日常　#19　『日常の第十九話』　感想

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日常　#19　『日常の第十九話』　感想

長野原みおの憂鬱と暴走。相生ゆうこの動揺と憤慨。
しかし、そこから生まれるは愛と勇気の物語―

くっそ…。こんな演出で笑ってしまうなんて凄く悔しい…。

プロジェクトXなんていう超ど真面目な番組構成風にこんなストーリーを観せられたら、
そのギャップというか不釣合いで妙な可笑しさのせいで笑いが込み上げて来て
もう、どうしたって笑わずになんていられるわけがないじゃない…。これはずるいですよ。

まぁでも話の内容としては確かに深刻な問題ではあったのかなとも思うんですよね。

一見、本当にくだらないように見える話の流れではあるのですけど、
人って周りに出来て自分だけができないと余計に気にして、落ち込むものでもありますし、
特に日本人はそういう人が多い気もしますから。

周囲はそんな彼女も彼女らしいと受け取っているのかも知れないわけですけど、
でも本人にとってみればそんな簡単なことじゃないんだよとつい考えてしまうみたいな。

　日常19話　シーン2

それにみおの場合って、そういったよくありがちな話とはまたちょっと違うわけで
彼女の中では劣等感として感じることも周りからすればそれは、羨望の眼差しで
つい見てしまうような “凄く突出した周囲との違い” でもあるわけなんですよね。

だからきっと他の友人たちも彼女のそういった劣等感にはなかなか気付けないのでしょうし、
むしろ自分たちの意図とはそぐわない形で、みおを傷つけたこともあるのかも知れない。

だって、身近にあれだけ高速でプロペラできる人がいたら絶対に尊敬しちゃいますからね。
それはもう確実で、だからこそその擦れ違う関係が非常に難しかったりもするのでしょう。

　日常19話　シーン3

でも、だからこそ気兼ねなくそのことを相談できるゆっこという親友の存在は
きっと彼女にとっても大きな心の拠り所になっていたのだと思います。

そして、そんな自分のわがままに笑顔で｢頑張ろう｣と優しく付き合ってくれる大切な存在。

もうそれだけで、ゆっこがどれだけ優しい子なのかということも十二分に分かりますし、
みおとってもどれだけ掛け替えのない親友なのかということがよく読み取れるんですよね。

　日常19話　シーン4

けれど、だからこそみおが落ち込んでしまうのもよく分かる。それだけ大切な存在であるゆっこに
大きな負担を掛けて自分のわがままに付き合わせてしまっているという嫌な自覚。

しかもそれでいて自分は全く上達しないしで、もう彼女とどんな顔で向き合えばいいのかすらも
みおは分からないわけで、そういった負のスパイラルに陥ってしまうことも暫しあったのでしょうね。

でもそういった同じ時を過ごしていく中で、彼女の中の “一生懸命になる理由” がいつの間にか変わっていたのは何だかとても微笑ましくもあり、それこそ二人の友情を感じられる凄く素敵なストーリーだったのではないかなと思えました。

自分のためでもあるのだけど、何よりもこうして支えてくれるゆっこのためにという彼女の
切なる願いと熱い想い。もう愛に近いですよね。日常の中で生まれた小さな愛情の物語。

　日常19話　シーン5

そして、そういった愛が生まれるのも全ては常日頃からお互いがお互いに与えてきた
思いやりの心の積み重ねがあるからこそなのだと思います。

今までの話だけ観てると勉強に宿題とお世話になりっぱなしでゆっこは馬鹿だなーと
つい思ってしまうわけですけど、実は彼女も力強く彼女の背中を支えていた。
ようは彼女たちもまた相互扶助的な関係を築き上げていたわけなんですよね。

だから彼女たちって切っても切っても切り離せないような、強い絆を保てている。

　日常19話　シーン6

またそれ故に、最後はそんな彼女たちの絆が一つの理想の結果をもたらしたというこの事実は
もはや必然というか、成るべくして成った一つの形でもあるのだというかね。。

そういった思いやりのある心と心が共鳴しあったからこそ実現した友情の形なのだと思います。

二人の重態患者を出す結果にも繋がってしまったわけですけど、それでも二人の絆は
より今回の出来事を通して深まったのではないのかなと思いますよ。
もれなく遺恨においてもそれはそれは根強く深まったことに間違いはないのでしょうけどね(笑)

けれど、喧嘩するだけ仲が良いというのは、結局のところそれだけ喧嘩をしても仲違いしないことの
現われでもあるわけですから、きっと彼女たちにおいても心配する必要はないのでしょう。

これからも二人には仲の良い、一生涯の親友で居続けて欲しいものですよね。

次回　｢日常の第二十話｣