あそびにいくヨ! 第09話
『いだいなるさいしょのあしすとろいど』
≪簡易感想≫
個人的なポイントは二つでした。極力簡潔にまとめ。
一つは、ロボットは人型である必要性の有無。厳密にいえば、人と同じ程度の知性と言語能力の有無と言った方が正しいのだろうか。
ラウリィが口にしたように、そうしたものは人に対して恐怖心を与えてしまうものだ。だって、自分たちと同等の知能と言語能力があるならば、スペックとして高いであろうアシストロイド、つまりロボットの方が有能となる可能性が高まるから。
人は地球という星に関して言えば、その星の頂点に立ったと自分たちが住みよいように環境を変えてきた。いわば、支配者の立場だったのだが、ロボットの方が優れている上に知性まで持てるのならば、ロボットが自分たちにとって代わってこの星の頂点に立ち支配しようとしてもおかしくない。支配者だった人が、被支配者へと転落するその恐怖はやっぱりあるはずで、実際にそれを題材にしたアニメや映画も見受けられる。
もう一つは、歴史認識だろう。私のレビューに先立ってその観点で感想を書いた方がいらっしゃる。『妄想詩人の手記』のおパゲーヌスさんが私なんかよりももっと良い文章を書かれているので、興味を持った方がいらっしゃれば是非一度拝見するのもいいと思う。
エリスは、今の自分たちがあるのは過去の先祖たちがいたからであり、その罪と業は今を生きる自分たちもまた背負わなければいけないものだ、と語った。
全く以ってその通りだろう。
我々日本は、確かに第二次世界大戦・太平洋戦争の敗戦国ではあるし、戦時中に原子爆弾が落とされた原子爆弾による被爆国であるが、そこに至るまでの間にどれだけの国と地域を侵略し虐げてきたのか。
その罪を、「自分たちは原爆を落とされ、負けたんだ」と言う免罪符(?)や美化で逃れることはきっと出来ない。今の、中国朝鮮大陸あるいはアジアで根強く残る反日感情を見れば、いかに自分たちの先祖であるかつての日本人が罪と業を重ねてきたのかを、まざまざと見せつけられる。
エリスは自分たちの先祖がしてきた罪を敏感に感じ取り、そして今でも気に病んでいる。それを「心の優しい子」で括ってしまうのは簡単だろうが、それではいけないと思う。その先祖がしてきた罪をもっと重く受け止めなければいけないのは、きっと今の我々も同じはずなのだから。
アジアという地域は日本にとって大きな意味を持つ。それは、国がその地域に位置しているということもあって、これから先、日本は必ずアジアの国々と今まで以上に手を取って共に歩まなければいけない時代がやってくるはずだ(それを言ったら最終的には地球という星の中に住まうすべての国々と、となってしまうわけだが)。
その時、日本がアジアの国々の中で手をとれるか否かは、やっぱり過去の戦争が最大のネックになるのだろう。
かといってアジアを無視してアメリカの手を取り続けるといっても、地理的な問題からやっぱりアメリカだけというわけにはいかない。今も含めて、今以上に将来必ずアジア外交は日本にとって、今のアメリカ軍普天間基地問題以上の最大の外交問題になるはず。その時に、我々日本人はどういうスタンスでいればいいのか? それはもちろん、一概に答えの出せるものではないけれど、でもエリスの姿はもしかしたら選択肢としての一つなのかもしれないと思った。
昔侵略されたから今は服従すればいい、というわけじゃない。エリスたちキャーティアとアシストロイドたちの関係で和解が成立した。必ずしも当てはめることはできないがエリスたちキャーティアのように謝罪の念を持ちながらも対等の立場で相手と話をすることが大切なのだと思う。
という普段B級映画のようなナレーションと展開なのに、今回ばかりはかなりまじめなテーマだったと思う。
第10話『ねらいきにました』
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NoTitle
最近は主にネット上での幼稚なやりとりのおかげで、無駄に反韓・反中と反日の感情が飛び交っている印象が強く、それをネタとしてやっているならいいのだけれど、若い世代が本気で隣国への悪感情を募らせているのだとしたら、こんなに哀しいことは無いと思いますね。
作中でのエリスについて多くのブロガーの方は、先祖の責任云々よりも、ラウリィの主人が果たせなかったことを自分がやってしまったことに対して、申し訳ないという気持ちが働いているのだと解釈されていました。
自分はもちろんそうした面も大いにあるとは思いますが、やはり同時に日本人として避けては通れない問題を、この作品を通して考えて欲しいというメッセージが込められていたと考えているので、月詠さんのように真摯にそれを受けとめる姿勢はとても大切なことだと思います。
ただのエンターテイメント作品であっても、そこに織り交ぜられているテーマやメッセージを汲み取り、それをきっかけにして思索し葛藤するという姿勢は、もっと多くの視聴者に求めたいことです。ブログを通してその一助となることができれば、素晴らしいですね。