こんばんは、すいもうです。
昨日住みたい街ナンバーワンである吉祥寺でラーメンを食べてきました。
ただ、もう行かない。ううん、行きたくないです←エ
バリ男っていうラーメン屋さんなんですけどね。
うん、以前一度行ったことがあるんですが、もう二度と行きません。
もうめっちゃ臭い←汗
店の中が、もうすっごく臭いんです。
前行ったときは、そんなんじゃなかったはずだったのに。いったいなにがあった←汗
まぁ、それはさておき。
今回もたぬきさんです。
でもラストに王さま以外の登場人物が。
誰のことなのかは、追記にて。
では、お黄泉ください。
夢、吹きすぎし~月想う~ 百七十八話
なんて言えばいいんだろうか。
なにを言えばいいのだろうか。
導き出された答えの前に、あたしはなにも言うことができなくなってしまっていた。そしてその答えを、王さまは無言で頷いた。なにも言わずに、ただ頷かれた。言葉で返事されるよりも、雄弁に物語っていた。座っていた椅子に深々と腰掛ける。背もたれに、文字通りもたれかかりながら、どこまでも白い空を見上げた。いや空だけじゃない。この世界は、あたしと王さまを除いて、すべてが白い。圧倒的な白に、すべてを飲み込まれてしまったようだ。だからなのか。この世界の白を見ていると、どこか残酷に思えてならなかった。あたしを取り巻く現状もまた、残酷だった。
「……冗談であってほしかったなぁ」
呆然としながらも、ようやくひねり出せた言葉は、そんな呟きだけだった。王さまはまたまぶたを閉じている。なにも言わない。いや王さまもなにも言えないのかもしれない。もしくは、王さまも同じ気持ちなのだろうか。悲しみと切なさ。それが合わさったような感覚だった。
「冗談、か。我もそう言えたら、どんなに楽であろうな」
だが、事実であり、これが現実でもある。王さまはまぶたを閉じたまま言う。まぶたを閉じたままなのは、目を見せたくないからなのかもしれない。ふとそう思った。悲しみの光を宿した瞳を、王さまはあたしに見せたくないのかもしれない。事実はわからない。わからないけれど、不思議とそう思えてならなかった。
「……事実で、現実か。どっちもいじわるやねぇ」
「たしかに、その通りかもしれぬな」
「事実も、現実もいつもあたしに厳しいからなぁ」
「……別に貴様だけが、厳しくされているわけではなかろうよ。誰であろう、事実と現実は常に牙を剥いている。牙を剥いてないように見せかけて、実は我々の喉笛を狙っておるのだ。だから貴様だけが厳しくされている、というわけではないだろうさ」
王さまのひと言は、たしかに頷けるものがある。あたしだけに事実も現実も厳しいわけじゃない。誰にだって、事実も現実も厳しいものだ。たぶんなのはちゃんとフェイトちゃん、そしてカリムやシグナムたちもまた頷いてくれることだろう。事実も現実も、いつもあたしらには厳しい。それでいて、違う誰かにはいつも優しい。もっともそれは誰もが同じことを考えているだろう。誰だって厳しい現実も事実にも触れたくないものだ。あたしだって、できることであれば、優しくしてもらえたら、どんなに楽なことだろうか。
けれどどんなに願っても、あたしの道はいつも茨の道だ。その棘はいつもあたしの体を傷つけていく。でも傷つくたびに、たしかな一歩を踏みしめられている。そう思えた。それはいまも同じだった。そう同じ出なければならなかった。
でもとてもではないけれど、そんなことは思えない。思えるわけがなかった。
「あたしのことだったら、どんなに厳しくても耐えられるのになぁ」
「……友や子供のこととなれば、誰だって平静ではいられぬだろうさ。大切であればあるほど、人は自分のこと以上に平静さを失ってしまうものだ。それは貴様とて変わらぬことだろうよ」
「そやねぇ」
そう頷くことで精いっぱいだった。なんでこうも次から次へと問題が出てきてしまうのか。いっそのこと、呪われていると言われても否定できそうにない。むしろすんなりと信じられそうな気がする。それくらい問題ばかり起こってくれる。たまには気楽にさせてもらったって罰は当たらないだろうに。
「本当に、神さまって奴は、非情やなぁ」
「都合のいいときばかり、神に頼るな。そんな都合のいいことばかりしてくれる神などいるわけがなかろうよ」
「まぁ、それもそうなんだけど」
王さまの言う通りだった。なにかあれば、神さま、神さまと、すぐに神頼みするのは、人間の悪いところだ。神頼みをするのであれば、常日頃から信仰してこそのものだろうに。まぁ信仰したところで、その加護が常にあるとは限らない。カリムを見ていると、ふとしたときにそう思う。
もっともカリムの場合は、ミッドチルダで言う教会とは、聖王教会のことであり、教会が奉るのは神さまじゃない。その時点で、神頼みを教会がしているわけではない。ただ地球産まれとしては、宗教というものは、基本的に神さまを信仰するものだ。仏教とかは、神さまではなく仏さまを信仰するけれど、あたしに言わせてみれば、神さまも仏さまも、人間の力では成し遂げられない御業を使えるという一点においては、似た存在だと思っている。だから少なくともあたしにとっては、宗教というのは、人ならざるものを奉るもので、その御業で幸福に導いてもらおうとしているという印象が強い。実際は違うのだろうけれど、信じる者は救われるという言葉がある時点で、神さま、仏さまに頼っているというイメージをどうしても抱いてしまう。カリムに聞かせたら、苦笑いされるだけだろうが、シスター・シャッハに聞かれたら、確実に大目玉になりそうな内容だった。
それでもあたしにとって、神さまっていうのは、都合のいいときに頼りたくなる存在だと思う。でもそういうときに限って、神さまは微笑んでくれないものだ。それはいまも同じだ。
「あたしは、どうしたらええんかな?」
王さまに向かって問いかけた。もうなにをすればいいのか、全然わからなかった。だからこその問いかけ。しかしその問いかけに王さまは答えようとしない。王さまが答えてくれないまま、ただ時間だけがゆっくりと過ぎ去っていった。
「それを決めるのは、あなた自身だろうさ」
不意に声が聞こえた。振り返ると、そこにはノっちゃんによく似た女性が、ノっちゃんが成長したらこうなるだろうな、と思わせてくれる女性が立っていた……。
テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学
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