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クレムリン報道官は正しい:EUは敵としてのロシアのイメージを必要としている(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/02/04、クレムリンのミトリー・ペシュコフ報道官は、巨額の軍事予算を正当化する為に敵としてのロシアのイメージを必要としていると語ったが、その通りだ。
The Kremlin Spokesman Is Right: The EU Needs The Image Of Russia As An Enemy



 2024/02/04、クレムリンのミトリー・ペシュコフ報道官は氏はロシアの人気ジャーナリストにこう語った

  「彼等(EU諸国の政治家達)は、敵のイメージを構築し続ける必要が有るのです。そしてそれを質感の有る、目立つ方法で行わなければなりません、支出の増大を正当化する為に。

 そして御承知の様に、(ウクライナへの)500億(ユーロ)の割り当ては、一方ではEUにとってこの金額はそれ程大したものではありませんが、しかし他方、EU諸国の経済に危機の兆しが現れていることを踏まえてみると、それでも目立ちます。」


 02/01ののサミットでEUは、今後4年間でウクライナに500億ユーロの資金を割り当てることを決定したばかりだ。だがより大きなコンテクストを見てみると、それは米国がEUに対して再び覇権を主張していることと、「軍事シェンゲン」の部分的な実施に関する合意に関係している。この一連の出来事は、ドイツが「ヨーロッパ要塞」を再建し、「バルト防衛線」に沿った新たな「鉄のカーテン」の再建する為には、何故EUには敵としてのロシアのイメージが必要なのかを説明している。

 この件に関する以前の分析を挙げておく。

 2022年に米国が欧州に対して覇権を再確立することに成功した5つの方法(抜粋)
 NATOが提案する「軍事シェンゲン」には、ポーランドに対するドイツのパワープレイが透けて見える(抄訳)
 ドイツは米国の「アジアへの軸足変更(回帰)」を補佐する為、「ヨーロッパ要塞」を再建造中(抄訳)
 The “Baltic Defense Line” Is Meant To Accelerate The German-Led “Military Schengen”
 Poland Is Scaremongering About War With Russia To Justify Subordinating Itself To Germany

 ヒトラー以降前例の無かった欧州全体の軍事化が進行中な訳だが、これらのプロセスが何よりも先ず、ロシアを敵として認識することによって動かされていることを知っておかねばならない。米国はこれを利用して欧州に対する覇権を再確立し、「軍事シェンゲン」と「バルト防衛線」を通じてロシアを封じ込める為の「背後から先導する」パートナーとして、ドイツを選んだ。

 これにより米軍は欧州からアジア太平洋へ再配備することが可能となり、来るべき新冷戦の米中局面のエスカレーションに備えることが出来る。ロシアに対して欧州で行われた軍事化プロセスが、中国周辺のアジア諸国でも繰り返されることだろう。そしてそれを正当化する為に、中露協商は西洋にとって存亡に関わる脅威だと恐怖が煽られることだろう。ユーラシアに於ける米国の属国諸国は、こうして中露封じ込めの為に動員されることになる。
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川流桃桜

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