2016-10-21(Fri)
福祉と福施 命のナショナルミニマムその2
「フクシ」と聞いてなにを思い浮かべるだろうか。
女子マラソンというボケはなしにすれば、困った人が役所に助けてもらう、みたいなイメージではないだろうか。
幸せいっぱいの笑顔を思い浮かべる人は、あまりいないと思う。
「フクシ」は福を施してもらう「福施」、だと感じている。
しかし、お分かりのように「フクシ」は「福祉」と書く。
この「祉」という字は、幸せという意味なのだそうだ。つまり、福祉=幸福 なのである。実は。
福祉というのは、施してもらうのではなく、もともとある幸せのことなのだ。
そして、政治の場面での福祉とは、もともとある幸せを保障する ということ。
もともとある幸せ だけを保障するんだったら、もとから幸せじゃない人はどうなる?
これは、話が反対だ。
もともと「誰もが幸せ」というのが福祉の前提で、いま幸せじゃない人はそれが壊れちゃった人だから、元に戻しましょうというのが、福祉。
これを、条文にしたのが、あの憲法25条の、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」 ってやつだ。
■
なんだけど、今私たちが直面している福祉は、こんなものじゃない。
まさに、「福施」として、お役人が年寄りや障がい者や貧乏人に施しをするみたいなことになってしまっている。
その感覚は、この社会の隅々まであまねく行き渡っていて、福祉を受けるのは申し訳ない、福祉を受けるのは恥ずかしい、福祉を受けるのは他人に迷惑、と、受ける側も施す側も関係ない傍観者も、固く固く信じている。
それを、端的に見せてくれたのがこのレポートだ
売春に走る”最貧困シングルマザー”たちはなぜ生活保護を受けないのか!?
2015.1.28 リテラ
政治が保障するべき「命のナショナルミニマム」は、単に生活保護の制度や金額ではなく、「福施」を「福祉」にひっくり返すことなんだ。
もちろん働ける人は働くべきだと思うし、ごく一部とはいえ生活保護受給してベンツ乗り回すのはアカンと思う。
しかし、そうした規範ちゃんと効かすためにも、まずは福祉を「あたりまえ」のものに転換する必要がある。
正々堂々、ニコニコしながら生活保護を受給し、だれもが普通にそれを受け止めるようになること。
これなくして、福祉はありえない。どんな制度や予算をつけても、それは「福施」でしかないし、それは人間の誇りを打ち砕き、誇りを捨てない人たちは施しを受けることすらできない。
解決不可能な課題ではないはずだ。
たとえば、保育所に子どもを預けると、ちょっと昔だったら「かわいそうにねえ」と露骨に哀れみをうけたものだ。
今でも差別的な目はあるけれども、それでも一昔前に比べれば隔世の感がある。
もう一押し政治の力があれば、保育所差別は一握りのカチカチ頭のものになるだろう。
生活保護やその他の福祉についても、社会全体で福施から福祉へ転換するという課題。
政治を語り、政権を目指すものは、この課題から目を背けてはいけない。
それが「命のナショナルミニマム」の核心なのだから。
■■お知らせ■■
ストップ!TPP緊急行動 御堂筋大パレード
10月29日(土)
14:00~集会 15:15~パレード出発
靱公園・東園
(地下鉄「本町」28出口徒歩約5分)
http://loco.yahoo.co.jp/place/g-ErLFmcAX2hc/map/
主催:ストップ!TPP緊急行動・関西
連絡:[email protected]
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女子マラソンというボケはなしにすれば、困った人が役所に助けてもらう、みたいなイメージではないだろうか。
幸せいっぱいの笑顔を思い浮かべる人は、あまりいないと思う。
「フクシ」は福を施してもらう「福施」、だと感じている。
しかし、お分かりのように「フクシ」は「福祉」と書く。
この「祉」という字は、幸せという意味なのだそうだ。つまり、福祉=幸福 なのである。実は。
福祉というのは、施してもらうのではなく、もともとある幸せのことなのだ。
そして、政治の場面での福祉とは、もともとある幸せを保障する ということ。
もともとある幸せ だけを保障するんだったら、もとから幸せじゃない人はどうなる?
これは、話が反対だ。
もともと「誰もが幸せ」というのが福祉の前提で、いま幸せじゃない人はそれが壊れちゃった人だから、元に戻しましょうというのが、福祉。
これを、条文にしたのが、あの憲法25条の、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」 ってやつだ。
■
なんだけど、今私たちが直面している福祉は、こんなものじゃない。
まさに、「福施」として、お役人が年寄りや障がい者や貧乏人に施しをするみたいなことになってしまっている。
その感覚は、この社会の隅々まであまねく行き渡っていて、福祉を受けるのは申し訳ない、福祉を受けるのは恥ずかしい、福祉を受けるのは他人に迷惑、と、受ける側も施す側も関係ない傍観者も、固く固く信じている。
それを、端的に見せてくれたのがこのレポートだ
売春に走る”最貧困シングルマザー”たちはなぜ生活保護を受けないのか!?
2015.1.28 リテラ
政治が保障するべき「命のナショナルミニマム」は、単に生活保護の制度や金額ではなく、「福施」を「福祉」にひっくり返すことなんだ。
もちろん働ける人は働くべきだと思うし、ごく一部とはいえ生活保護受給してベンツ乗り回すのはアカンと思う。
しかし、そうした規範ちゃんと効かすためにも、まずは福祉を「あたりまえ」のものに転換する必要がある。
正々堂々、ニコニコしながら生活保護を受給し、だれもが普通にそれを受け止めるようになること。
これなくして、福祉はありえない。どんな制度や予算をつけても、それは「福施」でしかないし、それは人間の誇りを打ち砕き、誇りを捨てない人たちは施しを受けることすらできない。
解決不可能な課題ではないはずだ。
たとえば、保育所に子どもを預けると、ちょっと昔だったら「かわいそうにねえ」と露骨に哀れみをうけたものだ。
今でも差別的な目はあるけれども、それでも一昔前に比べれば隔世の感がある。
もう一押し政治の力があれば、保育所差別は一握りのカチカチ頭のものになるだろう。
生活保護やその他の福祉についても、社会全体で福施から福祉へ転換するという課題。
政治を語り、政権を目指すものは、この課題から目を背けてはいけない。
それが「命のナショナルミニマム」の核心なのだから。
■■お知らせ■■
ストップ!TPP緊急行動 御堂筋大パレード
10月29日(土)
14:00~集会 15:15~パレード出発
靱公園・東園
(地下鉄「本町」28出口徒歩約5分)
http://loco.yahoo.co.jp/place/g-ErLFmcAX2hc/map/
主催:ストップ!TPP緊急行動・関西
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