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【映画】『デ・ヴィル家への招待状』(2022年)段々自分が恐ろしい場所にいることに気が付いたエヴィー!その閉ざされた世界から逃れることはできるのか? | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『デ・ヴィル家への招待状』の作品情報

【原題】The Invitation

【監督】ジェシカ・M・トンプソン

【脚本】ブレア・バトラー

【出演】ナタリー・エマニュエル、トーマス・ドハティ他

【配給】ソニー・ピクチャーズ リリーシング

【公開】2022年8月

【上映時間】104分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】ホラー、サスペンス

【視聴ツール】Netflix、吹替

◆キャスト
イヴリン・ジャクソン(エヴィー):ナタリー・エマニュエル
ウォルター・デ・ヴィル:トーマス・ドハティ
ヴィクトリア:ステファニー・コーネリアセン
ルーシー:アラナ・ボーデン
ミスター・フィールド:ショーン・パートウィー
オリヴァー・アレクサンダー:ヒュー・スキナー

◆ネタバレあらすじ
本作、『デ・ヴィル家への招待状』は、英国の貴族社会を背景にしたミステリーサスペンス作品です。物語は、平凡な女性エヴィーが突然、自身が由緒ある貴族デ・ヴィル家の遠縁であることを知るところから始まります。
エヴィーは孤児として育ち、身寄りのない彼女にとって、突如現れた遠い親戚という存在は驚きでした。ある日、エヴィーはデ・ヴィル家の人々から、家族の再会を祝うために大邸宅へ招待されます。興味本位と家族に対する憧れから、エヴィーはこの招待を受け入れ、デ・ヴィル家の豪華な屋敷へと足を踏み入れます。
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エヴィーが訪れたデ・ヴィル家の屋敷は、まさに豪奢そのものであり、長い歴史と伝統に彩られた建物です。しかし、初めて会った遠縁の親戚たちは、どこか冷たく、不気味な雰囲気を醸し出していました。特に、デ・ヴィル家の当主であるウィリアム・デ・ヴィルは威圧的であり、エヴィーに対して何かを隠しているように感じさせます。
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屋敷に滞在するうちに、エヴィーは次第にこの家族が抱える秘密に気づき始めます。夜中に聞こえる奇妙な音、使用人たちの不自然な態度、そして家族の中に広がる緊張感。エヴィーは次第に自分がただの訪問者ではなく、ある陰謀に巻き込まれていることを察知します。
さらに、エヴィーが屋敷内を探索するうちに、地下室に隠された古い書物や、家族の血塗られた過去を示す証拠を発見します。これらの発見から、デ・ヴィル家が代々何らかの邪悪な儀式を行ってきたこと、そしてその儀式にエヴィーが関わることを期待されていることが明らかになります。
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やがて、エヴィーはウィリアム・デ・ヴィルと対峙します。ウィリアムは、自分たちの家系を保つために必要な儀式を行う意志を露わにし、エヴィーにその役割を果たすよう迫ります。エヴィーはその時、デ・ヴィル家の「家族」として迎え入れられた理由を理解します。
エヴィーは儀式に従うことを拒み、屋敷から逃げ出すことを試みますが、家族や使用人たちに捕まり、最終的に地下室に閉じ込められてしまいます。彼女は、絶望的な状況の中で家族の秘密を解き明かし、自分を救うための策を講じます。
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物語のクライマックスでは、エヴィーがデ・ヴィル家の屋敷を焼き払うことで、長年続いてきた邪悪な儀式と家系の呪縛から逃れることに成功します。屋敷が燃え落ちる中、彼女は自分の力で自由を勝ち取ったことを象徴するかのように、夜明けの光の中へと姿を消します。
映画は、貴族社会の暗部を描きつつ、個人の勇気と決断がどのようにして運命を変えるかを問いかける作品となっています。また、エヴィーの成長と、彼女が最終的に自分の意志を貫く姿勢が観客に深い印象を与えることでしょう。

◆考察と感想
『デ・ヴィル家への招待状』は、古典的なゴシックホラーの要素を現代にうまく取り入れた作品だと言えます。映画の舞台となるデ・ヴィル家の屋敷は、その圧倒的な存在感と、暗い秘密が隠された舞台として機能しており、観客にじわじわとした不安感を与えます。この屋敷はまさに「キャラクター」の一つと言っても過言ではないでしょう。豪華でありながらもどこか薄気味悪い、そんな空間が物語全体の緊張感を高めています。
主人公エヴィーがこの恐ろしい家族の一員として迎え入れられた瞬間から、彼女の運命が大きく揺れ動きます。エヴィーは、最初はただの好奇心と家族への憧れからデ・ヴィル家に足を踏み入れますが、次第にその「家族」の真の意味を知ることになります。映画が進むにつれて、彼女が直面する危険や陰謀が明らかになるにつれ、観客は「彼女は一体どうやってこの状況を切り抜けるのだろうか?」と緊張感を持って見守ることになります。
この作品が特に面白いのは、エヴィーが単なる「犠牲者」ではなく、自分の運命を切り開こうとする「戦うヒロイン」である点です。彼女が屋敷の中で真実を追い求め、最後には自らの手でデ・ヴィル家の呪縛を解き放つ姿は、観客に爽快感をもたらします。ホラー映画にありがちな「逃げ惑うだけの主人公」ではなく、強い意志を持ち、自分の力で状況を打破するキャラクターは、新鮮で魅力的です。
とはいえ、映画全体には、どこか懐かしさを感じさせる要素も散りばめられています。例えば、夜中に響く奇妙な音や、家族が隠している秘密、そして地下室に眠る恐ろしい真実など、ゴシックホラーの定番とも言える要素が、現代的なスタイルとミックスされています。これにより、観客は新しいものを楽しみながらも、どこか既視感を覚える心地よさを感じることができるのです。
ただし、映画の中にはいくつかの疑問が残る部分もあります。例えば、デ・ヴィル家の歴史や儀式について、もう少し詳しい説明があれば良かったのではないかという点です。観客としては、「なぜこの儀式が代々続けられてきたのか?」、「本当にその儀式は必要なのか?」といった部分が気になってしまいます。もっと深掘りしてくれたら、物語にさらに厚みが増したかもしれません。
それでも、全体的に見れば『デ・ヴィル家への招待状』は、テンポ良く進むストーリーと、視覚的に楽しめる演出が満載のエンターテインメント作品です。恐怖や不安感を煽りつつも、最終的には強いメッセージを持つ作品として、観客の心に残ることでしょう。
結論として、この映画はゴシックホラーが好きな人、そして強い意志を持つヒロインが登場する作品が好きな人にとって、非常に楽しめる内容になっています。エヴィーの冒険を通じて、私たちもまた、自分の運命をどう切り開くかを考えさせられる、そんな一作です。




評価点   78点
お薦め度  76点


2022年  104分  アメリカ製作

 
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