松山市77億円産廃対策問題 レッグの現・旧役員を告発したが実態は休眠同様
愛媛県松山市菅沢町の「レッグ」の産業廃棄物最終処分場には、不法な廃棄処分により、地下水路に重金属(鉛・ヒ素・水銀)を含む汚染水が流れ出し、2013年から愛媛県と松山市が行政代執行によって、77億円をかけて周囲を遮水する工事を行っている。
不 法投棄された重油や軽油を含んだ汚泥の量は、約2万7000〜3万立方メートルになることが明らかになっている。埋立容量(約23万立方メートル)の約1 割にあたるが、油系産廃のほかにも不法投棄された産廃が山のようにあり、油系汚泥だけの問題ではなく、産廃場に何が廃棄されているのかまったく検討も付か ない状態となっている。
愛媛県警生活環境課と松山東署は7月7日、廃棄物処理法違反の疑いで同処分場の現場検証を行い、汚染や施設の現状などを調査した。
県警捜査員と松山市職員が測量や写真撮影を実施。処分場を管理する産廃処理会社「レッグ」とともに市から同容疑で5月に告発された現・前取締役が立ち会った。
告発は、廃棄物や汚染水の流出防止対策を取るよう求めた松山市の2013年11月28日付の措置命令に対し、レッグ社側が2014年2月6日の着手期限を過ぎても工事に取り掛からなかった同法違反の疑いがあるとの内容。
当産廃場は、松山市が愛媛県から許認可権の移譲を受けた1997年以前(17年前)の不法投棄で、持ち込んだ業者や経緯は不明という。松山市では、埋められた油は撤去せず、処分場の周囲を地下20メートル以下までコンクリートや鉄板で囲んで外部流出を防ぐ予定。費用は77億円に及ぶとみられ、市は今後、レッグ本体や歴代の役員、不法投棄された廃棄物を排出した企業などに対して処理費用を請求する。
ただ、事実上行為者は休眠状態であり、20年ほど前の廃油の委託者を調べるのも非常に困難となっている。
また、レッグは実質休眠状態にあり、役員を告発したとしても、裁けるものでもない。
以上。
問題は、愛媛県や松山市が認可した産廃場に対して、定期的な検査をしてこなかったツケが、77億円ともされる汚染対策費用となっており、これは単に行政の業務怠慢に過ぎない。
産廃に関しては、以前から県や市にはそうした専門の部署があり、産廃場の見回りや定期報告書の提出、定期的な検査を行っていれば、自ずと不法投棄物があることはわかる。隣県である香川県の(1990年に摘発された)豊島問題を他人事にしてきた愛媛県と松山市である。
また、近隣の産廃に対する住民意識も低く、またそうした住民に対して啓発活動に取り組んでこなかった県や市にその責任はあろう。許認可権のあった当時の県や1997年以降の市の担当課長以上、および歴代の市長の責任である。
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