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映画を観て、思った事や感じた事を綴って行きます。※ネタバレありです。

【映画】『ホールド・ザ・ダーク そこにある闇』(2018年)アラスカの辺境にて異変が起きる!よそ者のラッセルは何を見て何を感じたのか? | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『ホールド・ザ・ダーク そこにある闇』の作品情報

【原題】Hold the Dark

【監督】ジェレミー・ソル二エ

【脚本】メイコン・ブレア

【原作】ウィリアム・ジラルディ『Hold the Dark』(2015年)

【出演】ジェフリー・ライト、アレクサンダー・スカルスガルド、ジェームズ・バッジ・デール他

【配給】Netflix

【公開】2018年

【上映時間】125分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】スリラー、サイコ・サスペンス

【視聴ツール】Netflix、吹替

◆はじめに

監督:ジェレミー・ソル二エ~47歳。『グリーンルーム』など。

出演:
ジェフリー・ライト~58歳。『007』シリーズ、『ミッション:8ミニッツ』、『ハンガーゲーム』シリーズ他

アレクサンダー・スカルスガルド~47歳。『ゴジラvsコング』他多数。

ジェームズ・バッジ・デール~45歳。『アイアンマン3』『ワールド・ウォーZ』他
皆、それなりに実績のある役者さんたちです。演技派だと思います。

◆あらすじ

舞台はアラスカです。アメリカであってアメリカではない、辺境の地。人口密度1平方kmあたり0.4人。ちなみに日本の47都道府県で一番人口密度が低い地域は北海道で1平方kmあたり63.7人です。これだけでどれほどアラスカがとんでもない場所かわかるでしょう。アラスカ最大の都市はアンカレッジです(作中でラッセルの娘が大学教師として働いている場所であり、メドラ(ライリー・キーオ)があの街はアラスカじゃないと言っていましたね)。また、アラスカを象徴するエピソードをもうひとつ。アラスカは、銃による事件での死亡率がアメリカの全州で最も多いという統計があります。そう聞くと、銃犯罪が多いのだろうなと思ってしまいますが、確かに銃の所持率は全米トップの61%ですが、決して犯罪が多いわけではありません。じゃあ、なぜ?という感じですが、実は自殺率が多いそうです(全米2位)。当然、銃が身近にあれば、自殺する手段も銃になるわけで…。なかなか闇深いです、アラスカは…。
その土地の闇(ダーク)が全編にわたって滲み出るような映画が本作でした。
「息子のベイリーがオオカミにさらわれた」…そんな衝撃的な手紙をもらってアラスカの大自然の中にポツンと存在する小さな町キールットを訪れた黒人のラッセル・コア(ジェフリー・ライト)。その手紙を書いた女性メドラ・スローン(ライリー・キーオ)と出会い、事情を聴きます。払うお金がないと言うくらい貧しそうな家でしたが、「チョコレートでいい」と快く受け入れるラッセル。ここまでは普通。ここから息子探しの物語が始まるんだなと観客は予想します。
しかし、そうは問屋が卸さないのが、“ジェレミー・ソルニエ”監督流。ラッセルが訪問してきたその夜、ラッセルが夜中に寝床で目を覚ますと、独りごとをしゃべりながら風呂で背中をゴシゴシしているメドラの姿が。そのまま仮面をかぶり裸で部屋を歩き、ラッセルの毛布に入り込む。不気味で理解不可能なシーンです。
さらに、場面がガラッと変わり、中東イラクを進軍する軍隊が映ります。そのうちのひとりの兵士はスローン(アレクサンダー・スカルスガルド)と呼ばれ、どうやらメドラの夫バーノン(同一人物)のようで…。
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ここでまたアラスカに場面は戻り、行方不明のメドラの息子探しをするラッセルは成果もなく、スローン家へ戻りますが、そこで偶然見つけたのが探していた少年の遺体。事態は急展開。肝心のメドラは行方不明で、一瞬にして息子殺害の容疑者に。そんな混乱のなか、アメリカに戻ってきたバーノンは息子と悲しい対面。観客は愛する子を失った父親に同情していると…バーノンが警察を射殺。
観客は翻弄されっぱなしです。「えっ、殺すの!?」という驚きと、「えっ、殺さないの!?」という驚きの連続パンチを交互に受けて、軽い脳震とうになった気分。
◆警察はなすすべなく・・・↓↓↓
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“ジェレミー・ソルニエ”監督特有の大殺戮シーンとして本作に用意されていますが、キールットに押しかけた大量の警察をチーオン(ジュリアン・ブラック・アンテロープ)が機関銃で皆殺しにする展開。さながら西部劇。それまでため込んできた何かが暴力という形で一気に解放される、虚しい爽快感が印象的です。

◆所見

本作中、ずっと暗い雰囲気が重々しい空気の連続。土地柄、田舎で尚且つその「村」に言う人と外の人との温度差の大きさ。この闇は大きかったです。僕は、北海道出身ですから、アラスカと聞いたら、日本の他の地方の人よりは多少、ホントちょっとですが、アラスカと言う地を多少は感じていましたが、こんなに人の気持ちが荒廃していると言うか、悲しく寂れているものなのかと思ってしまいました。
観れども観れども殺戮は繰り広げられ、それこそ何を見せられているのか分からなくなります。その殺戮の動機なんてもう何でも良いような。
狼は、言うほど怖い存在ではなく、人の方が恐ろしいと言うことです。ですが、最後にラッセルが瀕死の状況で、狼に襲われなかったのは、それこそ、人の方が怖いと言うことを言いたかったのかななどと思いました。
本作品は何でもジャンルは問わず、それこそ不気味な雰囲気が漂っている映画が見たい人には大お勧め作品です。とにかく、暗くなりますから。僕は、ちょっと心が悲しくなっています。





評価点   80点
お薦め度  82点


2018年  125分  アメリカ製作

 
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