Tom Petty & the Heartbreakers, "The Last DJ" (2002)
最後のDJが去って行く
かけたい曲をかけ
言いたいことを言うDJが
選択の自由が去って行く
最後の人間の声が去って行く
最後のDJが去って行く
There goes the last DJ
Who plays what he wants to play
And says what he wants to say, hey hey hey...
And there goes your freedom of choice
There goes the last human voice
There goes the last DJ
昔気質のDJの歌。語り手はリスナーだ。
曲が発表されたのが2002年なので、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ後のラジオ界について歌っているものと思われる。
かけたい曲をかけ、言いたいことを言うDJは、経営陣にとって目の上のタンコブだ。
あいつを会社の言いなりになんかできない
売女にしようとしても無理だ
上にいる小僧たちはどうせ解りはしない
お偉方たちはあいつの饒舌さを良しとしない
Well you can't turn him into a company man
You can't turn him into a whore
And the boys upstairs just don't understand anymore
Well the top brass don't like him talking so much
歌詞から察するに、DJよりも経営陣のほうがはるかに若いようだ。
リスナーには、経営陣の思惑はこう見える。
オレたちはそこそこの暮らしで満足しているのに
上の小僧たちは確かめたがっている
昔タダだったものがいくらで売れるのかを
As we celebrate mediocrity
all the boys upstairs want to see
How much you'll pay for what you used to get for free
現代的だわね。
結局、そのDJはどうなったかというと、
それで彼ははるかメキシコのラジオ局でDJになった
たまには電波が入るかもしれない
そしたらオレは、小おどりして、昔のことを想い出すだろう
Well he got him a station down in Mexico
And sometimes it'll kind of come in
And I'll bust a move and remember how it was back then
ここからは私の勝手な考えだけれど、この曲は、去っていったDJのことをリスナーはちゃんと憶えているという曲と解釈することも出来る。
一時的な逆風に踵を返して迎合するよりも、信念に従って、最後のひとりになっても、かけたい曲をかけ、言いたいことを言う。そんなDJのほうが絶対にカッコいいと思う。
リスナーはちゃんと憶えている。
日本のラジオはどうですかね?
"The SImpsons" にも出演。
Season 14 Episode 2, "How I Spent My Strummer Vacation"
※関連リンク:
○ラジオな一曲(51):榎本健一「これが自由というものか」(1954年)(当ブログ内)
○1150 KRKD: THE TOWER SURVIVES!(socalradiohistory.com内、英語)
PVに出て来るラジオの送信鉄塔に関するページ
KRKDは、1932〜1970年にかけてロサンゼルス広域圏向けに放送していたAMラジオ局。様ざまな変遷を経て、現在は、クリア・チャンネル(Clear Channel Communications)傘下のKEIB "The Patriot"。
○Radio.com にアクセスしてみた。(当ブログ内)
※アメリカのラジオネットワークについての概説。ただし、情報は少し古いです。
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