氷菓 第22話(最終回)「遠まわりする雛」 感想!
遠まわりして、辿り着くのは。
最高級の最終回
京アニによるアニメ化の報を聞き、これはと思って原作を一気読みしたのですが、その時から「最終話エピソードはこいつで決まりだな」と思っていました。なにも僕だけではなく、原作既読者のほとんどはそう思っていたでしょうけどね。
短編なのに2クールアニメの最終回を飾るに相応しいこのエピソードを、とてもとても楽しみにしていました。
いっやぁ、大満足!
もうね、もうね、心の底からわき上がるこの充実感ね!
見たぞ、ついに最終回を見届けたっ!という感覚が僕を埋め尽くしています。『氷菓』というアニメに出会えて本当に幸せです。
生き雛行列の演出については、少し予想外の手法でした。
もう少しオードソックスに、作画の力に任せて描き切るものかと思っていたけど、撮影効果をバリバリつけた上で画面の揺れる演出も追加。そういえば氷菓では、他の京アニの作品に比べても撮影効果を多用しているのでした。
そして、納得の出来。なるほどな、と思いました。折木からは見えないのですもんね。
それにしても美しかった!
本気モードの最強作画で描かれた千反田や行列の華々しい様子は、最高に楽しませてもらいました。こんなに美しい映像はなかなか見られません。
茶髪さんが今回の事件を起こしたがったのも、折木の言う通り、分かる気がしますね。もちろんみんなに迷惑をかけたのは駄目なことですけどね。
そして遠まわりした結果見られた、いや、見られなかった、生き雛千反田と狂い咲きの桜のコラボレーション。
行列中の折木の葛藤が本当にやばかったw
その気持ちがぐいぐいと伝わってきます。これは見たい。是が非でも見たい。
しかし見られない折木のジレンマが強烈です。
帰り道の2人
この最終回、このシーンが本当に本当に見たかった!
「お前が諦めた経営的戦略眼についてだが、俺が修めるというのはどうだろう」
2つともを選ぶのが無理なら、2人で1つずつやればいいじゃない!
という意味の、事実上の折木のプロポーズ。
結局言ってないのかよ!と画面に激しくつっこんでしまいましたが、これを言いたいだけの気持ちが折木にはあるということで。
ニヤニヤしすぎてやばいです。
狂い咲きの桜が舞い散る光景も美しすぎます。
ああ、このシーンに辿り着くために今までの『氷菓』はあったんだなぁ……と感じてしまいました。
まだまだ遠まわりしそうな2人ですが、心から応援してあげたいです。
いやもう、くどいようだけど素晴らしかった。
ちょっとだけ摩耶花
何気に、全編通して折木と摩耶花のツーショットって壊滅的に少ないのですよね。パッと思いつくのは、映画の件で「あの映画にはザイルが出てこなかったわよ」と言ったシーンくらい。
というわけでアニメオリジナルです。
作中時間だと、約2ヶ月前ですか。チョコレート事件についてお互い少し声を掛け合いましたが、なんてことはない会話だったけど、2人の会話シーンが見られて嬉しかったです。
というか「うん、聞いた」と苦笑する摩耶花が空前絶後に可愛くてやばかったです。いくら千反田が美しくてもやっぱり僕は摩耶花派だということを再確認。心臓を撃ち抜かれるというのは、きっとこの気持ちのことを言うんだろうね!
第1話以来の西屋太志作画はやはり素晴らしいです。キャラデザ本人が作監すると違うね。特に中距離からの目の描き方が素晴らしい!
その中でもさらに摩耶花が輝きます。背が小さくて童顔なのに瞳のサイズも小さい摩耶花のキャラデザは正直完成度が高すぎてね。
総評
最終回なので、総評をさらっと。
『日常』に続き西屋太志総作監のもと、美しい作画が評判になった『氷菓』でしたが、ただ美しいだけではない、武本康弘監督×西屋太志総作監らしい美しさが表現されていて、京アニの作風がまた1つ広がった印象を受けます。
美しいだけなら、『CLANNAD』や『AIR』なんかもやばいですからね。
特に武本監督にとっては、一から制作するものとしては初の作品でした。
彼はフルメタシリーズなど何度か監督をやっているけど、全てだれかの引き継ぎなのですよね。ハルヒもそうだし、らき☆すたもそう。
今回のアニメ化は、今まで以上に彼のカラーが出ていたと思います。もともと大好きな演出家でしたが、もっと大好きになりました。
お話の方は、ほとんど原作通りの展開でしたが、やはり京アニが作ると違った新鮮感があるなぁと感じました。
いくつか物語の解釈を変えていたのを含め、最高に楽しませてもらいました。いい原作を、いいクリエイターたちがアニメ化するとこうなる、という見本をまざまざと見せつけられたような気分です。
一番お気に入りのエピソードは、氷菓編最終話の第5話。なんだかんだで三好一郎の演出が最強だと思うw
エピソード単体でここまで気に入るのは、もうしばらくは出てこないだろうとさえ思えます。また監督しないかなぁ。
京アニは10月からすぐに、『中二病でも恋がしたい!』が始まりますね。安定の石原立也監督のもと、最高のエンターテインメントを見せてくれるものと期待しています。
ハイテンションラブコメディだから、まさに武本康弘の演出が映えると思っているのだけど、参加してくれるかなぁ。武本康弘のことを勝手に仕事が早そうだと思っているので、きっと来てくれるはず(ぇー
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アニプレッション「こんなにも面白い『氷菓』の世界 第22話」は、9月18日の夜から深夜にかけて投稿予定です。
(9月19日1時36分)投稿しました。合わせてどうぞ。
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つぶやき
WiiUが出るけど、僕は買う予定なし。でもテイルズでタイトルが出たらきっと買っちゃうんだろうと思う。
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