▶特にオススメな本一覧
※ 広告収益リンクも置いています

科学な本のご紹介: 奥義の書『チョコレートはなぜ美味しいのか』

科学に佇む書斎



チョコレートはなぜ美味しいのか 📖 
年間拝読ベスト入り!
チョコレートの科学というよりは、これは「食品における油脂の結晶を探求する科学」。
極上のチョコレートと、バレンタインに手作りしちゃうチョコレートの「口どけの心地よさの差」はなぜ生じるのか。
高級チョコを素人が溶かして作るチョコは全然高級じゃなくなっちゃうわけがここにある!

科学の本「飲むチョコレート」はアステカ帝国でもつくっていましたから現地でできますが、問題は「食べるチョコレート」。カカオの産地である熱帯雨林地方は気温が高いため、ココアバターが固まらないのです。

科学の本食品科学は「複雑系のサイエンス」ということになるでしょう。これだけ多成分の物質を扱いながら、そこにあるはずの法則性を探る科学は、いわば「究極の複雑系」なのです。

科学の本マヨネーズを油水分離させるのは難しいことではありません。冷凍庫にひと晩入れて、凍らせるだけ。いったん凍ったマヨネーズは、解凍すると油と水に分離するのです。

科学の本カカオの原産地であるメソアメリカ地域(メキシコおよび中央アメリカ北西部)で「苦い水=チョコレート」かつくられるようになったのは、いまからおよそ4000年前、紀元前2000年ぐらいのことです。
 当時のメソアメリカには、カカオはあっても砂糖はありません。彼らは唐辛子などのスパイスをチョコレートに入れて飲んでいました。




チョコレートはなぜ美味しいのか (集英社新書)


『チョコレートはなぜ美味しいのか』
 上野聡
 集英社新書
 


甘くない。
チョコやマヨネーズをはじめとする油脂含有食品を製造販売する企業にとって、食品油脂の性質の把握は死活問題なわけで、そこはもう企業秘密のベールが厚〜いストイックな世界。
著者さんは「食品に含まれるさまざまな油脂の変化と性質」を探っている研究者さんなんだけど、その探求の仕方がハンパない。
テンパリングの代わりに超電導磁石や超音波をふるまっちゃう上に、フォトンファクトリーやSpring-8など、ガチの高エネルギー放射光施設を用いてチョコレートの結晶構造分析しちゃうという、もう世界最先端の勢い。

食品科学の分野は、工業製品類とは違って、混じりこむ成分が複雑多岐にワヤクチャな世界。ふつうの純粋な結晶化学とはまた一味違うわけで、複雑系の迷路世界を工夫をこらして推し進む醍醐味が味わえます。


電子書籍版もあります ↓

→『ミニ特集:食べ物や栄養の本 その1』
→『ミニ特集:食べ物や栄養の本 その2』
→『ミニ特集:食べ物や栄養の本 その3』
→『ミニ特集:食べ物や栄養の本 その4』
 




 No.2016,0113
ネットで拾えるのはちょびっとの情報だけ 
本にはもっともっとたくさんの情報がならんでるよ!
極上の読書体験を
2010年開始。
特筆すべき書籍の内容について紹介したツイートの控えになります。

連絡窓口:メッセージ入力欄

表示の不具合や、修正すべき件がありましたら、お知らせいただけますと助かります。

メニュー

科学の本 読書に便利なリンク集
┗ 図書館ネットや
  安い古書情報




💼 楽天トラベル ✈



 ・ ・ ・ 

▶ Amazon 本・書籍 売り場