咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A
咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A 5話 『強豪』 感想
決する勝者と敗者の行方。けれど、ここじゃ終われないんだ。
紡がれて、期待され、託されて。あなたは今も“此処”にいる。
あああああ面白いよおおおおお!!いやぁ、もう本当に面白いです。これぞ咲!って感じの回で身震いする程に高揚感が半端じゃないし、次回に掛ける期待値が凄くてもう大変なわけなんですが、そこまでの繋げ方とか見せ方がもう本当に巧いんですよ。
“私”がこの場所に居ることのそれぞれの理由が鮮明に描かれて、哀愁が漂って、けれどそれすらも“今”の原動力に変えていく彼女たちの決死の雄姿が本当に格好良いし、観ていて心のそこから応援したくなるといいますか... もうこの空間の何もかもが本当に堪らなく愛おしくて。
特にアバンで園城寺さんと竜華の過去(全国への起因)を描いたのはもう最高の構成だと思っていて、前話終盤に描かれた圧倒的オーラを漂わせる相手の実情をいきなり描いてくるっていう一種の卑怯さこそが、またこの作品の見所でもあるんじゃないかなって思うんですよね。もう、こんなの見せられたら千里山のことだって応援したくなるよね...っていう。
身体が弱いし、幽霊部員だし、もう私は麻雀打てるような状態じゃないし...って、そんな風に悲観的になっていた怜を励まして、また一緒に麻雀を打とうと彼女に生きることの目標を抱かせた竜華の想いの強さと優しさ。
もちろん、その心の奥底には『あなたと一緒に麻雀を打ちたいんだ』っていう想いが溢れ出していたのでしょうけど、それ以前に竜華は怜の友達として、あなたのことが好きな“私”として怜に生きることへの気力を取り戻して欲しかったに違いないのだと思うんです。寂しそうに下を俯かないでと。私の目を見てと。今回の件はその切欠となるものに最適だったのが麻雀だったという、ただそれだけの話。
そう、それだけなのだけれど、たったそれだけのことが彼女の生きる糧となり、そしていつしかそれは “これしかない”ものへと彼女の中で昇華されていく。そりゃあ、怜だって麻雀が好きに決まってるし、類稀な才能を持つ者だからこそ、その面白さや楽しさだってきっと知っているのだけれど、やっぱり彼女にとっての麻雀は彼女とそこに宿る生命力(=仲間の存在)を繋ぐ架け橋としての役割が強いはずで。
だから彼女だって負けられないし、負けられるわけがないんですよね。大会が終われば麻雀が終わる。そして、それは架け橋の消失に繋がる。
それだって、竜華や他のメンバーだって麻雀がなければ彼女との繋がりを絶つだなんていう考えは微塵も持ち合わせては居ないだろうし、そのことに関しては怜もちゃんと理解しているはずなのだけれど、それでもここが自分に生きる気力を抱かせてくれた場所だからこそ、この場所で最後まで戦っていたい。
まだまだ竜華の力になりたい。まだまだ、みんなと麻雀をしていたい... それは正真正銘の絆に他ならない、純粋無垢な想いの基盤でもあるはずなんです。
けど、一方でその対面に座る一人の少女もまた麻雀という名の架け橋を通じて一種の繋がりをしっかりと保っていた。今はもう何処にだって私のお母さんはいないけど、ドラをツモって、ドラを集めて、そうすれば“ここ”にお母さんの存在を感じられる。いや、そこまではいかなくたって、確かにお母さんとの約束はここに介在して私の背中をそっと押してくれる。
だから彼女はドラを切れないし、切れるわけがないんです。だって、ドラを切ったらドラが離れていってしまう。そして、それはお母さんとの架け橋の消失に繋がる。
また、それはのどかの「オカルトは信じていないけど、気持ちだけは信じたい」の言葉に凝縮されていたりもして、そこだけは玄にとっても譲れない想いでもあったのだと思います。ただ、不運(と言ってしまっていいのかは分からないけれど)だったのは、その架け橋の幅が広いか狭いかの違いであって、その点で観れば麻雀そのものをそれとしていた怜と、麻雀におけるドラをそれとした玄とでは、やはり“待ち幅”としても大きな差が出てしまい、そこが必然的に結果として現れてしまったということに尽きるのでしょう。
(ただ、それでもドラを切れるようにならなければ彼女にこれからはない...というのはまた別のお話。)
けれど、いくら不運といったって現実は時として厳しく残酷なものでその結果は彼女達の想いをも“この場所”から遠ざける状況に繋がってしまう。でも、それでも大丈夫。想いを貫き通し、自分の麻雀を打ち続けた妹の姿を見て、彼女は大丈夫だとそう言い放つわけで、それは宥自身がそんな彼女の想いを知っていたからに違いないのでしょう。
そして、玄の意思を紡ぐように彼女は“この場所”に立ち、戦うわけで、それは玄と宥が麻雀を介して絆を深め合う瞬間でもあり、それもまた一つの架け橋が“此処”に介在していることの証でもあるのです。
とまぁ、そんな風に観ていくと、まさに咲-saki-らしく麻雀における全てを人と人との架け橋として表現し切った素晴らしき回だったと呼べるストーリー構成だったのではないかなと思います。これぞ、咲。これが、咲。まさに私の観たいものを提示してくれたside-Aだったなぁと、もう感慨に浸りたい気持ちで一杯です。
ラストは玄が懸命に繋ぎ留めた点棒を片手にリーチ宣言。まるで“あなたは今も此処にいる。あなたの意思は私が受け継ぐ”と宣言しているかのような宥の凛とした佇まいにはどうしたって心が震える感覚を覚えてしまいますね。そんな彼女には多くの期待を込めながら一観客、一麻雀ファン、そして一咲ファンとしてその活躍を祈りつつ、想いを通わせながら戦う彼女達の懸命な雄姿の数々を温かく見守っていきたいなと思います。
もちろん、それは阿智賀にも千里山にも分け隔てなく。それこそ、終局時には誰しもが清々しく「麻雀は楽しい!」と思えるような結末を期待したいものですね。
次回 「奪回」
“私”がこの場所に居ることのそれぞれの理由が鮮明に描かれて、哀愁が漂って、けれどそれすらも“今”の原動力に変えていく彼女たちの決死の雄姿が本当に格好良いし、観ていて心のそこから応援したくなるといいますか... もうこの空間の何もかもが本当に堪らなく愛おしくて。
特にアバンで園城寺さんと竜華の過去(全国への起因)を描いたのはもう最高の構成だと思っていて、前話終盤に描かれた圧倒的オーラを漂わせる相手の実情をいきなり描いてくるっていう一種の卑怯さこそが、またこの作品の見所でもあるんじゃないかなって思うんですよね。もう、こんなの見せられたら千里山のことだって応援したくなるよね...っていう。
身体が弱いし、幽霊部員だし、もう私は麻雀打てるような状態じゃないし...って、そんな風に悲観的になっていた怜を励まして、また一緒に麻雀を打とうと彼女に生きることの目標を抱かせた竜華の想いの強さと優しさ。
もちろん、その心の奥底には『あなたと一緒に麻雀を打ちたいんだ』っていう想いが溢れ出していたのでしょうけど、それ以前に竜華は怜の友達として、あなたのことが好きな“私”として怜に生きることへの気力を取り戻して欲しかったに違いないのだと思うんです。寂しそうに下を俯かないでと。私の目を見てと。今回の件はその切欠となるものに最適だったのが麻雀だったという、ただそれだけの話。
そう、それだけなのだけれど、たったそれだけのことが彼女の生きる糧となり、そしていつしかそれは “これしかない”ものへと彼女の中で昇華されていく。そりゃあ、怜だって麻雀が好きに決まってるし、類稀な才能を持つ者だからこそ、その面白さや楽しさだってきっと知っているのだけれど、やっぱり彼女にとっての麻雀は彼女とそこに宿る生命力(=仲間の存在)を繋ぐ架け橋としての役割が強いはずで。
だから彼女だって負けられないし、負けられるわけがないんですよね。大会が終われば麻雀が終わる。そして、それは架け橋の消失に繋がる。
それだって、竜華や他のメンバーだって麻雀がなければ彼女との繋がりを絶つだなんていう考えは微塵も持ち合わせては居ないだろうし、そのことに関しては怜もちゃんと理解しているはずなのだけれど、それでもここが自分に生きる気力を抱かせてくれた場所だからこそ、この場所で最後まで戦っていたい。
まだまだ竜華の力になりたい。まだまだ、みんなと麻雀をしていたい... それは正真正銘の絆に他ならない、純粋無垢な想いの基盤でもあるはずなんです。
けど、一方でその対面に座る一人の少女もまた麻雀という名の架け橋を通じて一種の繋がりをしっかりと保っていた。今はもう何処にだって私のお母さんはいないけど、ドラをツモって、ドラを集めて、そうすれば“ここ”にお母さんの存在を感じられる。いや、そこまではいかなくたって、確かにお母さんとの約束はここに介在して私の背中をそっと押してくれる。
だから彼女はドラを切れないし、切れるわけがないんです。だって、ドラを切ったらドラが離れていってしまう。そして、それはお母さんとの架け橋の消失に繋がる。
また、それはのどかの「オカルトは信じていないけど、気持ちだけは信じたい」の言葉に凝縮されていたりもして、そこだけは玄にとっても譲れない想いでもあったのだと思います。ただ、不運(と言ってしまっていいのかは分からないけれど)だったのは、その架け橋の幅が広いか狭いかの違いであって、その点で観れば麻雀そのものをそれとしていた怜と、麻雀におけるドラをそれとした玄とでは、やはり“待ち幅”としても大きな差が出てしまい、そこが必然的に結果として現れてしまったということに尽きるのでしょう。
(ただ、それでもドラを切れるようにならなければ彼女にこれからはない...というのはまた別のお話。)
けれど、いくら不運といったって現実は時として厳しく残酷なものでその結果は彼女達の想いをも“この場所”から遠ざける状況に繋がってしまう。でも、それでも大丈夫。想いを貫き通し、自分の麻雀を打ち続けた妹の姿を見て、彼女は大丈夫だとそう言い放つわけで、それは宥自身がそんな彼女の想いを知っていたからに違いないのでしょう。
そして、玄の意思を紡ぐように彼女は“この場所”に立ち、戦うわけで、それは玄と宥が麻雀を介して絆を深め合う瞬間でもあり、それもまた一つの架け橋が“此処”に介在していることの証でもあるのです。
とまぁ、そんな風に観ていくと、まさに咲-saki-らしく麻雀における全てを人と人との架け橋として表現し切った素晴らしき回だったと呼べるストーリー構成だったのではないかなと思います。これぞ、咲。これが、咲。まさに私の観たいものを提示してくれたside-Aだったなぁと、もう感慨に浸りたい気持ちで一杯です。
ラストは玄が懸命に繋ぎ留めた点棒を片手にリーチ宣言。まるで“あなたは今も此処にいる。あなたの意思は私が受け継ぐ”と宣言しているかのような宥の凛とした佇まいにはどうしたって心が震える感覚を覚えてしまいますね。そんな彼女には多くの期待を込めながら一観客、一麻雀ファン、そして一咲ファンとしてその活躍を祈りつつ、想いを通わせながら戦う彼女達の懸命な雄姿の数々を温かく見守っていきたいなと思います。
もちろん、それは阿智賀にも千里山にも分け隔てなく。それこそ、終局時には誰しもが清々しく「麻雀は楽しい!」と思えるような結末を期待したいものですね。
次回 「奪回」
咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 第一局 [Blu-ray] (2012/06/20) 不明 商品詳細を見る |
- 関連記事
-
- 咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A 7話 『信念』 感想
- 咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A 6話 『奪回』 感想
- 咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A 5話 『強豪』 感想
- 咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A 4話 『全国』 感想
- 咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A 3話 『接触』 感想
Comment
Trackback
咲 -Saki- 阿知賀編 第5話「強豪」感想
咲 -Saki- 阿知賀編 第5話「強豪」感想
オカモチ同士の戦い。
咲-Saki- 阿知賀編 第6話「奪回」
MIRACLE RUSH『この中堅戦、より多く奪う!』
制作:Studio五組
監督:小野学
高鴨 穏乃:悠木碧 新子 憧:東山奈央 松実 玄:花澤香菜
松実 宥:MAKO 鷺森 灼:内山夕実 赤土 晴絵:進藤尚美
咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 第6話「奪回」
玄ちゃんが負けた分は取り戻すと出てきた宥お姉ちゃん。
温かいのいっぱ~い♪ ヾ(*´∀`)ノ
寒がりのお姉ちゃんは マンズと中が集まってくる体質w
千里山の二条泉は 宥の牌の偏りを知っていて対策をしてくる。
でも 宥の体質は 赤い色がついている牌?...
まとめtyaiました【咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A 5話 『強豪』 感想】
決する勝者と敗者の行方。けれど、ここじゃ終われないんだ。紡がれて、期待され、託されて。あなたは今も“此処”にいる。
咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A「第5話 強豪」/ブログのエントリ
咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A「第5話 強豪」に関するブログのエントリページです。
Trackback URL
Comment form