東京都心の物件はまだまだ上がり続けている
マンション市場の動向をみると、首都圏の都心エリアの価格が格段に高く、上昇率も高い。郊外や地方などでは、価格上昇にストップがかかり、地域によっては下落傾向がみられるようになってきたが、都心はまだまだ上がり続けているのだ。
マンション情報の「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインドでは、都道府県別のマンション価格騰落率(変動率)をまとめているが、1年前との騰落率をみると、一都三県の平均は7.7%の上昇だが、上がっているのは東京23区が中心で、周辺の三県では下落しているエリアもみられるようになっている。
2024年10月のデータをみると、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)は31.0%も上がっているが、23区でも城東エリア(台東区、墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区)は上昇率が16.4%に下がり、城南(品川区、目黒区、大田区、世田谷区)は8.2%、城北(文京区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区)は5.2%、城西(中野区、杉並区、練馬区)は3.3%と一桁台の上昇にとどまっている。
都下や埼玉県、千葉県では下落傾向に
首都圏の周辺三県を見ると、神奈川県は1.2%の上昇だが、東京23区以外の都下になると、-3.4%と下落しており、埼玉県も-1.9%、千葉県も-3.2%となっている。
つまり、東京の都心はまだまだ大幅な上昇が続いているが、都心周辺では上昇率が鈍化し、その外側の都下や埼玉県、千葉県では下落が始まっているわけで、エリアによる優勝劣敗が明確になりつつある。
それだけに、資産価値の維持・向上を期待するなら、できれば都心のマンションを手に入れたいものだが、価格が高すぎて、平均的な会社員では簡単に買えそうもない。都心5区の70m2換算価格は1億2463万円で、都心5区に次いで上昇率が高い城東エリアは6135万円となっている。
それに対して、埼玉県の70m2換算価格は2734万円で、千葉県は2438万円になっていて、これなら何とか手が届きそうだが、残念ながらいずれも価格の下落が始まっていて、資産価値の向上は期待しにくいのが現実だ。