ケース面接0 ケース面接に臨む前に知っておくべきこと
- 2013/10/26
- 21:50
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コンサルティングファームを目指す方を悩ますのが、いわゆる「ケース面接」だろう。今回は、ケース面接とは何か?コンサルタントは何を見ているのか?という2点を紹介したい。
本題に入る前に、一点、注意点がある。巷には、ケース面接対策と称する、本やセミナーがあり、色々な「手法」や「マニュアル」や「フレームワーク」が紹介されている。私がこれからこのブログで紹介するのもその内の一つだ。しかし、そのどれもが、面接における「正解」とはなりえない。なぜなら、コンサルタントによって、ケース面接の中で注目する点が異なるし、同じコンサルタントでもトピックや、候補者により、見るポイントを変えるからだ。
実際、私が面接をしていて、いかにも「マニュアル」を読んできました!という方に会う。正直、そういった回答は、面白くないし、その方の知性の個性が見えず、印象に残らない。そして、少しひねりを加えた質問をすると、途端に答えられなくなってしまう。
「じゃあ準備なんてしても無駄では?」そう思う方もいるだろう。しかし、コンサルタントが知りたいのは「この候補者が、コンサルタントとして一人前になるポテンシャルがあるか?」であり、その大きな目的に沿って、評価していると考えれば、自ずと準備すべきことは絞られてくるだろう。
それは丁度、プロサッカー選手に試合中のマニュアルなど存在しないが、大きな目的は得点する/失点しないことであり、そのために必要な能力が、速く走ることや高く跳ぶことや、ディフェンダーの裏をかくことで、それを適切な場面で適切に組み合わせることや発揮できるかが、優れた選手とそうでない選手を分けるのと似ている。
あなたが、「内定間違いなしのケース対策マニュアル」をもしも探しているなら、今すぐやめることをお勧めする。私がご紹介するのも、マニュアルや体系だったHow toではない。どのように物事を考えるのか?の一例にすぎない。サッカーで言えば、センタリングからのゴールパターンの一つであり、オフサイドトラップのかけ方の一つである。それをどう活用するのかは、ご自身で考えて、実践してもらうしかない。
勿論、ケース面接の練習をすることは無駄ではない。頭の使い方を予行演習するのは面接に臨む上でも、あなたのポテンシャルを正確に示すことができるという意味で有効である。
また、このケース面接の準備素材を私が公開するのは、単に興味本位でやっている訳ではない。こういった考え方は、ビジネスを推進していく際に、誰しもに必要になることであり、仮にコンサルティングファームに入らなくとも、有用だと考えるからである。
私は、このブログを見てくれた方が、こういった考え方に触れ、ビジネスパーソンとして成功することの助けになれればと考えている。それが、日本や世界を良くすることに、(とても遠いかもしれないが)つながるからだ。これは、私がコンサルを(激務で心が折れそうになりながらも)続けている理由と同じである。
さて、前置きが長くなってしまったので、本題に入ろう。
ケース面接とは、一言で言うならば、あるお題/質問が与えられて、それに対する答えを回答するという面接形式である。ほとんどの場合、1対1で行われ、時間は15分から45分程度が一般的だろう。
このお題/質問は多岐に渡る。その一例を下記に記す。
>ある飲料メーカーに対して、ダイエット飲料商品の市場投入戦略を提案して下さい
>一年間に日本で消費されるペットボトルの数は何本あるでしょうか?
>タクシー会社の新規事業戦略を考えて下さい
>もしあなたが、今、総理大臣になったら、何をしますか?
>原発稼動に賛成ですか?反対ですか?
上三つは、ビジネスに関連し、下二つは政治に関連している。二つめは計算が必要そうだ。最後の質問は、個人的な考え方を聞かれているのだろうか?このように、ケース面接のお題は、多様だ。巷のマニュアル本では、こういった質問が分類され、それぞれの模範解答がついていたり、ご丁寧に一般化された「公式」めいたものまであるようだ。
しかし、上に述べたように、「公式」など覚えてもしょうがないので、このブログでは、整理の都合上大まかに分類し、どうやって考えるのか?という例を、今後一つ一つ紹介していこうと思う。
上記のような、謎めいた質問をして、コンサルタントは何を見ているのか?
私の回答は、「構造化力」と「創造力」だ。簡単に説明しよう。
「構造化力」聞きなれない言葉だろうと思う。物事には、構造がある。結果と原因、優先度の高い問題、低い問題。長期的な目標、短期的な目標。こういった、物事の構造を明らかにする力のことを、構造化力と私は呼んでいる。コンサルタントは、問題解決者である。問題を解決するには、個々の事象がどのような構造になっているのかを理解し、問題の本質を突き止める必要がある。この「構造化」は、奥が深いので、別途紹介させてもらいたい。
「創造力」というと、誰も思いつかないことを思いつく力のことと思われるかもしれないが、少し違う。創造力は、ユニークな視点を持つことだ。掃除機の売上を伸ばすにはどうしたらいいか、という問いに対して、マーケティングの視点から、広告をもっと打つというのは、普通の視点だが、「他の家事で起こった進化を掃除機でも起こす」という視点はユニークだ。その視点から、「洗濯機が自動洗濯機になったように、自動掃除機を売ってはどうか?」という答えが出てくると、面白い。
コンサルタントは、お題への回答を通して、問題や状況をどのように構造化し、それに対してどんなユニークな視点で答えを提示できるのか?を見ていると思って頂ければと思う。
さて、このブログでは、ケース面接の例を100紹介したいと思っている。いわゆる100本ノックだ。(いつ終わるのかわからないが、、)。この記事では、その0本目、最低限知っておいて欲しいことをまとめた。
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勘違いしないでほしい
本題に入る前に、一点、注意点がある。巷には、ケース面接対策と称する、本やセミナーがあり、色々な「手法」や「マニュアル」や「フレームワーク」が紹介されている。私がこれからこのブログで紹介するのもその内の一つだ。しかし、そのどれもが、面接における「正解」とはなりえない。なぜなら、コンサルタントによって、ケース面接の中で注目する点が異なるし、同じコンサルタントでもトピックや、候補者により、見るポイントを変えるからだ。
実際、私が面接をしていて、いかにも「マニュアル」を読んできました!という方に会う。正直、そういった回答は、面白くないし、その方の知性の個性が見えず、印象に残らない。そして、少しひねりを加えた質問をすると、途端に答えられなくなってしまう。
「じゃあ準備なんてしても無駄では?」そう思う方もいるだろう。しかし、コンサルタントが知りたいのは「この候補者が、コンサルタントとして一人前になるポテンシャルがあるか?」であり、その大きな目的に沿って、評価していると考えれば、自ずと準備すべきことは絞られてくるだろう。
それは丁度、プロサッカー選手に試合中のマニュアルなど存在しないが、大きな目的は得点する/失点しないことであり、そのために必要な能力が、速く走ることや高く跳ぶことや、ディフェンダーの裏をかくことで、それを適切な場面で適切に組み合わせることや発揮できるかが、優れた選手とそうでない選手を分けるのと似ている。
あなたが、「内定間違いなしのケース対策マニュアル」をもしも探しているなら、今すぐやめることをお勧めする。私がご紹介するのも、マニュアルや体系だったHow toではない。どのように物事を考えるのか?の一例にすぎない。サッカーで言えば、センタリングからのゴールパターンの一つであり、オフサイドトラップのかけ方の一つである。それをどう活用するのかは、ご自身で考えて、実践してもらうしかない。
勿論、ケース面接の練習をすることは無駄ではない。頭の使い方を予行演習するのは面接に臨む上でも、あなたのポテンシャルを正確に示すことができるという意味で有効である。
また、このケース面接の準備素材を私が公開するのは、単に興味本位でやっている訳ではない。こういった考え方は、ビジネスを推進していく際に、誰しもに必要になることであり、仮にコンサルティングファームに入らなくとも、有用だと考えるからである。
私は、このブログを見てくれた方が、こういった考え方に触れ、ビジネスパーソンとして成功することの助けになれればと考えている。それが、日本や世界を良くすることに、(とても遠いかもしれないが)つながるからだ。これは、私がコンサルを(激務で心が折れそうになりながらも)続けている理由と同じである。
さて、前置きが長くなってしまったので、本題に入ろう。
ケース面接とは何か?
ケース面接とは、一言で言うならば、あるお題/質問が与えられて、それに対する答えを回答するという面接形式である。ほとんどの場合、1対1で行われ、時間は15分から45分程度が一般的だろう。
このお題/質問は多岐に渡る。その一例を下記に記す。
>ある飲料メーカーに対して、ダイエット飲料商品の市場投入戦略を提案して下さい
>一年間に日本で消費されるペットボトルの数は何本あるでしょうか?
>タクシー会社の新規事業戦略を考えて下さい
>もしあなたが、今、総理大臣になったら、何をしますか?
>原発稼動に賛成ですか?反対ですか?
上三つは、ビジネスに関連し、下二つは政治に関連している。二つめは計算が必要そうだ。最後の質問は、個人的な考え方を聞かれているのだろうか?このように、ケース面接のお題は、多様だ。巷のマニュアル本では、こういった質問が分類され、それぞれの模範解答がついていたり、ご丁寧に一般化された「公式」めいたものまであるようだ。
しかし、上に述べたように、「公式」など覚えてもしょうがないので、このブログでは、整理の都合上大まかに分類し、どうやって考えるのか?という例を、今後一つ一つ紹介していこうと思う。
コンサルタントは何を見ているのか?
上記のような、謎めいた質問をして、コンサルタントは何を見ているのか?
私の回答は、「構造化力」と「創造力」だ。簡単に説明しよう。
「構造化力」聞きなれない言葉だろうと思う。物事には、構造がある。結果と原因、優先度の高い問題、低い問題。長期的な目標、短期的な目標。こういった、物事の構造を明らかにする力のことを、構造化力と私は呼んでいる。コンサルタントは、問題解決者である。問題を解決するには、個々の事象がどのような構造になっているのかを理解し、問題の本質を突き止める必要がある。この「構造化」は、奥が深いので、別途紹介させてもらいたい。
「創造力」というと、誰も思いつかないことを思いつく力のことと思われるかもしれないが、少し違う。創造力は、ユニークな視点を持つことだ。掃除機の売上を伸ばすにはどうしたらいいか、という問いに対して、マーケティングの視点から、広告をもっと打つというのは、普通の視点だが、「他の家事で起こった進化を掃除機でも起こす」という視点はユニークだ。その視点から、「洗濯機が自動洗濯機になったように、自動掃除機を売ってはどうか?」という答えが出てくると、面白い。
コンサルタントは、お題への回答を通して、問題や状況をどのように構造化し、それに対してどんなユニークな視点で答えを提示できるのか?を見ていると思って頂ければと思う。
さて、このブログでは、ケース面接の例を100紹介したいと思っている。いわゆる100本ノックだ。(いつ終わるのかわからないが、、)。この記事では、その0本目、最低限知っておいて欲しいことをまとめた。
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