機動戦士ガンダムOO 2nd season 第15話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[機動戦士ガンダムOO]
『反抗の凱歌』
総力戦を挑むA-LOWSを前に完全に追い込まれるトレミー。頼みのダブルオーライザーと刹那は、刹那の負傷によって中東のカタロン基地で治療を受けていた。
しかし、世界を変える声が上がる。
A-LOWSでさえ不可侵と言われていた軌道エレベーターを占拠した一部の地球連邦将校たち。そして、トレミーの危機を知って治療半ば立ち上がった刹那の前に立ちはだかったのは、TRANS-AMに似た輝きを放つミスターブシドーが駆るマスラオだった。
<あらすじ>
思わぬ歌によってアルケ―ガンダムとアリーにトドメを刺せなかった刹那。負傷した彼は、その足で中東カタロン基地へと赴く。トレミーの行方を知る情報と自らの手当、何より聞こえてきた歌の真相を知るため、再びカタロン基地へ降り立った刹那だったが思わぬ深手に意識を失ってしまう。
一方、ダブルオーライザーと刹那を欠いたまま総力戦を挑むA-LOWSの包囲網を突破しなければならないトレミー。完全に筒抜けとなったトレミーの位置情報を手に、マネキンはトレミーに包囲網を敷く。スメラギも、ケルディムに超長距離狙撃をさせることで先手を打つも、圧倒的な物量を前に危機に追い込まれる。
夢を見た。
傷を負った刹那が見た夢は、かつての自分が肉親を殺す夢。それを変えるため、過去の自分から銃を取り上げたが、気がつけば過去は同じ結末をたどった。
過去を変えることはできないと夢の中で、今は亡きニール=ディランディに語られる刹那。それでもニールは、刹那に今のおまえは変われと諭される。
完全に追い込まれたトレミー。GNフィールドをも突破する特殊なネットによって動きを封じられたアリオスとセラヴィー。TRANS-AM使用直後で粒子量が激減しているケルディム。火器管制が使用できず、潜水モードも取れないトレミー。完全にチェックメイトかと思われたが、A-LOWS部隊はなぜか撤退する。
そして、全世界に流された情報。
それは、一部の地球連邦軍将校たちによる軌道エレベーター占拠と言うクーデターの一報だった。
クーデターの情報を知った刹那は、トレミーがその場に向かうと信じて現地へ赴く。そこに待っていたのは、マスラオを駆るミスターブシドー。ブシドーは、躊躇うことなくマスラオに搭載された粒子解放システムを起動させる。
それは、まるでオリジナルの太陽炉だけが持つTRANS-AMのような輝きだった―――。
感想・考察はOPENからどうぞ。
<感想・考察>
生身の人間だろうが、ロボットだろうが基本的にバトルメインの作品において、主人公と対するライバルには同等の能力を求められるのが、常なのはいた仕方ないことでしょう。主人公が圧倒的に強ければ、それはライバル関係が成り立たないし、かといってライバルが強すぎても最終的に主人公が何らかの手段で“勝たなければ”それはそれで物語として成立がし辛い。
その一方で、フィクションの作品において主人公に対して特殊な能力付けがされることも多い。それは主人公の必然性や、作品内における特殊性・優位性を際立たせることを中心に様々な理由が点在することでしょう。
そういった意味で、今考えてみれば、太陽炉と疑似太陽炉の関係は絶妙と言えた。前者の理屈からすれば、大枠でいえば同一の太陽炉で出力上は同等なのだから、あとはパイロットの技量差に委ねられる。また、後者の理屈でいっても現在オリジナルと呼称されるTDブランケット装着型太陽炉は、TDブランケットと言う存在によって無限の粒子生成とTRANS-AMと言う特殊性が与えられ、主人公たちが扱うMSの希少さ、若干ながらの優位性を持たせることが出来た。
では、今回のマスラオの擬似TRANS-AMはどうなのだろうか?
結論から言えば、私は失望しました。
この展開は前回、最も可能性の高い展開として予想しましたが、実際にそのように放映されるとやはり失望してしまいます。
理由は幾つかありますが、上記の理屈と照らし合わせて言わせてもらえば、敵がTRANS-AMを使えることによってガンダムの優位性がまた一つ消えたからです。TRNAS-AMの存在は、今や周知の事実とは言え、現状においてCB側が持てる数少ない優位点の一つ。物量で負けていることは言うまでもなく、疑似太陽炉が出力上はオリジナルの太陽炉と差がないことを考えればGN粒子と言う特殊性に関してもほぼ優位性は皆無に近い。さらに、イノベーターがヴェーダから流用した技術によって不可能と思われていたGNフィールドの単体展開も現状では可能になっている。
つまるところ、TRANS-AMだけがかろうじてオリジナルの太陽炉を積むガンダムが脅威とされる理由の一つだったのに、それが霧散したわけです。
マスラオが一機のみのワンオフ機で特殊なだけだと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、技術大尉であるビリーが開発した以上、他の機体への転用だって可能。特に雛型さえ完成しているのであれば、あとはヴェーダのバックアップを受けてイノベーター側がそうオリジナルと差のないTRANS-AMへと仕上げるでしょう。
若干、イノベーターの技術力を高く評価しての推測ではありますが、そう大きくズレはないと思います。最終決戦では、両軍ともにTRANS-AMの嵐になりそうな予感です。U.C.ではファンネルが設定上衰退したのは、最終的にMS同士の戦いがファンネルの打ち合いで終わってしまう、と言う裏話も聞いたことがあります。同じようなことがTRANS-AMで起きそうです。
私は、ブシドーとビリーには彼らなりの“答え”でガンダムと対峙してほしかった。一期では、最後までフラッグに拘ったあのお方とビリー。疑似太陽炉を使うと言う点においては、他のGN-Xと差はありませんが、そのプライドは観ている側からしても清々しかった。
でも、二期になって工夫もなく敵軍と同じ設定装備。本音を言えば、彼らにはTRANS-AMと言うMS強化システムに対して、別のアプローチを行って欲しかったわけです。例えば、ミスターブシドーはビリーに最速と最強の剣を要求した。最速と言う部分には、フラッグのような変形機構を追求し、剣の面に関しては接触したGN粒子を霧散させる―――無限の粒子を生み出すOOに対抗して、生み出した粒子を拡散する剣を手にする、とか。
ミスターブシドーのプライドはそんな敵軍の真似ごとに染められただけでいいのか?
ビリーのクジョウへの復讐心は、エイフマン教授の置き土産とはいえ相手と事実上同じシステムを積むだけでいいのか?
この二人の誇り、プライド、想いと言ったものはそんなものではないと思っていただけに残念です。
※ただし、これは現状での考察です。
個人的に言わせてもらえば、OOの設定スタッフや監督ならこの程度気づいていると思うので、マスラオ側のTRANS-AMには、本家TRANS-AMの限界稼働時間(つまりタイムリミット)以外に何かしらのマイナス要素があるように信じています。
と言うか、そうでないと本当にTRANS-AMの存在意義が一気に小さくなる……。
新ED。
曲は覚えてません(マテ それくらい、半壊のガンダムたちのED映像が個人的にツボ。SEEDでもEDでは半壊ガンダムが中心でしたが、ああいった暗闇の中、背景として描くのではなくしっかりとメインで描いてくれるのが素敵です。個人的にはアリオスがツボ(ぉ
次回『悲劇への序章』。
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
赤字はTBが現在弾かれてしまっているBlog様です。
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>失望した
私個人としては、あの場面でのA―LAWSの撤退に失望したほうです。クーデター派が破壊目的なら占拠する必要はないので当面交渉が主になるはずです。むしろ交渉を主とし行っている間にCBを滅ぼすのが妥当に感じます。
もっとも軌道エレベーターが破壊される事もイノベーターの予定なら言う事はなくなりますがね。
>00
あくまで妄想としてですが、ターンエーの月光蝶システムのような(目的や用途は別にして)立ち位置になるようなことをイオリアは望んでいるのではないかと思ったりします。