すたんど　ばい　ＭＥ

透析室で死に目に会うことはあまりない。本当に悪くなると病棟に行くので急変以外でそうなることはほとんどないのだ。今回はたまたまそういうことになって、お見送りをする羽目になった。決して迷惑ではないのだが、例えそうでない状況であっても、神妙な面持ちを強いられるため若干の緊張感があった。

当然家族は泣き崩れかける言葉が見つからない状況で、医療スタッフはひたすら神妙に深々と頭を下げる光景が延々と続く。

その時ポケットに入れた携帯が鳴った。胸騒ぎがするのには訳があった。とり急ぎその場を離れ携帯を取ると…

「父さん！通った、通った！合格や＼(^o^)／番号あった！（●＾o＾●）！やった！やった！」と超ハイテンションの息子からの言葉「おぉぉぉぉぉ～そぉかぁやったかぁ～(*´vﾟ*)ゞとりあえず行くところはできたな。おめでと～vｖ」

…とやり取りを済ませを切った。まぁ親としてもこの瞬間はかけがえのない喜びがある。取りあえず良かった。良かった。良かった。

………やばい

この精神状態でさっきの現場に戻れるのか。さっきまでうっすら涙顔でいたのにニヤけた笑顔が止まらない…。しかし、戻らない訳には行かない。しかし…こんなにうれしい状況で悲しい気持ちが作れるのか？？？？？………やばい・・・・・しかし、戻るしかいない・・・・。

なんとか表情を作り、無難にこなすことはできたものの、内心胸が躍りまくっていたのは、想像にた易いと思います。（俺は役者か？）こんなに短い時間で、クルクルと１８０度の気持ち切り替えを強いられたのは、人生で初めてです(￣◆￣；)。

なんと申しましょうか……もう少し時間的にズレてくれても良かったと思うのですが…

・・・神よ(￣Д￣；；