生涯教育(CE)

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2024/02/24

第209回コラム「グループインタビューにおけるアイスブレイク・チームビルディングの活用例」

岩澤 真紀子

 私の勤務先の大学では、毎年、提携している海外の大学から留学生を日本に招き、「国際チーム医療演習」を行っている。薬学部だけではなく、医学部、看護部、医療衛星学部など、医療系学部が協力して進行しており、各学部の担当委員が役割分担をしている。私は今回、オリエンテーションでの演習概要とアイスブレイクセッションの進行を担当することになっている。留学生を交えてのアイスブレイクセッションを担当するのは初めての経験で、アイスブレイクに適したゲームを調査している最中に、米国のレジデンシーインタビュー試験でのグループインタビューを思い出した。

 レジデンシーのインタビューでは、異なるプログラムで行われる様々な試験の中で、「アイスブレイク・チームビルディング」を活用したグループインタビューがあった。この試験は、面接日当日に複数の志願者がグループで面接を行う面接形式である。典型的な複数の面接官によるパネルインタビューとは異なり、事前準備ができないため、私にとっては最も難易度が高く失敗した試験の一つだった。このプログラムでは、グループインタビューに加えて、その場でエッセイを書く試験やパネル形式のインタビューも行われ、全てが1日で終了した。受験者からどれだけ優秀な人材かを見つけ出すための工夫がなされていた試験であり、インタビュー側の意欲を感じる試験でもあった。

 最初の試験では、志願者がお互いに自己紹介をし、10人ほどいる面接官の前で10分間の他己紹介を行った。次の試験では、くじ引きで選んだ質問に即座に答える形式で、とっさの起点やプレゼンテーション力が試された。これらの試験は、一般的なアイスブレイクの手法でもある。

 グループインタビューの最後には、グループプロジェクトが行われた。志願者は2つのチームに分かれ、5つの紙皿、5つの紙コップ、紐、テープを用いて、どちらのチームがより高い塔を作れるかを競った。チームの中でのリーダーシップや計画力が審査され、限られた時間内で面白いプロジェクトが展開された。

 同様のゲームには「マシュマロチャレンジ」や「ペーパータワー」がある。特に「マシュマロチャレンジ」は、チームビルディングの手法として広く知られており、社内研修などでも活用されている。日本では「日本マシュマロチャレンジ協会」が設立され、普及活動が行われている (http://www.marshmallow-challenge-japan.org/)。このゲームは、パスタ、テープ、ひも、マシュマロを使用して自立可能なタワーを作り、最も高いタワーを作ったチームが優勝する。TEDでのトム・ウージェック(Tom WUJEChttps://www.tomwujec.com/)による「Build a tower, build a team」というスピーチでは、このマシュマロチャレンジに関する興味深い研究結果が紹介されている。

 今回の調査を通じて、アイスブレイクやチームビルディングの手法は多岐にわたることがわかった。このコラムでは一部しか紹介できなかったが、今後の機会に実際に選択したゲームや振り返りについて共有できればと思う。 

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