日本オラクルは11月17日、データベース管理ソフトの新版「Oracle Database 11g Release 2(11g R2)」の出荷を開始する。前のバージョンである「11g R1」が2007年夏に出荷を開始して以来、2年ぶりの最新版となる。
新版の特徴は、設定することなしに、サーバーとストレージのリソースの両方を仮想化して、自動的に割り当てる機能を追加したこと。複数のアプリケーションを稼働させている場合、あるアプリケーションの負荷が高まると、11g R2がサーバーやストレージの空きリソースを探し出し、自動的に割り当てる。この機能は、新製品に組み込んだ仮想化環境「Oracle Grid Infrastructure」に持たせる。
従来も、複数サーバーのクラスタリング技術「Oracle Real Application Clusters(RAC)」を使って、複数サーバーのリソースを複数のアプリケーションで共有できた。しかし、アプリケーションごとにサーバーを割り当てるなどの設定が必要だった。アプリケーションの処理量が増えてサーバーの台数を追加する場合、運用管理者 の管理作業が煩雑になっていた。新版ではそのような手間を省けることになる。
このほか、複数種類のデータベースを1台のサーバーで稼働できるデータベースの集約ソフト「RAC One Node」と呼ぶオプション製品も新たに提供する。
11月17日に出荷するのは、32ビットと64ビットのLinux版。他のOSで稼働する製品は17日以降、順次提供していく。新版である11g R2の価格は、11g R1の価格と同じになる。ただしオプション製品である「RAC One Node」の価格は未定である。