刹那的虹色世界

ガンダムビルドファイターズ　第9話
『想像の翼』

≪あらすじ≫
世界大会まであと二週間と少し。マオを始め世界クラスのビルダー・ファイターたちの戦いに触発されたセイはやる気を見せて店の工房にこもりっきりになるが、それを心配したセイの母・リン子はチナに電話を入れる。

一方、美術部の展覧会に顔を出していたチナは、何かと縁がある「キャロちゃん」こと矢島キャロラインと再会。因縁をふっかけられるように行って来るキャロラインだが、当のチナは何とも想っていない様子。おまけに展覧会はチナが、ガンプラのベアッガイをモチーフにした絵がキャロラインの金賞を上回る特賞を受賞したことで「ガンプラバトルをしましょう！」ということに。

一週間後の女子だけのガンプラバトル大会に出ることになったチナは、セイやレイジに教えを請い、当日を迎える。その頃キャロラインは、矢島家がスポンサーとなることに決めたガンプラ世界大会アメリカ代表ニルス・ニールセンにあることを頼み――


≪感想≫
とりあえず、1クール目までは想像力勝負になるかな、という感じ。早ければ1クール目の終わりには新型ビルドストライクも出てくるだろうし。

そうなると問題はその後かな、と思っている。前々から指摘しているようにガンプラバトルはすでに根底が崩れている。すでにその作品の完成度ではなく、プラフスキー粒子をより効果的に活用する機体の方が強く、武装の方が優れているからだ。例えどんなにガンプラに対して愛情と技術と操縦テクニックがあったとしても、プラフスキー粒子はその活用だけでそれらを超えてしまうかもしれないのだから。

とはいえ、ここにも限界があると思っている。

粒子の活用、というのはかなり用途が限られるはずだからである。例えば同じ脚本家の黒田さんが担当した『00』でもチート粒子のGN粒子が出てきたものの、GN粒子の存在自体がチート性を示せたのは1stの中盤までだ。GN粒子とその技術が普及するとそのアドバンテージは消えた。『00』ではその代わりのテコ入れとして、GN粒子による人類の革新――イノベイターの登場となったわけだ。

しかし、それと同じことをホビーアニメであるこの作品でやることは難しいだろう。そうなった時、テコ入れが出来るものがあるならば、それはレイジの正体にまつわるところか、あるいはプラフスキー粒子の活用を超える新粒子を出すか、それとも原点回帰と言わんばかりに再びガンプラの強さが粒子の活用ではなく再現度・完成度に左右されるように戻るか。

カギを握るのはセイの父ちゃんかな。RX-78で前回世界大会準優勝なら、あるいは父ちゃんは「プラフスキー粒子の活用？　ガンプラはそんなんじゃない！　愛だ！！」とか言ってくれそう（笑

本編は想っていた以上にベアッガイIIIが可愛かったw　いやチナも可愛かったけどね。っていうか、綿にプラフスキー粒子反応しねぇーだろうよ、どうなってんだwww　
まぁ、それはともかくベアッガイIIIのプラモが欲しくなってきた。私なら、白黒に塗るかなー。え？　パンダにはしないよ？　




さて、今回はMS講座ではなく語学講座w

余談だが劇中でセイが使っていた「（ガンプラ製作に）煮詰まっていたから」というのは誤用である。「煮詰まる」の漢字とちょっとした料理の知識があれば、そもそも「煮詰まる」わけだからそれは完成間近であることを示すことは道理なのだが、どうしても「行き詰まる」とゴッチャにしてしまう。

なのでセイが「ガンプラ製作に煮詰まる」というのは本来の意味で捉えれば「ガンプラ製作は完成間近だ」ということだ。しかし、そんなわけではないので本来ならセイは「ガンプラ製作に行き詰まる」と言わなくてはいけなかった。

ただこれの判断が難しいのがガンダムシリーズ。脚本家が書くことを本職にしながらそんなことも知らない無知なのか、あるいはガンダムシリーズの代表的な誤用「汚名挽回（「挽回」するのは「名誉」、「汚名」という要らぬモノは「返上」しないといけない）」のオマージュなのか……。