TARI TARI
TARI TARI 2話 『集まったりあがいたり』 感想
戸惑いも、恐怖も、過去への後悔も何もかもすべて。
その全てが歌へと昇華され輝く瞬間。そんな素敵と楽しさの旋律。
いやぁ、もう最高でした。1話で示してくれた“前へ進む”ことの大切さと、だからこそその先に見えるであろう、楽しくて、素敵で、煌びやかな世界の存在証明。それをこうも劇的に心地良く描いてくれたのなら、もうそこには嬉しさしか込み上げて来ないと言いますか、こう、どんどん心が満たされていくこの感覚には、もはや酔いしれるしか選択肢が見当たらない。
というかね。もうこの世界で生きる彼女達が本当に大好きでしょうがないんですよ。ああ、なんでこんなに真っ直ぐなんだろうって。なんでそんなに強いんだろうって。なんでこんなにも優しいんだろうって。
もちろん、彼女達だっていつもいつも前向きなわけじゃないし、色々なことに躓いては怒ったり、傷ついたり、悲しんだりで、辛く苦しい経験もたくさんしてきたのだと思います。
「歌を唄う」という自分が今一番やりたいことに一生懸命になってるだけなのに、先生には怒られるし、友達には遊びだと否定されるし、もう本当になんなんだろうという不満。
いや、それだって自分が悪いのは分かってる。でも、だからこそ前へ進みたいんだよ。あの失敗したままの自分で立ち止まらないように、あの日の自分を見返すために、何よりも将来の自分が今の自分に後悔を残さないために。だから戦いたいし、あらがいたい。どんなことがあったて屈してなるものか... そんな彼女の揺ぎない決意がとても眩しい。
何より、そんな揺るぎない信念を貫く彼女だからこそ、「そんなあなたが大好きです」と力を貸してくれる人だってたくさんいる。それは紗羽に関しては言うに及ばず、和奏にしたって同じことで、それこそ最初は「私を巻き込まないで」と来夏のことを突き放したわけなのだけれど、それでも確実に来夏のそういった行動は彼女の琴線に触れていたに違いない。
広場で歌う来夏を見て、コンクールで唄う来夏を見て。そうした確固たる事実の証明が、今度は彼女の言動や思考と一致する。“ああ、この子は本当に一生懸命なんだ、負けないんだ”って。また、それは「把握」から「理解」への進歩でもあるわけで、それは和奏にとっての成長にだってきっと繋がっているのだと思います。
ただそうは言ったって、彼女だってまだまだ少しずつではあるんですよね。努力することに対しても、投げ出さないことに対しても、もう一度真摯に向き合ってみたっていいんじゃないかなというこれは一種の猶予期間。
いや、そんな時間を作れただけだって、彼女にしてみればそれもきっと大きな前進であることに違いはないはずで、例えばその姿が今は見えないお母さんと彼女の間にどんな想い出と愛情が詰まっているのかなんてことは、現段階では想像も出来はしないのだけれど、でもあの時の彼女はあんなにも嬉しそうにお母さんの唄う歌を聴いていたわけで、よもや「もう楽しく歌を唄えない」なんて彼女が本心で思っているなんてとてもじゃないけれど思えないんですよ。
それだって、お母さん=唄という概念が彼女の中にあったとして、そのお母さんに不幸があったのではと考えれば、彼女がその唄に封をしてしまうという可能性も考えられないわけではないでしょう。
けれど、彼女がどんな過去への蟠りを携えていたとしたって、そのモヤモヤの中に一つでも「もしかしたら」という可能性が残っていたからこそ、彼女はああして少しずつ合唱部に力を貸しているはずで、だからこそ彼女だって楽しく唄と触れ合いたいと願っているんじゃないかなって思うんです。
そして何を隠そう、その「もしかしたら」という希望にも似た存在は他ならぬ来夏という“前進”という字を具現化したような存在でもあって、彼女はきっとそこに賭けてる。歌を唄うってなんだろう。楽しく唄うってなんだろう。誰かを楽しませるってなんだろう。そんな簡単なようで答え難い難問を彼女はそうすることで探し続ける。
故に、だからこそ彼女は頭を下げる。それは彼女達のためだけでは決してなく、つまりは自分自身のためでもあり、そうすることで彼女もまた前へと進んでいける気がしたのかも知れない。
“あなたが駄目なら、私だってもう駄目だ”。そんな期待と不安。それは一見、他人任せにも思えることではあるのだけれど、自分の一番大切なものを誰かに託すという行為ってそれに値するだけの“信頼”と“願い”がなければ決して出来ないはずでもあって。だから彼女のこの行為だってまた尊いし、何より、強い。
せめて信じるのならば、託すのならばと懸命に動いてみせる彼女の行動がまた涙を誘う。ああ、好きだって思える。そんな真っ直ぐな姿勢が本当に愛らしく、逞しい。
ただ、そんな強い想いを託された来夏も、絶望的な状況に立たされて一時は諦めることだって考えたのだけれど、でもそうじゃないと想い改めるところが本当に良くて、それだって紗羽の助けと激励がなければどうなっていたのかは分からないっていう部分はあったにしても、あの言葉を投げかけさせたのは他でもなく彼女が前へと進もうと懸命に努力してきた日々があったからこそ。
つまりは彼女自身が素敵な景色を見ようと“頑張った成果”がああいった周囲の支えを生み、だからこそ辿り着けたこの舞台から望める最高の景色はあんなにも煌びやかで、美しく、もはや恥を上書きするだけには余りある素敵な風景で。また、そんな全ての過程が最高の結末に昇華される瞬間が堪らなく愛おしいんです。
そして、そういった彼女達への愛情が淀みなく溢れ出さざる終えないような3人のハーモニーは、もう何を言ったって陳腐に聞こえてしまうぐらいに素晴らしい心の旋律となって私の胸に響き、最高の感動をも与えてくれました。
常に真っ直ぐに自分の想いを相手に伝えようとする来夏の姿勢が、そのまま唄となって綺麗に終わりへと収束していく様はもう素敵以外の何ものでもないですね。もうここまで描き切られたらこの作品のことが大好きになってしまうってほどに、素晴らしくも劇的且つ、優しさに満ち溢れた物語の一旦の区切りだったのではないかと思います。
あとは、その一方でそんな彼女の姿勢の最果てを見せられた和奏が何を想い、どう決心をしたのかという部分が気になるわけですが、まぁその辺りは次回以降ということで、これからこの物語はもっともっと面白くなっていくんじゃないかなという期待に今は胸が一杯です。
大丈夫。彼女達なら、きっと大丈夫。そんな安心感を信じつつ、彼女達のこれからを見守っていければいいなと思います。3歩進んでは2歩戻る。そんな感じで、まったりと。楽しみですね。
次回 「振ったり出会ったり」
というかね。もうこの世界で生きる彼女達が本当に大好きでしょうがないんですよ。ああ、なんでこんなに真っ直ぐなんだろうって。なんでそんなに強いんだろうって。なんでこんなにも優しいんだろうって。
もちろん、彼女達だっていつもいつも前向きなわけじゃないし、色々なことに躓いては怒ったり、傷ついたり、悲しんだりで、辛く苦しい経験もたくさんしてきたのだと思います。
「歌を唄う」という自分が今一番やりたいことに一生懸命になってるだけなのに、先生には怒られるし、友達には遊びだと否定されるし、もう本当になんなんだろうという不満。
いや、それだって自分が悪いのは分かってる。でも、だからこそ前へ進みたいんだよ。あの失敗したままの自分で立ち止まらないように、あの日の自分を見返すために、何よりも将来の自分が今の自分に後悔を残さないために。だから戦いたいし、あらがいたい。どんなことがあったて屈してなるものか... そんな彼女の揺ぎない決意がとても眩しい。
何より、そんな揺るぎない信念を貫く彼女だからこそ、「そんなあなたが大好きです」と力を貸してくれる人だってたくさんいる。それは紗羽に関しては言うに及ばず、和奏にしたって同じことで、それこそ最初は「私を巻き込まないで」と来夏のことを突き放したわけなのだけれど、それでも確実に来夏のそういった行動は彼女の琴線に触れていたに違いない。
広場で歌う来夏を見て、コンクールで唄う来夏を見て。そうした確固たる事実の証明が、今度は彼女の言動や思考と一致する。“ああ、この子は本当に一生懸命なんだ、負けないんだ”って。また、それは「把握」から「理解」への進歩でもあるわけで、それは和奏にとっての成長にだってきっと繋がっているのだと思います。
ただそうは言ったって、彼女だってまだまだ少しずつではあるんですよね。努力することに対しても、投げ出さないことに対しても、もう一度真摯に向き合ってみたっていいんじゃないかなというこれは一種の猶予期間。
いや、そんな時間を作れただけだって、彼女にしてみればそれもきっと大きな前進であることに違いはないはずで、例えばその姿が今は見えないお母さんと彼女の間にどんな想い出と愛情が詰まっているのかなんてことは、現段階では想像も出来はしないのだけれど、でもあの時の彼女はあんなにも嬉しそうにお母さんの唄う歌を聴いていたわけで、よもや「もう楽しく歌を唄えない」なんて彼女が本心で思っているなんてとてもじゃないけれど思えないんですよ。
それだって、お母さん=唄という概念が彼女の中にあったとして、そのお母さんに不幸があったのではと考えれば、彼女がその唄に封をしてしまうという可能性も考えられないわけではないでしょう。
けれど、彼女がどんな過去への蟠りを携えていたとしたって、そのモヤモヤの中に一つでも「もしかしたら」という可能性が残っていたからこそ、彼女はああして少しずつ合唱部に力を貸しているはずで、だからこそ彼女だって楽しく唄と触れ合いたいと願っているんじゃないかなって思うんです。
そして何を隠そう、その「もしかしたら」という希望にも似た存在は他ならぬ来夏という“前進”という字を具現化したような存在でもあって、彼女はきっとそこに賭けてる。歌を唄うってなんだろう。楽しく唄うってなんだろう。誰かを楽しませるってなんだろう。そんな簡単なようで答え難い難問を彼女はそうすることで探し続ける。
故に、だからこそ彼女は頭を下げる。それは彼女達のためだけでは決してなく、つまりは自分自身のためでもあり、そうすることで彼女もまた前へと進んでいける気がしたのかも知れない。
“あなたが駄目なら、私だってもう駄目だ”。そんな期待と不安。それは一見、他人任せにも思えることではあるのだけれど、自分の一番大切なものを誰かに託すという行為ってそれに値するだけの“信頼”と“願い”がなければ決して出来ないはずでもあって。だから彼女のこの行為だってまた尊いし、何より、強い。
せめて信じるのならば、託すのならばと懸命に動いてみせる彼女の行動がまた涙を誘う。ああ、好きだって思える。そんな真っ直ぐな姿勢が本当に愛らしく、逞しい。
ただ、そんな強い想いを託された来夏も、絶望的な状況に立たされて一時は諦めることだって考えたのだけれど、でもそうじゃないと想い改めるところが本当に良くて、それだって紗羽の助けと激励がなければどうなっていたのかは分からないっていう部分はあったにしても、あの言葉を投げかけさせたのは他でもなく彼女が前へと進もうと懸命に努力してきた日々があったからこそ。
つまりは彼女自身が素敵な景色を見ようと“頑張った成果”がああいった周囲の支えを生み、だからこそ辿り着けたこの舞台から望める最高の景色はあんなにも煌びやかで、美しく、もはや恥を上書きするだけには余りある素敵な風景で。また、そんな全ての過程が最高の結末に昇華される瞬間が堪らなく愛おしいんです。
そして、そういった彼女達への愛情が淀みなく溢れ出さざる終えないような3人のハーモニーは、もう何を言ったって陳腐に聞こえてしまうぐらいに素晴らしい心の旋律となって私の胸に響き、最高の感動をも与えてくれました。
常に真っ直ぐに自分の想いを相手に伝えようとする来夏の姿勢が、そのまま唄となって綺麗に終わりへと収束していく様はもう素敵以外の何ものでもないですね。もうここまで描き切られたらこの作品のことが大好きになってしまうってほどに、素晴らしくも劇的且つ、優しさに満ち溢れた物語の一旦の区切りだったのではないかと思います。
あとは、その一方でそんな彼女の姿勢の最果てを見せられた和奏が何を想い、どう決心をしたのかという部分が気になるわけですが、まぁその辺りは次回以降ということで、これからこの物語はもっともっと面白くなっていくんじゃないかなという期待に今は胸が一杯です。
大丈夫。彼女達なら、きっと大丈夫。そんな安心感を信じつつ、彼女達のこれからを見守っていければいいなと思います。3歩進んでは2歩戻る。そんな感じで、まったりと。楽しみですね。
次回 「振ったり出会ったり」
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TARI TARI 第2話 感想「集ったりあがいたり」
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TARI TARI 1 [Blu-ray](2012/09/05)高垣彩陽、瀬戸麻沙美 他商品詳細を見る
TARI TARI 第2話「集ったりあがいたり」
来夏ちゃんが踊るアバンからスタート(´▽`*)
小さい時から音楽が好きだったのですね~♪
成長した今でも歌うの大好きw
広場で歌っていたのを見られちゃいましたね。
スル
TARI TARI 第2話「集まったり あがいたり」感想!
TARI TARI 第2話「集まったり あがいたり」
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お母さん若っw アロハ~~^^...
TARI TARI:2話感想
TARI TARIの感想です。
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[アニメ]TARI TARI 第2話「集ったりあがいたり」
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まとめtyaiました【TARI TARI 2話 『集まったりあがいたり』 感想】
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TARI TARI 第2話 「集ったり あがいたり」 感想
前途多難―
TARI TARI 第2話「飛び出したり 誘ったり」
二転三転、意外な展開の連続。
黒幕が教頭で、カギを握るのが和奏ちゃんかな。
メインキャラで合唱部結成かと思いきや…なんてカオスな会話^^;
人間模様は予想以上に複雑な事情が
2012年03クール 新作アニメ TARI TARI 第02話 雑感
[TARI TARI] ブログ村キーワード
TARI TARI 第02話 「集まったりあがいたり」#taritari2012 #ep02
『TARI TARI』P.A.WORKSによるオリジナルアニメーション作品。監督は橋本昌和、『レイトン教授と
まとめ【TARI TARI 2話 『集】
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