ずしも事実ではないことは前に管理人さんも述べられていたと思います。>

 「医療って」さんは非常に司法に対する不信感、危機感を頂いておられます。
 しかし、「逮捕」や民事で医師本人が「高額な賠償金を支払う」ケースは、本当に稀です。今回の大野病院の事件は、患者側弁護士だって「なぜ?」と思う位なのです。
 記事にも書きましたが、非常に悪質なケース(こちらも稀ですが)でさえ、刑事告訴もされず、医師を続けておられるのですから。

<現実には当然の流れとして逃散や士気の低下が起こっています。今は患者さんの医師不信が取り上げられていますが、だんだん医師の患者さん不信も高まっています。決して第三者機関は医師の内部の不満のスケープゴートではありません。本当に切実な問題なのです。> 

 大野病院の件で、過度に「司法不信」に陥られているように感じます。大野病院の件は、例外中の例外なのです。
 これと、第三者機関の問題は分けて、冷静に考えるべきだと思います。

<司法に無知なら司法がアドバイザーになればいい。判定者は医師ならこの人の言うことならば正しいだろうと思われる高い臨床能力を持った複数の人が任期制ですればよいと思います。>
 
 記事にも書きましたが「医師ならこの人の言うことならば正しいだろうと思われる高い臨床能力を持った」医師であれば、おそらく非常にお忙しいだろうと思います。そのような方が鑑定人になって下さるのでしょうか。
 現在でも、裁判所の鑑定人になって下さる、そのような医師は極めて少ないというのに。
 また、「医師ならこの人の言うことならば正しいだろうと思われる」「高い臨床能力を持った」というのは、患者側はどのようにチェックすればいいのでしょうか。

<結果は司法・社会が自由にアクセスできることで監視すればいいと思います。なんにしても医療に素人の司法が判断することは正しいとは思えません。>

 「社会のアクセス」による監視といっても、新聞報道などがあてにならないことは、医療ってさんも繰り返し言っておられることです。
 
 刑事裁判の記事でも書きましたが、確かに司法の場での真実は実体的真実(神しか知らない真実)ではありません。しかし、それは「第三者機関」による判定であっても同じことです。
 民事でも、それぞれが武器対等であるべきです。
 双方の立場から対等に主張、立証をすることで、はじめて、証拠から導き出される真実が実体的真実に近づくのです。
 しかし、第三者機関ではそのような作業がなされず、ただ、医師会が「この人なら大丈夫」と推薦する医師らの鑑定だけで判定されるのでしたら、今までの医師会の審査と何らかわりがありません。

<弁護士は医療界と比較して厳しい自浄機構があるといわれますが、もし可能ならいつか具体的に教えていただけたらと思います。弁護士が自分の弁護業務によって民事・刑事訴訟になるのはどのぐらいの頻度であるのか。そしてそれは当然身内である司法が裁くわけですがそこが馴れ合いにならないようにどのような機構が働いているのか。是非お聞きしたいです。>

 私は、そのような統計データを調べる余裕はありません。
 ただ、弁護士会は強制加入団体ですので、「除名」処分されると弁護士を続けていくことはできません。医師会は強制加入団体ではないので、このような自浄作用はないのではないでしょうか(私は、先日、医師会に入っていない医師と示談交渉をしました)。
 なお、この弁護士会の処分は全て公表されます。

 また、横領事件など民事、刑事で裁判になることもありますが、その裁判で身内かばいがあった、馴れ合いになった、ということは聞いたことがありません。
 裁判所はそんなに甘くありません。日本の裁判にはいろいろ問題がありますが、そういうところでは日本の裁判官は潔癖です。
 もちろん、民事では代理人、刑事では弁護人がついて擁護しますが、別にそれは依頼者が弁護士に限ったことではありません。
 

 管理人さん、質問ばかり、すいませんでした。本来自分もブログを持って主張すべきなのでしょうね。

 私は大野事件以前はインターネットといっても文献検索とメールチェックくらいしか使わなかったので、ブログは持っていないのです。でも大野事件で驚愕して、いろいろ調べているうちに、いかに社会に医療が誤解しているか知りました。それまでは診療行為・目の前の患者さんに関心はあっても医療が社会にどのように受け止められているか、などあまり興味がありませんでした。
 大野事件の件で、最初は一般の方の主張との乖離に驚驚愕し、次にマスコミと司法に対する怒りが沸々とわいてきました。そして司法関係者に質問したいと思っていました。
 
 私は大野事件が例外だと思っていません。むしろこれは入り口に過ぎずさらにひどい民事・刑事訴訟が増えると思っています。医療関係者が見るサイトの医療記事の訴訟の部分を見てもこの春は特に書類送検が多かったように思います。それも術後の縫合不全で送検とか、挿管チューブが体交でずれて医師看護師6人送検とか、民事でも前置胎盤で予定帝王切開を少し早くしたら脳性まひの子が生まれて過失を認定されたり、私の専門分野以外でもこれはおかしいと思うものがたくさんありました。わり箸事件も無罪になったものの裁判所は過失を認め、しかも社会は有罪が当然のはずと言う論調でした。

 一般社会と司法は妥当な医療水準をどこを基準としているのか?例えば10人中5人はしてしまったかもしれないことは罪になるのか?今のままではたまたま運悪くあたってしまった人が有罪になっているだけで自分を含め他の人がその立場に立っても全然おかしくないと思いました。
 民事訴訟も、医師賠償保険に入っている人が多いと思いますが、早晩きっと加入金が引き上げられるでしょう。アメリカでは訴訟費用が払えなくなくて産婦人科医がいなくなった州があったり、フランスではあまりの高額に保険会社が産婦人科医の賠償保険をカバーしなくなったという衝撃的な事実を聞いたことがあります。日本もそうなればすでにぎりぎりの皆保険制度も危うくなるのではと思っています。

 少し頭に血が上っているかもしれないのでしばらくはロム専門にさせていただきます。失礼をお詫びします。

>私は、何もそのような医師がたくさんみえることを否定しているのではありません。と、>医療界の閉鎖性、密室性、封建制が変わらない限りは<は矛盾しませんか?そうですか。
こんな「白い巨塔」のようなイメージしか持っていない人に医療を語ってもらいたくないです!

「名なし」さんへ
 コメントを書いて頂くのはかまいませんが、名前を書き入れて下さい(通称でも結構です)。どなたのコメントか特定ができません。
 私は、本来、人の意見を批判する場合は、記名であるべきと考えています。
 しかし、インターネットの双方向性を生かす意味で、匿名の投稿も消さずにおります(あまり焚書のようなことはしたくないので)。

 名なしさんの投稿によれば、医療界は閉鎖性、密室性、封建性はないといわれるのでしょうか。
 私は、実は白い巨塔を見たことがないし、読んだこともないので、イメージを持つことすらできません。

 しかし、いろいろなお医者さんと話をしていると、またこのHPへの投稿を見ても、本当に大変な世界なのだと思ってしまいます。
 患者側の弁護士と接触していることすら隠したがる医師が多いのはなぜでしょう。同じ大学出身の医師が担当の場合、どうして何も言えなくなるのでしょう。
 
 本当は、医師の方に内情についていろいろ質問したいのですが。皆さん匿名なので、無理ですかね。
 

大野事件をみてわが身のごとく逮捕訴訟の恐怖を感じ、その理不尽さに心を折られていくのは患者さんと向き合い真摯に医療に取り組んでいる医師達ばかりです。

向上心があり、医療に真面目に取り組む医師ほど人の体の未知に恐怖します。何も言えなくなるのは、人の体が怖いからですよ。

裁判はともかく、弁護士会の懲戒は恣意的で問題があるといわれている。かつては身内に甘く、最近は逆に批判を恐れてむやみに懲戒をしている、と。

やはり内部団体で処理するシステムは問題がある。公正な第三者機関による懲戒制度が必要だと思います。アメリカではすべての州で公正な第三者機関による懲戒制度があります。日本は遅れてますね。

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