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爆笑問題の日曜サンデー(TBSラジオ、2008年7月13日(日)13:00-17:00)

○「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ、2008年7月13日(日)13:00-17:00)

「27人の証言」のコーナーのテーマは石ノ森章太郎だった

私は石ノ森作品そのものにはそれほど親しんでいなかったが、小学校の図書館にあった『マンガ家入門』『ボクはダ・ヴィンチになりたかった』を何度も借りて読んでいた。特に後者に病的に夢中だった。当時は、漫画家になりたいという気持ちも少なからずあったりしたので、どうすれば漫画が描けるのか、漫画家は何を考えているのかに興味をもっていたのだった。

番組で『サイボーグ009』の話が出たときに、太田光が、石ノ森SF作品の背後には

アーサー C. クラーク『幼年期の終わり』, Childhood's End (1953)

セオドア・スタージョン『人間以上』, More than Human (1956)

アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ』, Tiger, Tiger (1956)

などのSF小説の影響があると語っていた。確かに、石ノ森SFは手塚SFとは若干毛色が異なるとは思っていたけれども、そういう水路があったのかと感心。石ノ森は本や映画等、漫画以外の作品に積極的に接していたという証言も紹介されていた。恥ずかしながら、『幼年期の終わり』以外は初耳。

私は、こういう話がけっこう好きで、この番組の大きな魅力のひとつだと思う。文学や演芸の歴史を少し遡りながら対象について語るという切り口は、「日曜サンデー」にはあって、「日曜日の秘密基地」になかった要素だと思う。太田の語りの中に見え隠れする知識には、昨今はやりの「雑学」というよりもむしろ「教養」に近い匂いがする。

「伊集院光 日曜日の秘密基地」が好きだったせいで、「日曜サンデー」が始まった当初は期待うすだったが、今では結構気に入って聴いている。悲しいけれども、去る者は、日々に疎し。

彼のおかげでカート・ヴォネガット Jr. の『タイタンの妖女』とも出会うことができた。本当にすばらしい作品で、貴重な読書体験となった。よって以来、レヴュアーとしての太田光には一目置いている。

放送終了後さっそく神保町へ。とりあえず羊頭書房『虎よ、虎よ』を購入。この店はけっこう好きだ。古書店は日曜日には閉めているところが多いので、三省堂→東京堂→書泉グランデと巡回。『幼年期の終わり』は今年に入って新版が出たようだ。長らく入手困難だった(と思う)ので、やっと日本語で読める。

太田の話を聴いたとき、『サイボーグ009』と、最近深夜にやっているアメリカン・ドラマ『HEROES』がピシっと頭の中でつながった。異能の持ち主だがひとりでは不完全な者たちの話という意味では、『HEROES』も上述のSFの流れの中のひとつだな、と思ったりもした。

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