こんばんは、すいもうです。
昨日は仕事から帰ってきたら、昼寝してしまったら、まぁ、寝すぎましたね。
最近起きるのが速かったので、睡眠不足だったのもあるんでしょうが、それでも寝すぎだろと自分でもツッコんでしまいました←苦笑
さて、今回も小さい狸さんです。
ただ、うん。途中から、「中の人」とか、「なんか憶えのある名前が」という感じなのが出てきます。
どういうことなのかは、追記にて。
では、お黄泉ください。
夢、吹きすぎし~月想う~ 百六十七話
「まぁ、そう固くなるではない。別に取って喰らおうというわけではないのだ」
王さまが喉の奥を鳴らしながら笑い始める。いかにも人の悪そうな笑顔だった。隣で未来のあたしが、らしい笑顔を浮かべているなぁ、と呟くのが聞こえた。これが王さまらしい笑顔なのか、と一瞬問いただしたくなった。がそれを言うよりも早く状況が変わった。
「さて、貴様にはもう少し付き合ってもらっても構わぬのだが、貴様には貴様の求めるものを早めに受け取ってもらった方がよかろう」
いきなり王さまはそんなことを言い出した。
いきなりなに言うてんの、と思った。未来のあたしも同じ意見みたいで、怪訝な顔をしている。
「いきなりなにを」
「さきほども言ったが、貴様が目を醒ましたとき、そこにはきっかけがいる。そしてそのきっかけは、貴様の求めるものを連れて来るだろう。どちらなのかは、まぁ来てからのお楽しみというところにしておこうかのう?」
人の悪そうな笑顔を浮かべながら、王さまが言う。ちょっと状況がわからない。えっとこれはあれか? あたしだけのけ者にされる状況なのか。いや、まぁたしかにあたしは別にここから先の話を聞かなくても構わんけれど、いくらなんでもこう急にのけ者扱いはさすがに寂しいのだけど。でもそんなことを言うよりも早く、王さまは行動に出てしまう。
「我が指を鳴らしたとき──」
貴様は、貴様の求める者と出会う。その出会いを大切にせよ、「八神はやて」。そう言って、王さまが指を鳴らした。
「──八神さん、八神さん」
不意に声が聞こえた。
聞きなれた声だった。誰やと思ったとき、あたしの視界には、見慣れた看護師さんの顔が映った。いや看護師さんだけじゃなく、あたしはなぜか天井を仰いでいた。見慣れた病室の天井。あの白い世界ではない。病室も白くはあるけれど、あの世界ほど真っ白ではなかった。
でも同じ白でも、あの世界の白とこの病室の白はまるで違う。病室の白は、無機質でどこかおっかない。でもあの世界の白は、どこか温かった。いま思えばそんな違いがあったように思える。
「看護師さん?」
「はい、そうですよ、ってそろそろ名前を憶えてくださいね」
やれやれ、と看護師さんが肩を竦める。あたしの担当の看護師さんなのだけど、どうにも名前を憶えることができなかった。というか入退院を繰り返していても、担当の看護師さんも毎回同じってわけじゃない。同じ看護師さんになるときもあるけれど、違う人になることだってある。看護師さんも看護師さんで忙しいのだから、いくら同じ患者が入院したとはいえ、同じ看護師さんが毎回担当するというのはさすがにない。入退院ンを繰り返すと言っても、退院して数日後に再入院とかはさすがになかった。なのであたしの担当の看護師さんはその都度別の人になることが多い。そのうち看護師さんをコンプリートという、一種の偉業を達成しそうな勢いだった。まぁそんな偉業を達成したところで、なんの意味もないのだけど。
「ああ、すんません。毎回担当の看護師さんの名前を憶えるのが、ちょっと面倒で」
「まぁ、お気持ちはわかりますけど、それでも看護師さんってひとくくりされるのは」
そう言って、看護師さんは苦笑いを浮かべている。苦笑いだけでも、十分すぎるほどにきれいだった。白い看護師の服と短めだけど、きれいな金髪が絶妙にマッチしていた。赤系統の瞳は、フェイトちゃんとはまた違った輝きを放っている。なによりも胸が大きい。看護士の服をこれでもか押し上げているふたつの丘は見事としか言いようがない。うん、名前を忘れるほど印象が薄い人ではない。そのはずなのに、どうしてか名前を憶えられなかった。むしろこれほどの美人さんなら、即座に名前を憶えても不思議ではないはずなのに。なんでか名前を憶えることができなかった。まるで魔法でもかかったかのように。
「すんません。どうしてか名前を憶えられんのよ。まるで魔法でもかかってしまったみたいや」
冗談交じりに謝ると、なぜか看護師さんの笑顔が一瞬固まった。というか顔が引きつっているように見える。さすがに魔法はなかったかなぁ、と思っていると、看護師さんが咳ばらいをした。
「し、仕方がないですね。ネームプレートを見ればわかる通り、私は「柚木」です」
「柚木さん?」
「はい、柚木です」
ネームプレートにはたしかに「柚木」と書かれていた。でも不思議なことに、あたしはこの人を今回入院するまで一度も見たことがなかった。こんだけ美人さんであれば、担当さんでなかったとしても名前を憶えていそうなものなのだけど、どうしてか見たことがなかった。仮に見たことがなかったとしても、名前くらいは聞いたことがありそうなものだった。すごい美人の看護師さんがいる、って。
まぁ知れ渡っていなかったとしても別に問題はないのだろうけれど、もうひとつ気になることがある。柚木さんの名前だった。見た感じ外国の人っぽいのに、柚木という日本人らしい名前なのが妙に気にかかった。
「柚木さんって、いつからここに?」
「え? えっと、八神さんが入院される少し前からですよ」
「へぇ、そうなんや。だから見覚えがなかったんか」
「先輩方の話を聞くと、入れ違いみたいな形になったって言われましたよ」
取り繕うように、柚木さんは笑う。その笑顔にやっぱりなにか引っかかるものを感じた。
「あ、そうや、柚木さん。あたしになにか用?」
「え? あ、ああ、そうでした。忘れていました。八神さんに面会ですよ」
「あたしに?」
「ええ。でも八神さんはお休みだったので、いまは廊下で待っていただいています」
柚木さんを見やりつつも、病室に備え付けの時計を見れば、面会時間にはまだ早い時間で、なのはちゃんたちが来るには早すぎる時間だった。なのはちゃんたち以外に面会者。いったい誰が来たのだろうか。
「誰?」
「ん~、すごい美人さんですよ」
ニコニコと笑う柚木さん。美人さんの面会者。朝から気分のいい話だ。けれどやっぱり覚えはなかった。
「ふぅん。まぁ、ええわ。入ってもらって」
「ええ、それじゃお通ししますね」
柚木さんはそう言って廊下に出ると、面会者を病室に入れてくれた。柚木さん曰くすごい美人さん。はたしてどんな人なのか。そんなことを考えていると、涼やかな声が聞こえてきた。
「失礼しますね、ハヤテヤ・ガミさん」
そう言って、中に入ってきたのは、穏やかに笑う明るい金髪の美人さんだった……。
テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学
オオカミさん(デバイス的に)なのに、ネコ……。
ティアナさんといい攻めに見えるのにネコな相手をスバルは(笑)
あ、でも、イクス陛下は違いますかね。
あの人は何となく真性のタチっぽく思うんですよね(笑)
これはメディカルシャm……。
神楽井ゆずこではないんですね(笑)
この病院、石田先生と看護師柚木さんの……百合百合夜間病棟とかになりそうですね(笑)
ハヤテヤ・ガミ……。
ここでもシャッハさん間違った名前伝えているんですね(笑)
……わざと……?(笑)
並行世界のはやカリイベント始まりましたね。
本来との違い楽しみです。
では、失礼します。
Re: タイトルなし
オオカミなのに、ネコとはこれいかにが実際に言えるという逸材なのです←ヲイ
スバルは本当に罪深いですねぇ。まぁ、それでこそのスバルとも言えますが←しみじみ
純真そうに見えて、実際は、という奴ですね。
なんとなくタチっぽいですよね、イクスさん←しみじみ
実はメディカルシャマルにしようかなと思ったんですよ。
でも、あえてやめました。さすがにネタに走りすぎるし←苦笑
そういう展開もありでしょうが、今回はなりません。残念でした←笑
ふふふ、今回はシャッハさんからの情報ではないのです。
どういうことなのかは、そのうちに←ヲイ
まぁ、はやカリイベントですが、どこまでやるかは未定です←ちょ
でもある程度まではやりたいです←しみじみ
こうご期待ということで。
今回もコメントありがとうございました。今後も頑張りますね。
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