「アルセーヌ・ルパン」贋作・パスティーシュ

アルセーヌ・リュパンのパスティーシュリスト。並び順は名前の読み順に従い、翻訳作品は日本語作品の後ろにまとめた。中にはパスティーシュと指摘すること即ネタバレとなってしまう作品もあるがご寛恕願いたし。分類は変動の可能性あり。 (最終更新日:2013/10/09) 内容によって分類し、作品名の後に記号を記した。分類は以下のとおり。  【A】パスティーシュであることが明白であるもの  【B】登場がサプライズであるもの。または、明示してはいないが関係が仄見えるもの(本人が登場しない作品も含む)  【C】関係性が薄いもの。または、パロディ  【X】翻案。翻訳の黎明期における翻案というよりむしろパスティーシュに近いもの。キャラクターを借りたもの  【Y】換骨奪胎。または、趣向やトリックに影響が見られるもの
芦辺拓
「真説ルパン対ホームズ」 【A】
『真説ルパン対ホームズ』原書房、2000年(単行本)
『真説ルパン対ホームズ』創元推理文庫、2005年
『大公女殿下(プリンセス)に捧げる密室』 【B】
祥伝社、2012年
井上宗和
「ルパン残影、フォル・ラ・ラッテ城の秘密」 【A】
名探偵読本7「怪盗ルパン」榊原晃三編、パシフィカ、1979年
伊吹秀明
『シャーロック・ホームズの決闘』 【B】
幻冬舎、1997年(単行本)
※第五話「養蜂場の決闘」
内田康夫
『浅見光彦 豪華客船「飛鳥」の名推理』 【X】
集英社文庫、2001年
※第一章 飛鳥 秋の連休 四国一周クルーズ 内田康夫のミステリークルーズ
江戸川乱歩
『黄金仮面』 【B】
雑誌「キング」1930年9月号-1931年10月号(初出)
春陽堂・江戸川乱歩文庫、1987年
大坪千秋
「ジェシー・コリア編『名探偵の骨と肉』」 【B】
透明な空き箱第16回、「ミステリマガジン」2000年7月号
大森起雄
「ルパン対ホームズ 後日の決戦」 【A】
雑誌「新青年」1927年6号
『新青年』第8巻(昭和2年)合本3、本の友社、1993年(復刻版)
海渡英祐
「消えた名画 リュパン対まぼろしの怪盗」 【A】
雑誌「BRUTUS」1982年12月15日-1983年1月15日
北杜夫
『怪盗ジバコ』 【B】
雑誌「オール読物」1965年3月号から1967年2月号にかけて掲載(初出)
文春文庫、1974年
霧島四郎
「ルパンと九官鳥」 【C】
雑誌「新青年」1948年2号
『新青年』第29巻(昭和23年)合本1、本の友社、2003年(復刻版)
鯨統一郎
『月に吠えろ! 萩原朔太郎の事件簿』 【B】
徳間書店、2003年(単行本)
徳間文庫、2006年
※第七話「謎の英国人」
『パラドックス学園 開かれた密室』 【C】
光文社カッパ・ノベルス、2006年
久米正雄
『冷火』 【B】
新聞「時事新報」1924年1月1日-6月3日
『久米正雄全集』第3巻、本の友社、1993年復刻版
甲賀三郎
「アルセエヌ・ルパン」 【A】
雑誌「モダン日本」1933年11月号
斎藤肇
「青い絹のスカーフ」 【A】
副題:ルパンの事前、芦辺拓編『贋作館事件』原書房、1999年(「贋作家事件」の一作)
篠田真由美
『王国は星空の下』 【Y】
北斗学園七不思議1、理論社ミステリーYA!、2007年(書き下ろし)
柴田錬三郎
「日本ルパン」 【X】
雑誌「オール小説」1949年5月号
『怪人黒マント』 【X】
偕成社、1950年
※後に『怪盗紳士』と改題(偕成社、1968年)
島田一男
「ルパン就縛」 【A】
雑誌「宝石」1953年12月号(初出)
『古墳殺人事件』扶桑社文庫、2002年(「贋作M・ルブラン ルパン就縛」)
砂田弘
『東京のサンタクロース』 【X】
理論社創作少年文庫、1961年
瀬名秀明
『大空のドロテ』 【A】
雑誌「小説推理」2002年8月号-2004年2月号
『大空のドロテ』全3巻、双葉社、2012年(以下続刊)
田中啓文
「mとd」 【A】
「ミステリーズ! 53」2012年6月
『シャーロック・ホームズたちの冒険』東京創元社、2013年(単行本)
玉川一郎
「ある夜の出来事」 【C】
副題:我もしルパンなりせば、雑誌「宝石」1951年1月号
都筑道夫
「ルパンもどき」 【C】
雑誌「オール読物」(初出)
『名探偵もどき』文藝春秋、1980年(単行本)
『名探偵もどき』文春文庫、1983年
寺山修司
「大怪盗ルパン」 【C】
『ふしあわせという名の猫』新書館フォアレディース・シリーズ、1970年
『時には母のない子のように』寺山修司青春作品集5、新書館、1984年
灘千造
「怪盗ルパン」 【A】
雑誌「新評」臨時増刊ALEDA「泥棒の本」、1974年5月
二階堂黎人
「ルパンの慈善」 【A】
芦辺拓編『贋作館事件』原書房、1999年
『名探偵の肖像』講談社文庫、2002年
『カーの復讐』 【A】
講談社ミステリーランド、2005年(書き下ろし)
講談社文庫、2010年
西村京太郎
『名探偵が多すぎる』 【C】
講談社、1972年(書き下ろし)
講談社文庫、1980年
※「813(5)」のネタバレあり
保篠龍緒
「青い型録」 【A】
雑誌「新青年」1920年8号-10号
『新青年』第1巻(大正9年)合本4、本の友社、2001年(復刻版)
『新青年』第1巻(大正9年)合本5、本の友社、2001年(復刻版)
「空中の防御」 【A】
雑誌「新青年」1920年11号-12号
『新青年』第1巻(大正9年)合本6、本の友社、2001年(復刻版)
『妖怪無電』 【X】
『日本探偵小説集』第8巻、保篠龍緒集、改造社、1929年
「侠盗龍伯」 【X】
雑誌「講談雑誌」1930年11月号-1931年1月号(題は「龍鬼大盗伝」)
『現代大衆文学全集』続18巻、新選探偵小説集(保篠龍緒集、横溝正史集、浜尾四郎集)、平凡社、1932年
前田曙山
「怪盗亜留須」 【Y】
角書に「海上探偵」。雑誌「娯楽世界」1925年1月号(13巻1号)
『黒髪夜叉』 【Y】
新作社、1926年(大正15)
松居松葉
「夜半の声」 【Y】
『悪人手形帳』玄文社、1919年
三津木春影
「船室の時計」 【Y】
雑誌「日本少年」1913年06月号
『黄金の指輪』岡村盛花堂、1914年
「床下の骸骨」 【Y】
『海底の石牢』中興館書店、1914年
「船中の間諜」 【Y】
雑誌「少年倶楽部」1914年11月号-12月号(少年探偵 船中の間諜)
『噴火島博士』中興館書店、1915年
南洋一郎
「蒙古王の宝冠」 【A】
「冒険少年」1948年10月増刊号
※「蒙古王の秘宝」(ルパン未登場。「少年倶楽部」1930年1-3月号)の改作
「怪盗ルパンと佐久良探偵」 【A】
『洞窟の魔人』ポプラ社、1956年
※「蒙古王の宝冠」の改作
『ピラミッドの秘密』 【A】
ポプラ社、1961年
「女賊とルパン」 【A】
『ルパンと殺人魔』ポプラ社、1979年
森瀬繚
「朱紅きプレリュード」 【A】
『黄雷のガクトゥーン ノベルアンソロジー』ライアーソフト、2013年(画・文倉十)
矢作俊彦
『悲劇週間 SEMANA TRAGICA』 【B】
雑誌「新潮」2005年1月号-10月号(初出)
文藝春秋社、2005年(単行本)
文春文庫、2008年
「月下の鉤十字」 【A】
'雑誌「すばる」2010年5月号-2011年2月号(中断)
山田風太郎
「司祭館の殺人」 【B】
雑誌「世界春秋」1950年3月号(初出)
『奇想ミステリ集』講談社文庫・大衆文学館、1997年
『眼中の悪魔』山田風太郎ミステリー傑作選1、光文社文庫、2001年
山本周五郎
「猫眼石殺人事件」 【X】
雑誌「少年少女譚海」1937年1月号-4月号(初出)
山本周五郎探偵小説全集2『シャーロック・ホームズ異聞』末國善己編、作品社、2007年
横溝正史
「ルパン大盗伝」 【A】
雑誌「講談雑誌」1929年8月-11月号(初出)
『横溝正史探偵小説選 1』論創社・論創ミステリ叢書、2008年
「殺人暦」 【A】
雑誌「講談雑誌」1930年11月号-1931年3月号、5月号(初出)
『殺人暦』角川文庫、1978年
『殺人暦』春陽堂文庫、1995年
「海底水晶宮」 【A】
雑誌「少年少女譚海」1932年8月号-1933年4月号(初出)
『横溝正史探偵小説選 1』論創社・論創ミステリ叢書、2008年
「九時の女」 【Y】
雑誌「オール読物」1933年3月(初出)
『殺人暦』角川文庫、1978年
「半分鶴之助」 【Y】
『人形佐七捕物百話』第2巻、八紘社杉山書店、1942年
『鼓狂言』春陽文庫・人形佐七捕物帳全集11、1984年
キャロリン・ウェルズ(Carolyn Wells)
「犯罪者捕獲法奇譚」(Sure Way to Catch Every Criminal. Ha! Ha!) 【C】
1912年発表
A.A.ミルンほか著、北原尚彦編訳『シャーロック・ホームズの栄冠』論創社、2007年
「洗濯ひもの冒険」(The Adventure of the Clothes-Line) 【C】
1915年発表
エラリイ・クイーン編『シャーロック・ホームズの災難[上]」』中川裕朗・乾信一郎訳、ハヤカワ文庫、1984年(中川裕朗訳)
トーマ・ナルスジャック(Thomas Narcejac)
「ルパンの発狂」(L'affaire Oliveira) 【A】
『Confidences dans ma nuit』1946年(短編集)
『Usurpation d'identite』1955年(『贋作展覧会』の底本)
「日本版EQMM」1961年11月号
『贋作展覧会』ハヤカワポケットミステリ1069、稲葉明雄・北村良三訳、1983年(稲葉明雄訳)
※『贋作展覧会』の扉ページの「Oliveila」は誤植
エルヴェ・ド・ペルアン(Herve de Peslouan)
「鐘楼の鳩」(La Colombe Burgonde) 【B】
雑誌「Lectures pour tous」1931年2月号
雑誌「宝石」1955年4月号(保篠龍緒訳。原作者の表記は「モーリス・ルブラン」)
アーサー・ポージス(Arthur Porges)
「八一三号車室にて」(In Compartment 813) 【B】
雑誌「HQMM」1966年6月号発表
雑誌「ミステリマガジン」1980年3月号(水野谷とおる訳「813号車室にて」)
『八一三号車室にて』森英俊編、論創社、2008年(森英俊訳)
ボワロー=ナルスジャック(Boileau-Narcejac)
『ウネルヴィル城館の秘密』(Le secret d'Eunerville) 【A】
榊原晃三訳、新潮文庫、1974年(アルセーヌ・ルパン名義)
『バルカンの火薬庫』(La poudriere) 【A】
榊原晃三訳、新潮文庫、1975年(アルセーヌ・ルパン名義)
『アルセーヌ・ルパンの第二の顔』(Le second visage d'Arsene Lupin) 【A】
榊原晃三訳、新潮文庫、1975年(アルセーヌ・ルパン名義)
『ルパン、100億フランの炎』(La justice d'Arsene Lupin) 【A】
谷亀利一訳、サンリオ、1977年(単行本)
(Le serment d'Arsene Lupin) 【A】
抄訳のみ。南洋一郎『ルパンと殺人魔』ポプラ社、1979年
「罠にかかったアルセーヌ・ルパン」(Arsene Lupin dans la gueule du loup) 【A】
雑誌「ミステリマガジン」2005年11月号(高野優訳)
ハンヌ・ライアニエミ(Hannu Rajaniemi)
『量子怪盗』(The Quantum Thief) 【A】
酒井昭伸訳、新ハヤカワ・SF・シリーズ、2012年

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