エロゲ業界の通例として、ロットアップした作品は手に入りにくいもの。
話題になった割りに出荷本数が少ないものほど、入手難易度は高くなります。
DLsite.com様には商業美少女ゲーム/アニメ作品が1924あります。中にはアニメ作品、DL販売のみの作品もあると考えるとパッケージ版からDL版へと至った作品はもっと減るでしょう。ソフ倫通過済みソフト総合ランキングのTOP100の中でパッケージ版からDL販売へと移行したソフトは55本ありました。ランキングのパッケージ版→DL販売率である55%。これを全体の割合として(強引に)考えると、1924本の内パッケージ版→DL販売となったソフトは1058本しかないことになります。August Dojin Data Baseさんのデータを参考にすると07年までに発売されたエロゲソフトの総数は6584です。ということはDL販売されているソフトは2割もないのです。(※他にもDL販売サイトはありますが、規模の大きさ等を考慮してDLsite.comさんのデータのみを元に検証しております)
コストはというとDLsite.com様の同人向け規約によると「販売価格3100円からは販売手数料30%」で、掲載料等は掛からない模様です。メロンブックスでは一律30%と、こちらもほぼ同じですね。企業からはもっとお金を取るのかもしれませんが、そんなに大きな損失は無いように見受けられます。
DL販売はユーザにとっては嬉しいもの。ロットアップされていれば尚のことです。では企業は何故それを積極的に行わないのでしょうか。理由を考えてみます。
1.需要が無い
TOP100の中にメジャーと思えるようなタイトルは数本しかありませんでした(91位:家族計画~追憶~/69位:そらのいろ、みずいろ等)。アトリエかぐやの作品でさえ、TOP100には1本しかありませんでした。ここから分かることは「パッケージ版で充分売れたソフトはDL版はあまり買い求められていない」ということだと思います。初動が命のエロゲ業界ですから、興味を持つようなユーザは既にパッケージ版を持っていると考えられます。先日引退宣言で騒がれた瀬戸口廉也氏が手がけた『CARNIVAL』は224ptsで、300位以内にも入っていません。300位が281ptsですから、恐らく400位前後だと思われます。(ちなみに1位は2962pts)Getchu.com2004美少女ゲームシナリオ部門16位に入った作品で、中古買取では高騰が見られる作品ですらこの順位です。ほんの一部が加熱しているだけであって、需要は無いと言ってもいいのかもしれません。
2.販売店に嫌がられる
ロットアップした作品でも、中古販売で手に入る場合があります。大手エロゲ流通であるソフマップ等でも中古販売は行われており、DL販売が盛んになれば中古市場は衰退して行ってしまうかも知れません。そうなると大手流通は面白くないでしょう。またDL販売では流通に全くお金が入らないのもネックです。ソフトハウスは流通に頭が上がらない、なんて話もよく聞くので、そういった理由もあるのかもしれません。
3.リニューアルパッケージ版として売ったほうが利益になる(再販を含む)
憶測に過ぎませんが、DL販売で得られる利益はパッケージ版として売った場合より少ないものでしょう。それならば、需要が高まったタイミングを見計らってリニューアルパッケージ版として売った方が利益が出る。流通にもお金が入って業界が潤う良い方法かもしれません。
4.面倒である
私はソフトウェア開発やらなんやらに詳しくないので分かりませんが、DL版として売るためにあれやこれやに手を回すのが面倒であるという可能性。大抵のソフトハウスは経営が苦しいと聞きますし、次から次へとソフトを開発し続ければならないでしょう。そして恐らく、新作一本作った方が遥かに利益は得られる。そんな状況でロットアップした作品をもう一度売り出そうとするでしょうか。甚だ疑問です。
なんだか考えていて暗い気持ちになってきました。私は『SWAN SONG』をどうしてもPlayしたい口なので、できるならDL版をと熱望している身でもあります。沈んでいても仕方が無いので、次はDL販売を行うメリット等を考えてみましょう。
1.新しいユーザを得られる
私のように新参のエロゲーマーにとっては新規の怪しいソフトよりは昔の人気ソフトの方が眩しいこともあります。そういった層に安価で名作を提供することで、ソフトハウスは新たなファン層を掴むことが出来るかもしれません。また、実際にソフトを買うのはちょっと……というような人も手軽に購入できることから、幅広くユーザを集められるかもしれません。
2.ユーザの好感度があがる
中古高騰でひーひー言っているような状態で再販、DL販売に踏み切ればユーザの高感度は上がるんじゃないでしょうか。エロゲ業界はユーザと企業の距離が近いように思うので、ユーザの声をしっかり聞いて反映なりしてくれるところは個人的に好感が持てます。
私が思いつくメリットはこのくらいです……。やはりデメリットの方が大きく、DL販売に踏み切って欲しいというユーザの願いはちょっと横暴なのかもしれません。パッケージ版での再販も、どの程度需要があるのかを見誤れば損失になってしまいます。そう考えるとやはりソフトとの出会いは一期一会。ロットアップしたソフトと出会うのは難しいままなのかもしれません。
話題になった割りに出荷本数が少ないものほど、入手難易度は高くなります。
DLsite.com様には商業美少女ゲーム/アニメ作品が1924あります。中にはアニメ作品、DL販売のみの作品もあると考えるとパッケージ版からDL版へと至った作品はもっと減るでしょう。ソフ倫通過済みソフト総合ランキングのTOP100の中でパッケージ版からDL販売へと移行したソフトは55本ありました。ランキングのパッケージ版→DL販売率である55%。これを全体の割合として(強引に)考えると、1924本の内パッケージ版→DL販売となったソフトは1058本しかないことになります。August Dojin Data Baseさんのデータを参考にすると07年までに発売されたエロゲソフトの総数は6584です。ということはDL販売されているソフトは2割もないのです。(※他にもDL販売サイトはありますが、規模の大きさ等を考慮してDLsite.comさんのデータのみを元に検証しております)
コストはというとDLsite.com様の同人向け規約によると「販売価格3100円からは販売手数料30%」で、掲載料等は掛からない模様です。メロンブックスでは一律30%と、こちらもほぼ同じですね。企業からはもっとお金を取るのかもしれませんが、そんなに大きな損失は無いように見受けられます。
DL販売はユーザにとっては嬉しいもの。ロットアップされていれば尚のことです。では企業は何故それを積極的に行わないのでしょうか。理由を考えてみます。
1.需要が無い
TOP100の中にメジャーと思えるようなタイトルは数本しかありませんでした(91位:家族計画~追憶~/69位:そらのいろ、みずいろ等)。アトリエかぐやの作品でさえ、TOP100には1本しかありませんでした。ここから分かることは「パッケージ版で充分売れたソフトはDL版はあまり買い求められていない」ということだと思います。初動が命のエロゲ業界ですから、興味を持つようなユーザは既にパッケージ版を持っていると考えられます。先日引退宣言で騒がれた瀬戸口廉也氏が手がけた『CARNIVAL』は224ptsで、300位以内にも入っていません。300位が281ptsですから、恐らく400位前後だと思われます。(ちなみに1位は2962pts)Getchu.com2004美少女ゲームシナリオ部門16位に入った作品で、中古買取では高騰が見られる作品ですらこの順位です。ほんの一部が加熱しているだけであって、需要は無いと言ってもいいのかもしれません。
2.販売店に嫌がられる
ロットアップした作品でも、中古販売で手に入る場合があります。大手エロゲ流通であるソフマップ等でも中古販売は行われており、DL販売が盛んになれば中古市場は衰退して行ってしまうかも知れません。そうなると大手流通は面白くないでしょう。またDL販売では流通に全くお金が入らないのもネックです。ソフトハウスは流通に頭が上がらない、なんて話もよく聞くので、そういった理由もあるのかもしれません。
3.リニューアルパッケージ版として売ったほうが利益になる(再販を含む)
憶測に過ぎませんが、DL販売で得られる利益はパッケージ版として売った場合より少ないものでしょう。それならば、需要が高まったタイミングを見計らってリニューアルパッケージ版として売った方が利益が出る。流通にもお金が入って業界が潤う良い方法かもしれません。
4.面倒である
私はソフトウェア開発やらなんやらに詳しくないので分かりませんが、DL版として売るためにあれやこれやに手を回すのが面倒であるという可能性。大抵のソフトハウスは経営が苦しいと聞きますし、次から次へとソフトを開発し続ければならないでしょう。そして恐らく、新作一本作った方が遥かに利益は得られる。そんな状況でロットアップした作品をもう一度売り出そうとするでしょうか。甚だ疑問です。
なんだか考えていて暗い気持ちになってきました。私は『SWAN SONG』をどうしてもPlayしたい口なので、できるならDL版をと熱望している身でもあります。沈んでいても仕方が無いので、次はDL販売を行うメリット等を考えてみましょう。
1.新しいユーザを得られる
私のように新参のエロゲーマーにとっては新規の怪しいソフトよりは昔の人気ソフトの方が眩しいこともあります。そういった層に安価で名作を提供することで、ソフトハウスは新たなファン層を掴むことが出来るかもしれません。また、実際にソフトを買うのはちょっと……というような人も手軽に購入できることから、幅広くユーザを集められるかもしれません。
2.ユーザの好感度があがる
中古高騰でひーひー言っているような状態で再販、DL販売に踏み切ればユーザの高感度は上がるんじゃないでしょうか。エロゲ業界はユーザと企業の距離が近いように思うので、ユーザの声をしっかり聞いて反映なりしてくれるところは個人的に好感が持てます。
私が思いつくメリットはこのくらいです……。やはりデメリットの方が大きく、DL販売に踏み切って欲しいというユーザの願いはちょっと横暴なのかもしれません。パッケージ版での再販も、どの程度需要があるのかを見誤れば損失になってしまいます。そう考えるとやはりソフトとの出会いは一期一会。ロットアップしたソフトと出会うのは難しいままなのかもしれません。