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TARI TARI

TARI TARI 1話 『飛び出したり誘ったり』 感想

 TT 1話 シーン1

ただただ懸命に。直向に頑張るあなたが大好きです。
そう言ってしまいたくなる程に、強く、真っ直ぐな物語。



紆余曲折。人生ってそんな簡単にことが運ぶものじゃないし、それこそ曲がったり、下がったり、色々な経験を経て人生の岐路を選択することで初めて見えてくるものってたくさんある。また、だからこそ人って強くもなれるし、信念なんかも持てたりするわけで、やっぱり何もかもが順風満帆な生活を送れる人って本当に一握りの存在でしかないのだと思います。

ただそこに差異はあれど、その先で素敵な風景と出会うことが出来る人って必ず「頑張ってる」んじゃないかなって思えたりもして、そう考えると自然と元気が沸いてくると言いますか、つまりは彼女達のそんな懸命な姿を観ているとどうしたって応援せずにはいられないんです。


 TT 1話 シーン2


またそれは別段、来夏に限った話でもなくて、それぞれがそれぞれの好きなことを頑張って明日を素敵な日にしようと努力している。日本語を勉強したり、バドミントンの練習をしたり、乗馬をしてみたり、弓道をしたり、歌を唄ってみたり。そうやって自分が納得のいく日々を過ごしながら彼女達は少しずつ成長しているわけで、だからこそそんな彼女達の姿勢を笑える奴なんて居るわけがないし、居ていいわけもない。

これは遊びじゃない。真剣なんだ。まだ、私だって唄える。普通科なめんな。そういった彼女の真心を受け止めてあげて欲しい。その声に、叫びに耳を傾けてあげて欲しい。そんな願い。


 TT 1話 シーン3


けれど、そんな“真剣な想い”に“真剣な想い”を潰された人が「たまったもんじゃないですよ」と彼女を突き放すのはまぁ分かる話ではあるのが辛いところで、今までの苦労も努力も彼女達は去年、来夏の手によって水の泡にされてしまったのだという一つの事実が辛辣に彼女の胸に突き刺さる。

友人は笑い話にしてくれるし、同じ部の仲間だってもう咎めたりはしないのだと思うのだけれど、でもあの人は違う。そうやって事実を押し付けてくる。烙印を押し付けてくる。けど、それだって正論だし、だからこそ辛い。何も言い返せないのがめちゃくちゃ悔しい。「じゃあ、辞めます」なんて負け犬の遠吠えにでも聞こえたのだろうか。そう考えると余計に腹が立つ。そんな来夏の心情。


 TT 1話 シーン4


でも、そこで少し反論をしてみると、じゃあ彼女がその失敗を糧に頑張って来たその苦労と努力はどこに矛先を向ければいいの?という疑問符がどうしても付き纏うわけで、多分、それに関してもあの先生は「そんなもの知りません」とまた彼女のことを冷たく突き放すのでしょう。

けど、それは違うはずで、チャンスの一つさえ来夏に与えない教頭先生は多分、彼女のことなんて何一つだって知りはしない。いや、こんなことを平然と述べてる自分よりは彼女自身、来夏のことを顧問として見てきた一人の教育者なのだから、色々なことについてきちんと把握はしているのだと思います。

ただそれだって「把握」と「理解」じゃ全然違うわけでもあって、それはもう、分かっているつもりで何も分かってないっていう事態と同義でもある。


 TT 1話 シーン5


そして、それは和奏に対し当て嵌めることの出来る言葉でもあって、彼女はその前向きで懸命な姿を「遊び」と揶揄し、来夏を突き放した。

それだって、彼女にも色々な理由はあるのだろうし、普通科に転科したという事実だってある。一筋縄じゃいかないことも色々とあるのでしょう。でも、彼女もまた来夏のことを何一つだって分かってはいない者の一人でもあるわけで、たかだか職員室での一件を見ただけで推し量れることなんてたかが知れてる。

だからこそ、分からない。彼女が「じゃあ辞めます!」の一言に託した前へ進むための一歩を彼女は理解することが出来ていない。「唄えないなら唄うまで」というその固い信念を受け止め切れていない。


 TT 1話 シーン6


いや、でもそれは彼女に対しこんなことを言ってしまっている自分にとっても返ってくる言葉そのものでもあるんだよ、というのは感じるところでもあって、和奏のことに関してだって、彼女を取り巻こうとしている人達が知れていることなんてたかが知れてる。どんな紆余曲折を経験して、挫折してしまったのか。打ち砕かれてしまったのか。そういったことを知るというのもまた、物語を俯瞰している自分にだって到底出来ることじゃない。

けれど、彼女は来夏の「何もしないで諦めて後悔したくない」という言葉に僅かな反応を示してくれたわけで、だからこそ今はそこから零れ落ちそうな彼女が抱き続けてきたであろう、ほんの少しの『頑張ることへの憧れと再燃』に期待したいなと思うと共に、そんな和奏を引っ張り巻き込む役割としての来夏にも大きな期待を寄せたいなと思っています。

また、そういった“想いを伝えること” “共に歩むこと”の喜び、楽しさこそがこの作品が携える大きなテーマなんじゃないかなとも思っていたりして、転びそうな来夏の手をとるOPの1シーンなんか見ると特に、といった印象を受けてしまいます。

誰だって前へ進みたくないわけじゃない。前へ進むために頑張りたいんだ。そんな青春の熱量で泣いたり、笑ったり、唄ったり、色々な出来事に出会うであろう彼女達を見守っていければもう最高ですよね。むしろ、そんなビジョンを仄かに匂わせてくれた素晴らしい初回だったのではないかと思います。

ここから紡がれる物語に、今からもうドキドキとワクワクが止まらなかったり...笑



次回  「集まったりあがいたり


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Comment

No title

教頭の気持ちも分かるし人間だから仕方ないんだけど、一年間譜めくりだけさせて最後まで歌わせないのは教育者としてはかなり拙いというか、来夏が本気で騒いだら大問題になりかねないような
来夏を二度と使いたくないなら、早い内にはっきり通告しないといけないです

校長もいい加減なとこあるし、この学校の教育は大丈夫なのか心配に
平の教師達はいい人そうですけど・・・・・・

>名無しさん

教頭先生に関しては本当にフラストレーションというかモヤモヤが溜まる感じで、けれどそれも何か裏話があるのかななんて思うと一概に否定ばかりは出来ないのが辛いところですね。

ただ、やっぱり来夏に対しての対応は不味いよなぁと思うのは私も全く同感なので、その辺りは終盤に向け互いにとっての良い落とし所が見つかればいいなとか思ってます。

こういう作品だからこそ、大人と子供の関係性も巧く描き切って欲しいところですね。
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まとめtyaiました【TARI TARI 1話 『飛び出したり誘ったり』 感想】

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