レノボ・ジャパンは2012年9月、横浜・みなとみらいにある研究開発拠点「大和研究所」を公開した。日本IBMの「ThinkPad」開発拠点として知られていた研究所である。レノボによるIBMパソコン事業買収後も存続し、2010年に神奈川県大和市から現在の場所に移転した。これまでの実績を尊重し、名称は従来のままとしている。

 大和研究所には、製品の耐久性や堅牢性をテストするための施設が設けられている。物理的な衝撃や電磁波など、ThinkPadにさまざまな負荷を与え、動作に問題が起こらないかを実験するための場だ。ThinkPadといえば、ビジネス現場の過酷な使われ方にも耐える信頼性に定評があり、この施設がそれを支える役割を担っている。

 この施設は基本的に非公開だが、ThinkPadの誕生20周年を機に、各国の報道関係者向けに特別公開した。そこで紹介された内部の様子を写真でお伝えする。

厳重な入室管理が施された入り口
大和研究所には、「無線・音響設計ラボ」「堅牢性・耐久性設計ラボ」など4つの試験施設があり、合わせて200以上のテストが実施されている。各施設の入り口にはICカードの読み取り機が置かれ、関係者しか入室できない。扉は2重に設置されており、一方を閉じてからでなければもう一方が開かない。扉が開いたときに、室内が外から見えないようにするためだ
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電磁波の実験施設「シールドブース」
電磁波がパソコンに与える影響を調べる。外に電磁波が出ないように設計された特別な部屋だ
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電磁波による弊害をチェック
LED電球が付いたリード線に向けて、電磁波を照射しているところ。電磁波の照射で製品に問題が生じないかをテストするのが目的だ。発電装置がないにもかかわらず、LED電球が光っているのが分かる。こうした電磁波がパソコンの内部に届くと、「ハングアップやハードディスクの回転停止といった深刻な問題が起こる」(研究所スタッフ)。ちなみに、携帯電話からはこの程度の強い電磁波が発せられているという。ThinkPadを使いながら近くに置いた携帯電話で電話を着信したところ、スピーカーからノイズが出るなどのトラブルが発生したという事例があり、それをきっかけに、こうしたテストが実施されるようになった
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