2005-11-23(Wed)
安心のファシズム・広島の事件・タミフル
安心のファシズム というタイトルの本を、たまたま見つけて読んだ。 斉藤貴男さんというジャーナリストの著書である。
これでも1年半前に書かれたものだが、もうすでにかなりの処まで進行してしまっていることが、よ~くわかる本だ。 いまや、あらゆる方面、あらゆる場面において、ファシズムの下地は準備され尽くした感がある。
しかし、それだけでファシズムは完成しない、と斉藤氏は言う。
曰わく
独裁者の強権政治だけでファシズムは成立しない。自由の放擲と隷従を積極的に求める民衆の心性ゆえに、それは命脈を保つのだ。不安や怯え、恐怖、贖罪意識その他諸々 -大部分は巧みに誘導された結果だが- が、より強大な権力と巨大なテクノロジーと利便性に支配される安心を欲し、これ以上のファシズムを招けば、私たちはやがて、確実に裏切られよう。
私がこれまで書いてきた、地震のキャンペーンもファシズムの一端だという話も、この脈絡で考えると分かりやすい。
その他、保育園のような一見些末な話にいたるまで、全てつながっているのだと言うことは、ひょっとするとファシスト的な感性を持った人間の方が、本能的に感じているのだろう。だからこそ、そういうネタにネット右翼の人々はよく反応している。
広島の小学生殺害事件も、ことさらに本名を連呼している。奈良の事件の時は、しばらくしてから実名はニュースでは言わなくなったが、広島の件は、意図的なものを感じる。
我々にとって、女の子の実名を知ることは、何の意味もない。1度の報道で充分だ。にもかからわず、テレビをつけるたびに繰り返し、実名を呼び続けるのは、恐怖感、不安感をいやがうえにも演出する、マスコミの破廉恥さを感じる。
近年ものすごく治安が悪化しているように、報道を見ているかぎりは誰でもが感じる。 がしかし、殺人事件による死亡者数は、1984年が1000人、2004年が600人程度だ、と法政大学の杉田教授のレポートを斉藤氏は引用している。
また、犯罪件数についても、それまでは調書も取らずに、統計にカウントしなかったような小さな案件も全部カウントするようにという通達が、2000年4月に警察庁から出ているのだそうだ。だから、犯罪件数は激増し、検挙率は下がっている。
意図的な社会不安の醸成。 確かに我が子を守るためには、細心の注意は必要だけれど、ニュースを見るときにはよくよく、眉唾でみる必要もある。
と、ここまで書いてから、ストレイドッグですごい記事を見てしまった。鳥インフルエンザも、怪しい。タミフルを開発した会社の元会長は、な~んとラムズフェルド、もちろん米国防長官、ネオコン。
しかも、タミフルは飲んでも効かない!
詳しくは、ストレイドックを見て欲しい。
※やっとサイドメニューにブロガー同盟のリンクを貼れた。やれやれ。
これでも1年半前に書かれたものだが、もうすでにかなりの処まで進行してしまっていることが、よ~くわかる本だ。 いまや、あらゆる方面、あらゆる場面において、ファシズムの下地は準備され尽くした感がある。
しかし、それだけでファシズムは完成しない、と斉藤氏は言う。
曰わく
独裁者の強権政治だけでファシズムは成立しない。自由の放擲と隷従を積極的に求める民衆の心性ゆえに、それは命脈を保つのだ。不安や怯え、恐怖、贖罪意識その他諸々 -大部分は巧みに誘導された結果だが- が、より強大な権力と巨大なテクノロジーと利便性に支配される安心を欲し、これ以上のファシズムを招けば、私たちはやがて、確実に裏切られよう。
私がこれまで書いてきた、地震のキャンペーンもファシズムの一端だという話も、この脈絡で考えると分かりやすい。
その他、保育園のような一見些末な話にいたるまで、全てつながっているのだと言うことは、ひょっとするとファシスト的な感性を持った人間の方が、本能的に感じているのだろう。だからこそ、そういうネタにネット右翼の人々はよく反応している。
広島の小学生殺害事件も、ことさらに本名を連呼している。奈良の事件の時は、しばらくしてから実名はニュースでは言わなくなったが、広島の件は、意図的なものを感じる。
我々にとって、女の子の実名を知ることは、何の意味もない。1度の報道で充分だ。にもかからわず、テレビをつけるたびに繰り返し、実名を呼び続けるのは、恐怖感、不安感をいやがうえにも演出する、マスコミの破廉恥さを感じる。
近年ものすごく治安が悪化しているように、報道を見ているかぎりは誰でもが感じる。 がしかし、殺人事件による死亡者数は、1984年が1000人、2004年が600人程度だ、と法政大学の杉田教授のレポートを斉藤氏は引用している。
また、犯罪件数についても、それまでは調書も取らずに、統計にカウントしなかったような小さな案件も全部カウントするようにという通達が、2000年4月に警察庁から出ているのだそうだ。だから、犯罪件数は激増し、検挙率は下がっている。
意図的な社会不安の醸成。 確かに我が子を守るためには、細心の注意は必要だけれど、ニュースを見るときにはよくよく、眉唾でみる必要もある。
と、ここまで書いてから、ストレイドッグですごい記事を見てしまった。鳥インフルエンザも、怪しい。タミフルを開発した会社の元会長は、な~んとラムズフェルド、もちろん米国防長官、ネオコン。
しかも、タミフルは飲んでも効かない!
詳しくは、ストレイドックを見て欲しい。
※やっとサイドメニューにブロガー同盟のリンクを貼れた。やれやれ。
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