コンサル思考法2 仮説思考 - 「それで、仮説は?」
- 2014/02/15
- 21:58
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前回は「論点について考える」というコンサルタントの思考方法を紹介したが、今回は「仮説を考える」という思考方法を紹介しよう。この記事から読み始めた方は、こちらの記事「何に答えを出せばいいのか?」も見て頂いた方がよいと思う。
仮説というと、理系のまだ正しいか検証されていない理論等のことを思い浮かべるかもしれない。おおまかには同じ意味合いだが、コンサルタントがいう仮説は、「ある論点に対する現時点での答え」と言えるだろう。コンサルタントは常に論点を考え、そしてその論点に対する仮説を考えている。では、なぜ、仮説を考えることは大事なのだろうか?
この記事のタイトル「それで、仮説は?」は、コンサルタントがマネージャーからよく聞かれる言葉の一つである。論点があるとすると、常に仮説を考えなくてはいけない。何か課題が見つかったら、その答えの候補を考えなくてはいけない、これがコンサルタントの考え方である。
例えば、プロジェクトの論点の一つが、「売上低迷の真の原因は何か?」だったとする。ここでもし、仮説がなかったらどうなるか?間違いない、1ヶ月たってもプロジェクトが前進しない。ないしは、論点が発散していき、とても答えにたどり着ける気がしない。なぜか?
執行役員にインタビューをしてみる。各執行役員がそれぞれに問題だと考えていることを述べていくだろう。そのとき、自分が管轄している部門が問題だと指摘するだろうか?勿論、真摯に経営のことを考えている経営者であれば、自分が管轄していようがいまいが、真実を述べるに違いない。。。とは、さすがに皆さんも思わないだろう。
確かに、問題が明確になっているのであれば、そう言うかもしれない。しかし、それならばわざわざコンサルタントを雇う必要もなさそうだ。つまり、誰も問題の所在がよくわかっていない状態なのだ。だとしたら、少なくとも自分の部門ではなく、「あっちが怪しい」といいたくなるのが人情だろう。インタビューを続けていると、結局、どこの部門も怪しいとなってくる。では、今度は中間管理職にインタビューしてみる。。。おわかりだろう。同じことが繰り返されてしまう。
勿論、こうやってしらみつぶしに当たっていけば、いつか、運良く、問題の所在を突き止められるかもしれない。しかし、それでは、「日が暮れてしまう」のである。
上記のようにならないために、仮説が必要なのだ。
仮説とは、「売上低迷の真の原因は何か?」という問いに対し、「製品の性能と顧客ニーズのギャップが存在するため」という答えの部分だ。仮説があると、役員にインタビューするときにも、「何が売上低迷の原因ですか?」ではなく、「製品の性能と顧客ニーズのギャップは生じていませんか?」と、より切り込んだ質問ができる。
仮に、この仮説が間違いであることが証明されたとする。顧客調査の結果、他社よりも顧客ニーズを満たしていることがわかった、等だ。そうしたら、この仮説はさっさと捨てる。そして新たな仮説を立てるのだ。顧客ニーズを満たしているなら、なぜ売れないのか?「販売網戦略に問題がある」が次の仮説になるかもしれない。
勿論、この仮説検証、構築を無闇やたらに繰り返すようでは、先ほどと同様、「日が暮れてしまう」。そうならないためには、一つには、仮説構築の精度をあげる(筋のいい仮説を立てる)必要がある。
仮説構築の精度を上げる、これはなかなか難しい。想定される課題を構造的に整理し、その時点での事実および、論理的な推定をもとに、最も確からしい仮説を作る必要がある。「論理的な推定」の部分は、コンサルティング経験が生きる部分もあるが、その業界の素人だから気づく場合もある。ある種、右脳的ひらめきが必要な部分だ。コンサルタント、特にマネージャー以上にはこの能力が必要である。なぜなら、筋のいい仮説が立たないと、チームが皆で徹夜になってしまうからだ。
こちらは、以前紹介させて頂いた論点思考と同様、元BCGの内田和成さんの著書だが、非常にわかりやすくまとまっている。お勧め本3つの2つ目である。
本書の内容は、仮説とは何なのか?に始まり、仮説を使う、立てる、検証する、仮説思考力を高めるという構成になっている。特に最後の、仮説思考力を高めるは、普段、どんなことをすればいいのかについて書かれており、実践的だと思う。
私にとっては、論点思考と仮説思考は2つで一つの大事なものの考え方だと思っている。
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仮説とは?
仮説というと、理系のまだ正しいか検証されていない理論等のことを思い浮かべるかもしれない。おおまかには同じ意味合いだが、コンサルタントがいう仮説は、「ある論点に対する現時点での答え」と言えるだろう。コンサルタントは常に論点を考え、そしてその論点に対する仮説を考えている。では、なぜ、仮説を考えることは大事なのだろうか?
仮説がないと、日が暮れてしまう
この記事のタイトル「それで、仮説は?」は、コンサルタントがマネージャーからよく聞かれる言葉の一つである。論点があるとすると、常に仮説を考えなくてはいけない。何か課題が見つかったら、その答えの候補を考えなくてはいけない、これがコンサルタントの考え方である。
例えば、プロジェクトの論点の一つが、「売上低迷の真の原因は何か?」だったとする。ここでもし、仮説がなかったらどうなるか?間違いない、1ヶ月たってもプロジェクトが前進しない。ないしは、論点が発散していき、とても答えにたどり着ける気がしない。なぜか?
執行役員にインタビューをしてみる。各執行役員がそれぞれに問題だと考えていることを述べていくだろう。そのとき、自分が管轄している部門が問題だと指摘するだろうか?勿論、真摯に経営のことを考えている経営者であれば、自分が管轄していようがいまいが、真実を述べるに違いない。。。とは、さすがに皆さんも思わないだろう。
確かに、問題が明確になっているのであれば、そう言うかもしれない。しかし、それならばわざわざコンサルタントを雇う必要もなさそうだ。つまり、誰も問題の所在がよくわかっていない状態なのだ。だとしたら、少なくとも自分の部門ではなく、「あっちが怪しい」といいたくなるのが人情だろう。インタビューを続けていると、結局、どこの部門も怪しいとなってくる。では、今度は中間管理職にインタビューしてみる。。。おわかりだろう。同じことが繰り返されてしまう。
勿論、こうやってしらみつぶしに当たっていけば、いつか、運良く、問題の所在を突き止められるかもしれない。しかし、それでは、「日が暮れてしまう」のである。
仮説は、使い捨てでよい
上記のようにならないために、仮説が必要なのだ。
仮説とは、「売上低迷の真の原因は何か?」という問いに対し、「製品の性能と顧客ニーズのギャップが存在するため」という答えの部分だ。仮説があると、役員にインタビューするときにも、「何が売上低迷の原因ですか?」ではなく、「製品の性能と顧客ニーズのギャップは生じていませんか?」と、より切り込んだ質問ができる。
仮に、この仮説が間違いであることが証明されたとする。顧客調査の結果、他社よりも顧客ニーズを満たしていることがわかった、等だ。そうしたら、この仮説はさっさと捨てる。そして新たな仮説を立てるのだ。顧客ニーズを満たしているなら、なぜ売れないのか?「販売網戦略に問題がある」が次の仮説になるかもしれない。
勿論、この仮説検証、構築を無闇やたらに繰り返すようでは、先ほどと同様、「日が暮れてしまう」。そうならないためには、一つには、仮説構築の精度をあげる(筋のいい仮説を立てる)必要がある。
仮説構築の精度を上げる、これはなかなか難しい。想定される課題を構造的に整理し、その時点での事実および、論理的な推定をもとに、最も確からしい仮説を作る必要がある。「論理的な推定」の部分は、コンサルティング経験が生きる部分もあるが、その業界の素人だから気づく場合もある。ある種、右脳的ひらめきが必要な部分だ。コンサルタント、特にマネージャー以上にはこの能力が必要である。なぜなら、筋のいい仮説が立たないと、チームが皆で徹夜になってしまうからだ。
仮説思考をさらに深めるには:『仮説思考』
こちらは、以前紹介させて頂いた論点思考と同様、元BCGの内田和成さんの著書だが、非常にわかりやすくまとまっている。お勧め本3つの2つ目である。
本書の内容は、仮説とは何なのか?に始まり、仮説を使う、立てる、検証する、仮説思考力を高めるという構成になっている。特に最後の、仮説思考力を高めるは、普段、どんなことをすればいいのかについて書かれており、実践的だと思う。
私にとっては、論点思考と仮説思考は2つで一つの大事なものの考え方だと思っている。
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