2005-11-05(Sat)

宮崎滔天

三好徹の「革命浪人 滔天と孫文」を読んだ

宮崎滔天といえば、大陸浪人というイメージで、いわゆる右翼の源流のように思っていたが、この本の通りならばだいぶん誤解があったようだ。

曰わく、
彼(滔天)は、内田良平らが、必ずしも中国人民のために革命に参加するのではないことを、見ぬいていた。内田の目的は、大陸における日本の勢力の増大である。彼らには、日本が第一であって、中国や中国人民は、第二、第三であった。孫文に心底から共鳴して参加しているのではない。もし彼らに名誉をあたえなければ、いざというときに役に立たないかもしれない。

内田良平というのは玄洋社の人間で、まさに現在の右翼団体の源流の一つと言えるだろう。しかし、宮崎滔天は、確かに日本の自由民権のために中国の革命を支援したとは言え、こういう連中とは、全く違っていた、というのがこの本の主旨だ。

とは言え、宮崎滔天がクリーンな革命家であったかというと、とんでもない男ではあったようだ。数々の女に溺れ、女が身代を潰すまで貢がせ、あちこちで借金しまくってはすべて踏み倒している。

今どきで言えば、中川秀直も真っ青のダーティーぶりだ。
ただ、なにが中川某と違うのか、そこが大事なんじゃないか。

いたずらにクリーンなイメージを求めると、どうも大事なことが抜けてしまうような気がする。

野中広務にしても、鈴木宗男にしても、たしかにクリーンでは無いのは一目瞭然だし、それが許されるわけではないが、その魔女狩り的な追放の真の目的は、マイノリティーの圧殺であることは明白だ。

もっとも、今クリーンなタカとか言われているが、一体どこがクリーンなのか、噴飯ものだが。これはまた後日。

いずれにしても、宮崎滔天の爪の垢が残っていれば、「自虐史観」などという、自らの脆弱な精神の吐露を嬉しそうにさらし者にしている諸君には、良いサプリメントになるのだけれども。

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多くの人と会っていると、第一印象がその後の波長に大きく影響することが判る。動物的な直感であり、非定型的なものだから、そのような一瞬の感覚で、人を決めつけるように判断することは正しくない。が、人間という感情を持つ動物である以上、動物的に自然に感じ取ることは

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「自虐史観」と言うのは、自らの脆弱な精神を見せるものかもしれないが、マイノリティーの圧殺というものも精神の惰弱性を表すものだと思う。

マイノリティーが圧殺されたのではなく、マジョリティーの悪性が隠れているだけだと思う。
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